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聖女なら愛らしい娘さんを選ぶべきだって


 私は死んだんだそうな。

 自然の摂理だ致し方ない…

 それで、よくわからないが別の世界で聖女としてスカウトされてるらしい。

 そんな馬鹿な…

 その上転生ものじゃなく転移ものになるという。

 なんでやねん…

 麗しい女神様からのお誘いに、私は、声を大にして、言いたい!いや、意思を強く強く持って私はさけぶ!


 チビデブコミュ障三十路超えヲタク喪女なんて私は聖女と認めない!!!


 心の中は号泣です。大号泣です。男泣きに泣いている。

 そんな聖女やだ。見たくない。萌えないヒロインの乙女ゲー地雷です。却下です。世界のバランス考えて!?私はヲタクとして学んできています!迷惑なヒロインなど逆に世界を混乱に陥れるのみ!愛せないヒロインの存在は、ゲームそのものを道連れに地雷となるのです。

 女神様、女神様ならわかるはず。

 ビューティフルイズジャスティス!と。

「あらあらすごい器用ねぇ。泣かないでちょうだい。」

 女神様は何かに感心しながら私をサワサワしてくれる。そんな感触より大事な話をしています。女神様。聞いていますか。ヲタクとして、私は絶対にこれを譲れないのです。お願いです。

「一部この世界特有の文化言語はわからなかったけれど、貴女の望みはよくわかったわ。」


 本当ですか!?


「えぇ、えぇ、それでどんな聖女が理想なのかしら?」

 なんて話のわかる方ー!さすが女神様!


 細身で小さくてかわいくて守ってあげたくなる若くてぴちぴちの聖女様一択です!


「かわいいの所以が難しいわね。具体的にあるかしら?」


 ぱっちり二重のややたれ目で黒目がちのふぁっさり睫毛が長い少し伏し目がちになると愁いた色気が守りたいと思わせる少し薄めの唇は小さく愛らしい桜色に色付いたサラサラスーパーストレートヘアーな清楚系聖女様!びた一文まけらんない!!


「なぁるほどぉー。大丈夫。貴女の希望は全て叶うわ。」

 一息に並べ立てた私の言葉に、肯定していただけて何よりと、私はホクホクと何度も気持ちの上で頷いた。

 聖女様だぞ。私みたいな喪女捕まえてないで早く探してきていただかねば。ここぞとばかりに詰め込んだ私の好みと夢と希望と萌えをどうか叶えて頂ければ本望である。

 世界のどこかにそんな素敵なかわいいかわいい聖女様が存在する。

 あぁ…なんて


 尊みしかない


 今なら私は心安らかに成仏できるだろう。世界には、尊き存在があるのだよ。ふふふ。

 髪の色や瞳の色まではその子のお父さんお母さんからもらうものだからね。私からはなにも言わないさ。

 愛らしく愛された素敵な娘さんよ。私の代わりに是非、聖女となってくれ。

「では、小さくてかわいくて守ってあげたくなる若くてぴちぴちの肉体で、聖女、頑張ってね。いってらっしゃーい。」


 えっ!?


 女神様が急速に遠ざかる。嘘でしょ待って。

 私が、私が聖女なのはかわらないんかーーーーい!!!!????




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