FILE5
先生は俺たちに動かないように注意すると、呪文を唱え出した。
「空間を管理するものよ、かのものたちを誘いたまえ! 複数転移」
先生が呪文を唱えると、俺たち4人の体が光出した。ほんの数秒した後、4人は、ステージに居た。そして、ステージの回りから声が聞こえた。
『勝利条件は、相手に一定のダメージを与えるか、気絶させるか、ギブアップさせるか、どれかです。武器を使う場合は、こちらで用意した、武器を使ってださい。それでは、試合を開始します。両者離れてください・・・・・それでは、開始!!』
放送が終わった。
俺は、開始の合図で体の隅々まで魔力をいきわたらせた。そうすることによって身体能力が上がるからだ。
俺の横で、慶が、慶自身の周りに、火球をあらわした。火球はどんどん数を増やしていき、とうとう20個ほどにまでなった。
「な、なに!無詠唱だと!!しかも無詠唱でその数!!」
慶が使ったのは、[火球弾]と言う、初級魔法だ。
相手の石川君は慶の無詠唱を見て驚いた声を出していた。
俺は、そんな驚いている、西川君の懐まで一気に詰めた。
相手の懐に詰めるのに1秒もかからなかった。
「な!・・・・・・・がぁは・・・・」
相手は俺が懐に来たことによって、こちらに意識が向いたが、次の瞬間相手は、気を失った。
それは、俺が、相手に向かって魔力の塊を放ったからである。これは、通常、ダメージを与えるだけだが、俺の場合は、魔力を流し込む時に〈気を失う〉という命令を加えたのだ、それが脳にいきわたって、相手が気を失うことになったのだ。
そして、俺が西川君の気を失わせたとき、後ろから慶の火球が飛んできて、堀江さんに向かっていった。堀江さんは、詠唱をして、水球を出し、それを火球にぶつけた。
火球と水球がぶつかり、蒸発した水であたりに霧ができた。慶は、そのとき雷魔法を使った。
慶が使ったのは、静電気程度の電圧の[微電気]を相手に向かって流した。
バチ!バチバチバチ!
と小さな音を立てて放たれた[微電気]が迫る
「え!?・・・・・キャ!」
堀江さんが[静電気]によって、体中の筋肉が動かなくなったところを、俺が、懐に飛び込み、西川君に使った技を使った。
2人が倒れたとき、ブザーが鳴った。
ビーー!
ブザーが鳴ったときに、俺たちは、また入ってきた時と同じように、体が光、視界が変わる。
『ただ今の試合は、1年瀬戸、2年黒木 ペアの勝利です。試合時間はなんと、40秒です』
俺たちが、ステージからでてすぐに放送がなった。
「おつかれ様」
後ろから、いきなり声がした。
俺が振り向くとそこには、さっきの先生だった。
「いやー強いね、君たちは、まぁこの後の試合もこの調子でがんばって」
「はい、ありがとうございます」
俺が挨拶をすると、その先生はどこかへ行ってしまった。
「慶、今の先生知ってる?」
俺は、先生の名前が気になったので、慶に先生の名前を尋ねた。
「いえ、知らないわ、あの先生見たことがないわ」
「え!?慶が知らないならあの先生は何者なの?」
「さぁ?わからないわ」
俺たちは、さっきの先生が何者なのか気になって考えていたが、この学校の中に入ってきているから、この学園の、関係者であることは間違いないのだが、いくら考えてもわからないので
考えるのをあきらめた。
「う・・・ょう・・・りょう・・・凌!」
「え!?」
俺は慶に名前を呼ばれ驚いた、・・・どうやら俺は、考えに耽っていて、慶が呼んでいることに、気がつかなかったようだ。
「慶、何かよう?」
俺は、名前を呼ばれたので、何か用があるんだと思い、質問した。
「別にないわよ、ただ凌が、黙ったままだったから、どうしたのか聞きたかっただけよ」
どうやら慶は俺のことを心配してくれていたようだ。
「ありがとう、けど何もないよ」
「そう・・・それじゃ、次の試合まで時間があるのそれから、多分次の試合は、昼くらいになるから、昼食を買いに行かない?」
今の時間は、10時30分だ。
確かに、今からだと次の試合は昼過ぎか、昼前になる。
「う〜ん・・・いいですね、行きましょうか」
「行きましょうか」
慶はそういうと、呪文を唱えだした。
「空間を操り、管理するもの!われの命により、開きたまえ! 転移空間接続」
俺が前に唱えた呪文だった。
呪文を唱え終わると、俺たちの前に空間のゆがみができた。
「それじゃ、ここを通って行きましょ」
「はい」
俺たちは、慶が作った「転移空間接続」を通った。
「転移空間接続」を通りぬけると、そこは、購買だった。
だが購買にしてはかなりでかかった。
俺は、大きさにビックリして、入り口に突っ立ていた。
「凌!どうしたの?」
「い、いや、ここは、本当に学校なのかと思って・・・・」
「フフ、まぁ確かにこれは驚くわね。けれども、ここ以外も驚くと思うわよ。ほかの教室なんかも、大きいわよ」
「へぇー」
「とにかく、何か買いましょ」
「そうですね」
俺たちは、購買の中に入っていった。
中はスーパーみたいになっていた。