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第十話 仕事 1

お久しぶりです。また期間が空きましたが、不定期でも更新する予定です。

では、2人のほのぼのとしたラブラブっぷりをどうぞ。

「あっ!」

「あら?」

朱里さんがなぜか俺の会社に来た。

「何だ?知り合いか?」

明石先輩に尋ねられたので答える。

「あっ、はい。知り合いです。久しぶりです、朱里さん」

「久しぶりね、悠人君」

何でここにいるんだ!?さっきからなぜか汗が止まらないんだが!

「期待の新人が入ったって言ってたけど、この子のこと?」

明石先輩!何言ってるんですか!?

「そう!激戦だったこいつをここに引き抜いたんだぜ」

「へぇ〜、なら悠人君に頼もうかしら?」

朱里さんはにっこりと笑う。

要求されてるもののハードルがすごい高い気がするんですけど!

「私で良ければ」

引きつった営業スマイルで答えた。


「う〜ん」

「悠人が仕事してる」

今日も家に来た紫が俺の様子を見て、コーヒーを入れてくれたのでお礼を言う。

「失礼な。来年から社会人だぞ」

コーヒーを飲みつつ、朱里さんを納得させるものを作るためにも模索する。

これは絶対に俺を試されてる。だからこそ、手は抜けない。

「煮詰まってるなら気分転換に一息入れたら?」

「う〜ん、そうするわ」

頭をがしがしと掻くと、昨日お風呂に入ってなかったのを思い出した。

「風呂に入って来る」

「背中でも流しましょうか?」

「いいから。絶対に入って来るなよ?」

前から隙あれば一緒に入ろうとする紫を阻止するためにも強く言っておく。

「はーい」


風呂に入ってすっきりした俺が見たのは紫が家事をしてる姿だった。

「あっ、ご飯できてるよ」

テーブルにはご飯と味噌汁と玉子焼き、漬け物が出ていた。

「いただきます」

合掌して食べ始めると、紫も向かいの席に座った。

「どう?美味しい?」

「美味いよ」

「良かった〜」

黙々と食べる姿を紫はにこにこと笑って見ていた。

「ごちそうさま」

ふと思った。

「この会話って新婚夫婦みたいだな」

徹夜明けの俺は頭が働いてないため、素直に思ったことを口に出す。

「ふぇっ!?し、しし新婚夫婦って…!まだ結婚してないし…!」

紫が動揺してることに俺は気づかない。

「そうだな。この場合は付き合い立てのカップルか?」

「そうだね!私、洗濯物干して来る!」

なぜかバタバタと走り去って行った紫を眺める。

「あっ、これいいかもしれない」

閃いた俺は急いで仕事を開始した。


「どうでしょうか?」

「いいんじゃない?これで行きましょう」

OKを貰ってほっとし、喜んだのもつかの間。

「では、引き続きお願いしますね」

「はい」

まだ仕事が終わってないことに俺はがくっと肩を落とした。


「あら?これ、悠人君?プールの時の写真ね」

後ろから声がし、びくっとする。

「お母さん!?急にびっくりさせないでよ」

「悠人君って意外と筋肉質なのね?撮りたくなる気持ち、わかるわ」

悠人が上半身裸の写真を眺めていたのを見られ、恥ずかしくなる。

そう、あの時、かっこ良かった悠人をつい携帯で撮ってしまったのだ。

「ふん、あげないからね」

「悠人君の写真なら持ってるわよ?」

「えっ?持ってる!?」

「あら、悠人君から聞いてないの?」

そんなの知らない。聞いてない!

「ほら」

そして、見せてもらった写真は私だった。

「へっ?」

「悠人君が撮った写真よ。何を勘違いしてるのかしらね?娘の写真を欲しがるのは普通でしょう?」

「私の写真…」

「取引したのよ。娘のことを容認する代わりに娘の写真を送るとね」

悠人ー!後でじっくりと問い詰めてやるんだから!


「お母さんから聞いたんだけど、取引したんだって?」

目が据わってる紫は怖かった。

「あぁ…」

何であんなに怒ってるんだ!?

「いつの間にあんなに仲良くなったの?」

「最近だよ」

「メルアドも?」

「そう。娘の様子を知りたいって言われたら断れないだろう?」

さっきから汗が止まらない!まるで浮気がばれた夫みたいなんだが!何で俺、こんなに追い詰められてるの!?黙ってて悪かったけど、そんな怒るようなことしたか!?

「ふ〜ん。まぁ、お母さんは美人だし?仕方ないか」

「紫さん?その手は何でしょう?」

紫が構え出し、俺は嫌な予感がした。

「問答無用!天誅!」

紫から鳩尾にいいパンチを貰い、痙攣する。

「また腕上げたな…」


「私ね、空手を習い始めたんだ!」

すごい笑顔で言う紫。

「最近、物騒だし、護身にね?」

確かに世の中は物騒ではあるが。

「そうか。まぁ、体を動かすのはいいことだと思うぞ」

「うん。だから、浮気は絶対にダメだよ?」

にっこりと紫は首を傾げた。

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