帰宅途中
この話の舞台のイメージとしては中世のヨーロッパっぽいイメージですね。
私、狼と香辛料好きなんで中世にしました。
大通りは路地にくらべると多少はマシだった。
しかしそれでも路地で嗅いだような臭いがうっすらとするし、前日の雨が大小の水溜まりをつくっていた。
「はぁ~、まさか家に帰る途中にもう一仕事依頼されるとは…」
体を大きく伸ばしながら呟く。
「さて、依頼人に報告して帰りますかね。って、もうすぐ夜明けだけどね。」
そう独り言を言っていると呼び掛けられた。
「リュート!仕事おわったの?」
その声の主に青年…リュートが目を向けるとそこには茶色い髪を短く切り揃えた酒場の従業員の服を纏った健康的色の肌を持つ可愛らしい女の子がいた。
「ん?ヨーコか。お前ここで何してる?仕事は?」
彼女は俺がよく仕事を紹介して貰う店の従業員だ。
意外と長い付き合いなのだが未だにコイツの私服を見たことがない。いつか絶対にみてやる。
「仕事は大分前に終わってるよ。家に帰りたかったけどハンナさんがリュートからお金貰ってこいって、だから仕方なくリュートを探してたの。」
そう不満げな顔をしているが、そんな顔でも身長が150cm程しかない彼女がすると、ただただ可愛らしいだけである。
「あぁ、すまないな。じゃあこれハンナさんに渡してくれ。依頼料は今日の昼過ぎに尋ねるからそのとき貰うよ。」
そう言いながら彼女の手に皮袋を押し付ける。
「リュートもしかしてあの子殺しちゃった?」
「まさか、流石に殺しまではしないさ。ただ少し痛い目みしてやっただけだ。」
ヨーコがニヤニヤと挑発的な目線を向けてくる。
「リュートひどい。やっぱり外道だったのね。」
「いや、こっちも仕事だからしただけなんだがな。普通はこんなことはしないさ。」
「ふふっ。分かってる、リュートは私を助けてくれたくらいのお人好しだものね。」
ヨーコはくるり背を向けるとこちらを見ずに言う。
「じゃあねリュート。ちゃんとお金は渡すから昼過ぎに酒場に来てよ。」
ひらひらと手を振りながらヨーコは来た道を戻っていった。
その姿を見送るようなことはせずリュートは街の外側へと向かうのだった。
どう話を展開させればいいのやら…
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