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猛虎奮迅-呂布伝-  作者: Hirotsugu Ko
第二部・曹操との死闘編
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第34話

 泰山の山塞を後にした呂布は、高順らと共に各地を転々としながら、辛い逃亡生活を送っていた。それは、山野に潜んで警戒しながら一夜を過ごし、手持ちの水や食料が無くなると、雨水を集めて喉の渇きを癒し、草木を食べて飢えを凌ぐという過酷極まりないものであった。

「はたして、どこへ参ればよいのやら…」

 途方に暮れていた呂布は、力無くため息をこぼした。と、その時、前方を歩く一人の浪人を目の当たりにし、思わず息を飲んだ。

「むう…あれは、まさか陳宮…」

 彼は、ふいに張邈の世話になっていた頃に出会った優れた知恵者のことを思い出したのであった。

「陳宮!」

 呂布は、大声で彼の名を呼んだ。すると、その声に気付いた陳宮は、声のする方へ振り向き、思わず目を丸くしたのだった。

「おお…そこにおわすのは、呂布どのではござらんか」

 呂布たちの存在に気付いた彼は、急いで駆け寄ってきた。

「無事であったか…張邈軍が曹操に打ち負かされたと聞いた時は、もうこの世の人でないと思うていたが…」

「なんのこれしきのこと…陳宮には、曹操を倒す使命がございます。その使命を果たさずして、死ぬことはできませぬ」

 陳宮は、そう言って、大きく笑った。張邈軍の壊滅後、奇跡的に難を逃れた彼は、打倒・曹操を胸に秘めながら、諸国を渡り歩いていたのであった。

「しかし、ここで会ったのも何かの縁だ。これからは、我らと共に行動しないか」

 呂布の誘いに、彼は小さく頷いた。

「いいでしょう…呂布どののお力になれるのなら、願ったり叶ったりです。共に曹操打倒のため、力を合わせましょう」

「ありがとう。陳宮…お主のような知恵者が力を貸してくれれば、我らは千人力だ」

 呂布は、そう言って、陳宮と手を取り合った。と、その時、この放浪の旅につき従っていた徐晃と名乗る男が、おもむろに声を発した。

「しかし、殿…我らは、何の力を持たない流浪の身…陳宮どのが加わってくれることは心強いですが、これから先はどうするおつもりですか」

 徐晃は、今は亡き楊奉の部下だった男で、彼に対して呂布と共に献帝の長安脱出の手助けをするよう強く進言したほどの豪の者だ。さらに、彼は、大斧を手足のごとく扱う達人でもあり、先の曹操との一戦では、押し寄せて来る敵兵を鬼神のごとく蹴散らすなど目覚ましい働きを見せ、仲間内から多大な信頼を勝ち得ていた。

「うむ。どうするべきか」

 呂布が頭をかきながら顔をしかめていると、おもむろに陳宮はこう提言した。

「徐州へ向かわれては、どうでしょうか…最近、太守の陶謙は死去しましたが、その太守の任は息子たちに譲らず、劉備と言う人望の厚い御仁に託したとのことでございます。劉備どのは、とてもお優しく仁徳のある方なので、我々を受け入れてくれるかもしれません」

 徐州は、兗州より南東に位置する長江以北の都市で、さらに東へ向かうと東シナ海に行き当たる。また、四方の丘陵地に囲まれた要害の地であり、春秋戦国時代では楚の項羽の拠点として有名である。

