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第九話 プール

しばらくはこの2人のイチャラブです。お楽しみに。

「ここがお前のデスクな」

案内された場所に自分のデスクがあるのを見ると、これからここで働くんだなと再認識する。

「正式な入社は卒業後だが、正社員のつもりで働いてくれ」

「いや、それブラック企業の台詞ですよ」

がはははと俺の背中を笑いながら叩く。

「頑張ってくれよ、期待の新人君」


「最近、楽しそうだね」

「まぁな。うちの会社、人数が少ないからやること多いんだよ。一人当たりの仕事量、半端じゃねぇし。俺、まだ正社員じゃないんだけど、アルバイトに任すには仕事の内容も量もおかしいんだよね」

「充実してる?」

「紫のおかげでな」

「私、何もしてないよ?」

「仕事で疲れても、紫で癒されて、そしてまた次の日も頑張れる。そもそも、俺がこうして仕事できるのも紫のおかげだしな。紫がいなかったらこの仕事に就いてない」

最初のきっかけは父さんがくれたビデオカメラとカメラだ。でも、紫の存在があったから俺は撮り始めたのだ。そして、今でも撮り続けてる。

「紫との思い出を綺麗に保存したいって思って、編集し出したら本格的にはまり出してな。だから、ちゃんと勉強しようと思って、今の映像学科を選んだ」

「じゃあ、今の悠人がいるのは私のおかげだ。そんな私にケーキバイキングを奢ってくれてもいいのよ?」

彼女の視線の先にはケーキバイキングの看板があった。

「はいはい、奢りますよ。俺のお姫様」


「ふんふんふふん」

「あら、随分ご機嫌ね〜。鼻唄まで歌って」

「えっ?そうかな〜?そんなことないよ」

お母さんの言葉にぎくっとする。

「明日、プールに行くのね」

明日の準備を早く終わらせておいたのを目敏く気づいたらしい。

「うん、友達と」

「そう、悠人君とプールか〜。それならそんなに楽しみなのもわかるわ」

「うぐっ…」

思いっきりばれてる。

「まぁ、私達は仕事で遊びに行かせられないから、悠人君と楽しんできなさいな」

「うん!」

「お父さんには黙っててあげるわ。……知ったらどうなることか…」

「ありがとう!」

最後のほうはあまり聞こえなかったけど、まぁいいか。そんなことより、明日は悠人とプールだ!


入場して、紫と一緒に更衣室に向かう。

「ってちょっと待て」

「どうかした?」

自然すぎて気づかなかったが、明らかにおかしいことがあっただろう。

「いやいや、おかしいから。何で俺に付いて来るんだよ!?」

そう、俺は男子更衣室に向かっていた。

「私、小学生。何も問題ない」

なぜに片言なんだよ!

「大いにあるわ!」

「私一人で行くの?私を一人にしないで!」

「お前一人でも大丈夫だろうが!何、演技してるんだ!そもそも、その服の下は水着だろう。通り抜けたらいいだろう」

俺はしゃがみ、紫と目を合わせる。

「お前を男子更衣室に行かせたくないの。わかってくれ」

「まぁ、それなら。わかった。じゃあ、すぐに来てよね?」

紫が女子更衣室に向かったのを見送ってから俺も男子更衣室に向かった。

通り抜けて、紫と合流し、荷物の置き場所を取る。

紫はワンピースを脱ぎ始めた。

「どう?似合ってる?」

くるりと回ると、水着のスカートもふわりと浮く。

「似合ってる。可愛いよ」

「本当?えへへっ」

水着姿の紫を撮ると、俺も服を脱ぐ。

ぼんやりとしている紫を不審に思い、熱中症かと彼女の体調を心配する。

「大丈夫か?」

「だっ大丈夫!筋肉質な体が出てきてびっくりしただけだし、鍛えてるな〜とかかっこいいな〜とか別に思ってないから!見とれてなんかいないんだからね!」

「はいはい、わかったから」

俺はビデオカメラを用意する。

「行くか」

「うん!」

流れるプールで紫はのんびりと浮き輪に浮かぶ。

「お前、撮影って室内だけでやるものだと思ってただろ?」

「違うの?」

「そんな訳ないだろう。意外とアクティブだぞ。俺の場合、景色とか撮影することが多いし、その一瞬を撮るために動いて待つから体力がないとできないんだよ。何より撮影機具、重いからな。ある程度鍛えておかないときつい」

「何それ、体育会系並みにきつそう」

「確かに映像を編集したりする時は座ってるけど、基本的に外で活動だから」

今度は浮き輪の上に乗ろうとして、苦心してる紫を見かねた俺は持ち上げてやる。

「ありがとう。じゃあ、仕事、結構大変なんだね?」

「大変だな」

その後も他愛ない会話をする。

波の出るプールや紫が乗りたがったスライダーにも乗り、散々楽しんだ後はソフトクリームを食べる。

「楽しかったか?」

「うん!」

「なら良かった。はい、チーズ」

ソフトクリームを食べる紫を撮る。

「私、悠人が撮ってるの何が楽しいんだろうってずっと思ってたけど、わかった気がする」

ちゃんと撮れたのかを確認してた目線を紫に移す。

「記録に残せるっていいね」

「紫もこの良さがわかったか」

そうだ。この一瞬が愛しいから切り取るんだ。今しかないこの瞬間を。

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