プロローグ 秘密基地で
初投稿です。
「俺、将来騎士になりたいんだ」
ロウソクの光に照らされた4つの影のうち1つが、決意のこもった声で言いました。
「フェイト君ならそう言うと思ってたなあ、まあ、騎士になりたいのはオレもなんだけどね」
違う声が答えました。
「お前たちはいつも単純なんだ……、僕は兄さんと同じ医術士になるぞ」
さらに違う声が答えると、2番目の声が嬉しそうに言いました。
「とか言っちゃってモーリス君、オレ達と一緒に首都に来てくれるんだろ?よっ親友!信じてたよ~!」
「か、勘違いするな!医術士になるためには首都の学校に行くのが一番いいだけだ!別にお前たちについて行くためじゃない!」
「も~素直じゃないな~」
「うるさいっ!」
2人話し声に合わせて、ろうそくの火が大きく揺れた。
「おい、ジルもモーリスもあまり騒ぐな。ここがばれたらどうする」
「さきに騒いだのはジルだぞ……」
「あ、ひどいなあモーリス君、オレのせいにして~」
「分かった、分かったから。……で、アキ。お前はどうするんだ?」
場をなだめた最初の声が、その場にいる最後の一人に尋ねました。
「私は……」
答えたのはその場にいる唯一の少女でした。
少女は少し考えつつも、はっきりと言いました。
「魔導士になりたいの!」