「劉備か…反董卓連合軍との戦いの中で出会って以来だな」

 呂布は、すぐにその時の状況を振り返り、

「ふむ。果たして、そう簡単に受け入れてくれるものだろうか」

 腕組みをした。すると、陳宮は、おもむろに口を開き、

「昔は敵同士で戦い合った縁ではありますが、あの時はあくまで董卓を討つために行動したことですから、呂布どのに恨みがあるわけではございますまい」

 それを受けて徐晃が、

「それがしは、劉備どのの義弟である関羽と旧知の仲にございます。よろしければ、それがしが彼に会い、取り計らってもらうよう説得してみせます」

 と、口添えをすると、

「おお、そなたは関羽どのとつながりがあったのか。それは、都合がいい」

 呂布は、笑顔を見せた。

「うむ、なんとかなりそうだな。よし…」

 こうして、呂布は、劉備を頼るため、徐州へ向かうことを決めたのであった。


 徐州にたどり着いた呂布たちは、徐晃経由による関羽の働きかけもあって、新しく太守となった劉備に面会を許されたのだった。そして、彼は流浪の身で苦労をしている呂布たちの話を聞いて、強く心を打たれた。

「天下の豪傑が、ここまでないがしろにされているのは、いたく不憫である。我らと共に後漢の再興のため、力を合わせようではないか」

「おお…ありがとうございます。劉備どの」

 こうして、呂布は劉備の庇護を受けることになったのであった。

 ここで、劉備について、少し触れておこう…。彼は、涿郡涿県の出身で、前漢の中山靖王・劉勝の末裔にあたる。漢王室の流れを組む家系だが、要職を務めていた祖父、父が若くして他界したため、没落し、母子二人でわら靴やむしろを売って生計を立てながら暮らしていた。黄巾の乱が発生すると、関羽と張飛と共に決起し、賊軍討伐をするべく各地を転戦した。その後、曹操の大義に感銘を受け、逆臣・董卓を討つべく反董卓連合軍に参加し、数々の功績を残している。さらに、北海の地が青州黄巾賊に狙われると、太守・孔融の要請を受けて参戦し、彼らを蹴散らした。その時に、孔融の働きかけもあって、徐州の陶謙に士官。そこで、彼にたいそう気に入られた劉備は、臨終の際に彼から徐州を託されたのであった。


 呂布たちが徐州へたどり着いてから数日後…

 行方不明となっていた義妹・呂香姫の所在を確認するために放たれた韋駄天の魏越が、彼らのもとへ戻ってきた。

「そうか…やはり、曹操に捕らえられていたのか」

 それを聞いた呂布は、ぐっと歯を食いしばった。

「妹君は、許昌の都にある牢獄に閉じ込められております。恐らく、何らかの駆け引きに使う腹積もりかもしれません」

 魏越が、そう報告すると、

「妹の命がかかっている…その時は、快くその駆け引きに応じるとしよう」

 呂布は、公然と腹をくくった。すると、

「駆け引きなど、応じてはなりません…その駆け引きは、恐らく全面降伏か、殿の首との引き換えになることでしょう」

「ならば、どうすれば良いと言うのだ」

 陳宮の諫言に、呂布が苛立つと、

「拙者にお任せくだされ…命と引き換えにしてでも、ここへ妹君を連れ戻してまいります」

 魏越は、腹を据えて、そう言い放ったのだった。

「妹君を脱獄させようと言うのか。なるほど、お主ならば可能かもしれん」

 その提案に、陳宮は顎ひげを撫でたが、

「脱獄となれば、牢獄の奥深く入り込まなければなるまい…お前を、そのような危険な目に遭わせるわけにはいかぬ」

 呂布は、険しい表情で猛反対した。しかし、

「確かに、一か八かとなりますが、それをやらなければ、陳宮どのが申す通り最悪の事態に陥る可能性があります。そうなれば、我らを救うために死んでいった楊奉どのや韓暹どのたちが浮かばれませぬ…ましてや妹君も…」

 魏越が、そう声を大にして申すと、呂布は苦悶の表情を浮かべながら静かに目を閉じた。そして、少し間をおいてから大きくため息をつくと、

「わかった…だが、危ないと思ったら、すぐに中止して戻ってくるのだぞ」

 と、言って、脱獄の実行を指示したのであった。


 こうして、呂香姫の脱獄の手引きを命じられた魏越は、許昌の大牢獄へと向かった…そして、そこへたどり着くと、警戒の甘い場所を狙って潜入し、巧みに気配を殺しながら、暗く複雑に入り組んだ迷宮をひたすら突き進んでいったのであった。

