第2話~見たこともない世界~
周りを見渡すと。身体の胴体ふたつはありそうな幹を持つ木々が辺り一面に立っている。
僕は手を前に伸ばしてみる。後ろにあった手が元通りになっている。
足を伸ばして立つ、問題ない。
………僕は……生き返った?
ここはどこだろうか?こんなに綺麗な空で大きな木があるところは見覚えがない。
外国だろうか?
「…やっと起きたか…」
「…ここはどこですか?」
言ってから気づいたけど人がいる…!
そして自分の声じゃない!
金色に輝く鎧を身にまとい甲冑と同じ色の髪の毛を腰まで携えた女性がいた。
さっきから声をかけていたのはこの人なのだろうか?
「ここか?ここはサンクワード帝国の領地フォルガ森林公園だ。こんなところで3日も寝ていた奴は君が初めてだ毎日声はかけたんだがな」
サンクワード帝国?外国にそんな国はあったかな?
もしかしたら映画の撮影に何らかの形で入ってしまった?
生き返った??
傷はない…指が少し細くなっている。
服は見慣れないポンチョみたいな服を着ている。
……なにもわからない
僕は目の前にいる女性にとりあえず名前を名乗ることにした。
「僕は上井亜瑠と言います。」
「私は……セ……セレナだ。」
彼女は一瞬ためらうような顔をした後に名前を言った。
セレナか、ますます外人の方だと思ったけどなんで僕は彼女と普通に会話出来てるのだろうか?日本人なのだろうか?
「……カミイアル……か読みにくい名前だな。どこの国の者だ?」
「日本と言うアジアの国に住んでいます。知りませんか?」
「……?」
彼女は目を閉じ何かを思いだろうとするが思い出せないのか首を軽く横に振りながら
「すまないが聞いたことがないな」と言った。
日本語を話せるのに聞いたことがない?僕が外国語を無意識に話しているのか?
僕は脳をフル活用して考える。
ここは映画の撮影している最中で彼女は役になりきっている?
いやそれだとすぐにスタッフが止めに来るはずだ、それにカメラなどの器具が一切見えない。
もしかしたら生き返り何も覚えてなくて自然豊かなところで休養中だった?
それこそ誰もついてないのがおかしい。
可能性として異世界という所に飛ばされた?
どうやって?
無理だ。
自分の服を撫でながら最後の不可解な部屋を思い出す。
彼女はいったい何者だったのだろうか?
彼女がここに連れてきたのだろうか?
「もしかして、ミスティア学園に入学する者か?」
「え……?」
「違うのか?ミスティア学園の制服に似ているし見たところ10代だろう?ミスティア学園に戦闘を学びに来る人は沢山いるからな。なんたって戦いの最前線だからな。」
そういうことですか……
学校……か……。
退屈な日々を思い出し目を伏せる。
言いなりだった日々を思い出し頭が痛くなる。
変われなかった日々を……
「どうした?」
「っ!」
それは前の話じゃないか!まだ自分を変えていけるはずだ!
でも……
でも……
でも……
「……その学校の詳しい話を聞かせていただけませんか?」