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え、この家庭教師二次元なのでは?


 私は元々黒髪サラサラストレートロングヘアー愁い顔だが意思の強い系歳上キャラがド性癖だ。

 二次元ならね。


 そんでもって今、目の前に、そのド性癖そのものの男性がいる。

 眉間のシワとはねあがった片眉、恐らくはただの天然で存在してるだけであろうつり目が怖い。

 謝罪したけど、ついて早々大変失礼な事をしたのはこちらだ。怒らせて当然だ。


「本当に、申し訳ありません。お客様をほったらかしにするようにしてしまい…ご不快にさせてしまいました。」


 以後この様なことがないよう、社員一同勤めて参ります。

 と、企業努力を述べたいところであるが、この家の事は私の管轄ではないし、神様もそうだ。

 あーでも、神様呼び出しちゃうのは私か。私なんだった。それなら、今後の改善を述べられるじゃないか。よっしゃよっしゃ。糸口あったぞ。良かった。


「今後は勉強が中断することがない様、自身の思考に気を付けて参りますので、お許しいただければ幸いです。」


 何が祈り判定されるかわからんけど、萌えからくる尊みにうち震えなければかつる。多分な。


「聖女様…」


 ここでやっと始めてこの黒髪美丈夫の声を聞いた事に気がついた。え、やばい、これは、これはヤバイのでは?


「尊き祈りが天へと届く事を妨げてよい理由など、この世のどこにも存在し得ないと存じます。」


 こ…声が…低めで落ち着いていて少しハスキーで色気がとめどない上、ゆっくりしたしゃべり方が咎めるようなイントネーションで私に話してくる。う…うわぁぁぁぁぁっ

 声豚の私が、この声とこの見た目と生活して、光の貴公子呼ばない自信が全く無いんですけど?

 なぜあなたは二次元にいないの?

 きっと最推しになったことでしょう。

 だから早く壁か床にしてくれ頼むよ神様!!!


「ですので、謝罪は不要です。何より、あなた様が聖女様であることがすぐにわかったのは僥倖でございます。」


 丁寧だが線を引いて突き放す空気を伝えてくる美丈夫。なるほど馴れ合わないぞと言うことか。

 それなら逆にありがたい。

 ビジネスライクに生きていこうぞ。会社での私語程苦痛なものはなかった。


「わかりました。また無意識に神様をお呼びしてしまうかもしれませんが、これからどうぞよろしくお願い致します。申し遅れましたが、私は…ええと、名前が名乗れないので、仮ではありますが、アオ…と、お呼びください。」

「異界の名はこの世界に馴染めないのだという記述を目にしたことがございます。かしこまりました。アオ様」

「…」


 さ…様付け…クソ固い敬語…。

 ひぇ…教わりづらい。


「わたくしはアレクシスと申します。本日よりアオ様にこの世界のことをお教え致します。」


 口調、何とかしてもらいたい。貰いたいが、初対面。我らは本日初対面。

 始めましての間柄でヨビタメオッケーです!系地雷の私です。


「よ、よろしくお願いします…」


 絞り出すように言うので精一杯だった。

 またしてもすぐそこにいたマリエさんにアレクシスさんの案内をお願いして、授業は明日からよろしくとあっさりお別れさせてもらった。

 ドサリ と、一人になったソファーに座り込んで天井を見つめた。

 あぁ…クソ疲れたなぁ。

 お勉強はともかく、くっそ私のド性癖ど真ん中のアレクシスさんの存在どうしてくれよう…。


 立ち上がるのも億劫だったが何とかして部屋に戻るとこの萌えを吐き出すため、ベッドの上で転げ回りシャドウボクシングし、ヘドバンし、前転側転とかしまくってうっすら汗をかいたとこでふと思う。

 え、私、側転とかできんの?優秀じゃね?




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