「ここも違ったか」

 魏越は、軽く舌打ちした。そして、鉄格子の奥に潜む者が人違いだとわかると、彼に悟られないように、その場から静かに離れていった。

「しかし、なんと広い牢獄だ。これでは、妹君に会うことすらできないかもしれん」

 彼は、ふいにそうこぼしたが、すぐに何かの気配を察知して、気持ちを切り替えた。闇の中から足音が、聞こえてきたからである。

「くっ…鬱陶しい」

 その途端、彼は我が身を闇と同化させた。そして、耳を澄ませながら衛兵の足音を聞き分け、自らの動きを刹那のタイミングで制御し、その難を乗り越えたのであった。

「ふう…あぶない、あぶない…」

 彼は、ゆっくりと息を吐き出すと、再び暗闇を歩み始めた。こうして、これを幾度となく繰り返し、頭の中に出来上がっていく地図をもとに彼女の居場所をはじき出そうとしたのだった。だが、やがて建物の中を行き尽くしてしまうと、

「もうこれ以上、行ける場所がない…まさか、違う牢獄へ移されたのか」

 彼は、顔を歪めて思い悩んでしまった。しかし、その時、頭の中で何かがひらめき、

「いや、待てよ…これで行き尽くしたとしても、それらの要素をもとに牢獄の地図を描いたら、ある一角に奇妙な空間ができるぞ」

 不審な点に気付くと、その場所に戻って、壁をくまなく調べ始めた。

「やや…この壁を叩いた音は、他のものと違う。もしや、この奥は空洞になっているのでは…」

 カラクリがあることに気付いた彼は、迷うことなく、その壁を思い切り押してみた。すると、壁はゆっくりと動き始め、そこから視界が開けていったのであった。

「奥に通路が広がっている」

 隠し通路を見つけた彼は、こみ上げてくる興奮を押さえながら静かに奥へと進んでいった。そして、

「こんな奥深い一角に、鉄格子が見える…もしや…」

 囚人を収容する空間を見つけた彼は、用心しながらゆっくりと近づき、鉄格子の外からそっと中を確認した。すると、そこには、鎖で手足の動きを封じられた呂香姫が閉じ込められていたのだった。

