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あとがき

 こういう、「あとがき」と称する言い訳を書くのは良くないということは分かってはいるのですが、乗りかけた船、晒した恥を完遂するために、書かざるを得ないのです。

 中途半端で終わったように思われるかもしれませんが、これで私の頭の中にあった妄想はほぼ全て出したのです。あの世界の中では、今後、ドールを取り巻く日常が延々繰り返されるんじゃないでしょうか。私は知りません。


 私は小説とか文章を書くのを趣味としていません。今回、初めて長い小説のようなものを書きました。なんで突然、そんなものを書いたのかと言いますと、話は六年ほど前にさかのぼります。

 当時会社で「ゲームの企画を考えろ」という社長の鶴の一声がありました。ちなみに私の会社はゲームの制作会社ではありません。何のために企画を考えるのか、説明を受けたような気がしますが、すっかり忘れました。

 そのときに私が考えた企画は「さかつく」と「メタルギア」を融合させたゲームでした。

 プレイヤーは使い道に困っているダメロボットの用途を考える組織に入ります。そこで、普段はロボットに「訓練」などをさせ、たまに入ってくる「ミッション」をクリアすると報酬がもらえ、たまった金でロボットを修繕したり装備を買い揃えたりする……そういう内容のゲームです。ミッションの内容は、この小説で書かれたような事件の解決から、実際には行わなかったティッシュ配りのアルバイトまで……。

 さかつくですと、プレイヤーに秘書のお姉さんがつくのですが、私の企画でも、この秘書と監督を組み合わせたような「アシスタント」がついて、プレイヤーを補佐します。アシスタントは元OLの女の子、元経済アナリスト、元ヤクザのジジイ、元傭兵など……。

 そのうち、社長も企画の事は何も言わなくなったので、私の企画自体は結局誰にも見せなかったのですが、それがストーリーとして私の頭の中で一人歩きし始めました。

 特にそれを煮詰めて形にしたいと思ったわけじゃありません。なのに、寝ようとすると、そのストーリーが頭の中で再生され、振り払っても振り払っても、私の頭の中に居座りました。そんな感じが六年間も続いたのです。

 私はこれは何らかの「形」にすることで、頭の中から捨てられるのではないかと思いました。

 どういう形にすべきかと言うところで、何故か書いたこともない小説を選択することになりました。絵が描ければマンガにしたのかなとも思ったのですが、頭の中では絵や映像ではなく「マユミは○○だと思った」みたいに、人の頭で考えてるシーンばかりが文章として浮かぶので、小説という形しかとりようがなかったのかもしれません。

 しかし、いたずら書きのような短い文章なら書いたことがあっても、長い小説なんて書いたことがないわけで、多分三ページも書いてみれば途中で挫折して、それでも十分、私の頭に巣食う妄想は昇華されるものだと思っていました。なんというか、諦めがつくというか。ところがパソコンに向かって文章を打ち始めると、意外にも止まらなくなりました。パソコンに向かう時間は限られるので、空き時間である通勤の電車の中でノートに凄い勢いで書きまくりました。

 書いてる間は、考えて書くというより、受信している電波をそのままメモってるような状態でした。そういう意味では私の書いたものは深い内容では無いと思うし、読者と楽しませるサービスや、わかり易い仕掛けなどは皆無かと思います。なんというか、降ってくる電波、すなわち自分の妄想とか願望に忠実に、様々なしがらみから自由になろうと思ったからです。

 だから、マユミの容姿なんて細かく書いてありません。巨乳なのか貧乳なのかも書いてありません。読者にとっては絶対重要なのは分かっていますが、このストーリーを語る上では私にとって重要じゃなかったんだろうと思います。


 目的が「頭の中に巣食う妄想を追い出す」ことだったので、現状、すっかり出し切った今、目的は完了し、すっきりとした気分です。寝ようとしてストーリーが再生されることもなくなりました。反面、続きのストーリーを考えて作って書くというのは、多分私には無理です。それどころか書き終わった今この段階から、私には黒歴史になりつつあります。


 というわけで、何らかの結末を期待していた方には申し訳ありません。

 それどころか、こんな私の書いた物を読んでくださった方がいたというのは、本当にありがたいことでした。


 六年前の企画の段階で、退役ロボット能力開発機構(TRNKK)というのは既に決まってました。また、登場人物の名前がいわゆるDQNネームで、それぞれ気にしているという背景も決めてました。またアシスタントのうち、女の子はマユミに、元傭兵は森に「発展」しています。初期のミッションである敵を見逃すと、後のミッションに影響するなんてことも考えていて、それが山田孝太郎の行動に生きています。そんな感じで最後の恥さらしを。次で使った元ネタを書いていきます。

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