「妹君…」

 魏越が小さく問いかけると、それに気づいた彼女は、みるみるうちに顔色を変え、

「おお、魏越どの…まさか、こんな所で会えるとは…」

 失っていた生気を取り戻していった。

「今、お助けしますぞ。少し、じっとしていてくだされ」

 そう言うと、魏越は、牢獄の鍵をこじ開けて、彼女を縛っている鎖に手をかけた。そして、

「鎖に呪符がくっついている…これで、仙術の力を封じていたのか」

 難なくそれを解き放った。

「ありがとう、魏越」

「喜ぶのは、まだ早いですぞ…まずは、ここを出なければ…」

 そう言って、彼らが、その場から立ち去ろうとした時、

「この曲者が…ここから、簡単に逃げられると思うなよ」

 衛兵の一人に見つかってしまったのだった。

「ぬう…ここまで来て、見つかるとは…」

 とっさに魏越は、腰に備えていた刀を引き抜こうとしたが、

「ここは、私に任せて頂戴…」

 呂香姫は、彼を制するやいなや右手の人差し指を衛兵に突き付けて、いとも簡単に金縛り状態にしてしまった。

「うう…体がまったく動かない」

 衛兵は、必死に力を込めてもがこうとしたが、硬直しきった体には、全くそれが伝わることなく、空しく無駄な行為を繰り返すハメとなったのだった。

「むむ…妹君の鮮やかな仙術は、まだご健在ですな」

「うふふ…呪符での封印は解けたのだから、もう何も怖いものはないわよ」

 その言葉に彼女は小さく笑うと、二人は日の光を求めて、外界へと駆け出したのであった。


 しかし、牢獄を守る衛兵たちは、そう易々と彼らを逃がしはしなかった…呂香姫が鉄格子を突破する…と、言う情報は、瞬く間に牢獄内を駆け回ったため、総動員で彼らを追い始めたのである。その最中、二人は、暗闇の迷宮をぐるぐると駆け回り、次々と迫ってくる追手を片っ端から巻いていき、時間をかけながらようやく脱出したのだった…が、その直後、残念なことに彼らは、多くの衛兵に取り囲まれてしまったのである。

「わはは…どうやら、ここまでのようだな」

 衛兵の一人が、不気味に笑うと、

「くそ…出口で待ち構えていたのか」

 悔しがりながら魏越は、そう漏らした。ところが、それとは対照的に、

「ちっちっち…まったく、問題なくてよ。韋駄天様…」

 呂香姫は、余裕の表情を見せた…その瞬間、辺りは一気に一面の花畑と化していった。

「な、なんだ…これは、一体…」

 その出来事に衛兵たちが、パニックを起こしながらどよめくと、

「むう…出たな十八番が…」

 その様を見て、瞬時に魏越は、彼女の仕業だと察した。その刹那、

「健康のために、しっかりと睡眠を取ってくださいね…みなさん…」

 彼女は、可愛らしくウインクをすると、咲き乱れた花たちが一斉に甘酸っぱい香りを放ち、瞬く間に彼らを深い眠りへと誘ったのだった。

「ほんと、恐ろしい人だな」

 その光景を目の当たりにしながら、魏越は思わず苦笑いした。と、その時、

「くうっ…」

 彼女が小さく呻き、体を震わせたかと思うと、そのまま一気に地面へ叩きつけられたのだった。

「お、おい…しっかりしろ」

 それを見た彼は、仰天して彼女を揺すったが、彼女は苦しそうに呼吸をするだけで、それ以外の反応はなかった。

「とにかく、奴らが眠っているうちに、どこか安全な場所まで避難しないと…」

 彼は、そう思い立つと、彼女をおんぶして早急に立ち去った。そして、にぎやかな街を少し離れた一角に、人の気配のない場所を見つけると、

「この辺りで、少し休むか」

 周辺にある空き家を物色していった。

「ここにするか」

 彼は、そう口にすると、鈍い音を立てながら扉を開けた。そして、じっくりと警戒しながら中に入り、少し小奇麗な場所を見つけると、背負っていた彼女を降ろして横たわらせた。すると、

「ごめんね…足を引っ張っちゃって…」

 我に返り、乱れた呼吸のリズムを整えた呂香姫が、小さく答えた。

「そんなことはない…妹君の術が無ければ、今頃、我らは、さらし首になっていただろうからな」

 それを聞いた彼が、小さく笑うと、

「それよりも、あの時は、急にどうしたと言うんだ。どこか、体の具合でも悪いのか」

 真剣な顔つきになって、彼女に尋ねた。その問いに、

「えっ…な、何でもないわよ」

 彼女は、まるで何事も無かったかのように作り笑いをした。そして、

「本当なのか…あんなに大汗をかいて、呼吸を乱していたのだぞ」

「でも、今は、この通り、なんとも無いでしょ」

 起き上って、その場を元気よく歩いて見せると、

「大丈夫だって…久しぶりに、お日様の光を浴びたから、ちょっと立ちくらみを起こしただけよ」

 笑顔で答えた。それを見て、

「むう…一時的なものなのか。まあ、あまり無理をするなよ」

 半信半疑のまま、彼は、とりあえず納得することにした。こうして、

「さあ、早々に発ちましょう。義兄上様も心配しますからね」

 気がかりな謎を残したまま、彼らの逃亡劇は再び始まったのだった。


 魏越は、元気になった呂香姫を連れて、その空き家を後にした。そして、周囲を警戒しながら歩み始めると、すぐに、

「見て…あの木の下に、小さな石柱が立っているわ」

 彼女は、目を細めて立ち止まった。

「そんな珍しいものでもあるまい…こんな所で道草を食っている暇は無いから、先を急ぐぞ」

 彼は、そう急かしたが、

「ちょっと、待って…何だか、気になるわ」

 心の中で何かが引っかかった彼女は、たまらず駆け出し、大きな木の下にある石柱へと足を運んだのだった。

「まったく」

 彼は、大きくため息をついたが、彼女を置いて行く訳にはいかないため、しぶしぶと彼女のもとへと向かった。ところが、

「石柱に、虎紳の墓と刻まれている」

 それを見て彼女が、声を震わせたので、すぐに彼は表情を変えた。そして、

「こんな所に、何故あいつの墓が…」

 おもむろに、そうこぼした刹那、背後から一人の老翁が現れ、彼らに声をかけてきたのだった。

「虎紳は、幼い時より身寄りを無くしたため、わしが実の息子のように育ててきた。だが、不幸なことに戦場で命を落としたため、子どもの時によく遊んでいた木の下に墓をこしらえた訳じゃ」

 その話を聞くと、彼らは、

「そうでしたか…我らの仲間を弔って頂き、ありがとうございます」

 その老翁に一礼して、

「生まれし土地にて、安らかに眠ってね…虎紳…」

 その場に腰を落として、静かに祈りを捧げた。と、その時、ふいに背後から都の警備に携わっていた者たちが現れたのだった。

「ぬう…お前らは、脱獄犯の呂香姫と、その協力者の魏越だな…この夏候淵の愛弟子である秦宜が、召し取ってやる」

 秦宜が、そう言って刀を抜くと、彼の部下たちもすぐに臨戦体制を取った。すると、

「けっ…そう簡単に捕まってたまるかよ」

「私を相手にするのであれば、それ相応の覚悟をすることね」

 魏越も負けまいと抜刀し、呂香姫も術を唱える構えを取った…と、その瞬間、尋常とは思えないほどの突風が吹き、その場をかき乱したのであった。

「なんと、すごい風…」

 彼女が思わず、そう口走った刹那、墓石の背に立つ大きな木の幹が、鈍く弾けるような音を立てて折れた。そして、その折れた幹は、荒れ狂う突風の力を借りながら、秦宜に向かって飛んでいった。

「ぐえっ!」

 それを避けきれなかった彼は、哀れにも串刺しとなり、あえなく絶命したのだった。それを見た秦宜の部下たちは、

「ひい…ボスがやられた」

 人知を超えた現象に肝を冷やしながら、そそくさと退散していったのであった。

「ふう…何だか知らないが、命拾いをしたぜ」

 それを見て魏越は、胸を撫で下ろすと、しりもちをついている老翁を立たせてあげ、彼女へ視線を送った。すると、彼女は、おもむろに歩み始め、再び墓の前に立ったのだった。

「どうした」

 魏越が、そこで立ち尽くす彼女に声をかけると、少女は、ポロポロと涙をこぼし始めた。そして、

「あなたは、私たちを助けてくれたのですね。死しても尚、私たちを守ろうと…」

 彼女は、そう口にすると、

「私たちの絆は、どんなことがあっても切れることは無いわ…けっして…」

 言葉では言い表せぬ強い絆を、肌身に感じたのであった。それを目の当たりにした魏越は、ふいに空を見上げて、

「虎紳よ…天国で、しっかりと俺たちの活躍ぶりを見届けてくれよ」

 そう固く誓った…

 その後、彼らは、無事に許昌の都から脱出し、呂布が待つ徐州へとたどり着いたのであった。

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