010 今日も元気にコストコへ、トコスコ、トコスコ!
家族で、ひっさしぶりにコストコへ。
……ところが、
店の前は、まるでディズニーの開園待ち大渋滞。
しかも、ゴールの駐車場は満車というバッドエンド。
……RPGなら即リセットボタン押してるやつ。
仕方なく隣のホームセンターの屋上に車を止めて、
家族で、トコスコ、トコスコ……歩いて向かうことに。
◇
ハーイ! ここでみなさんもご一緒に――
「コストコへ、トコスコ! トコスコ!」
(……言った?ちゃんと声に出した?w)
店に入ると、相変わらずデカすぎるカート。
混雑した店内をゴリゴリ進みながら、
・プルコギビーフ
・巨大ミネラルボトル
・謎にデカい冷凍食品
・ディナーロール(36個入り)
・業務用ピザ ……
俺はスナイパー。
娘の押すカートへ、ポイポイと百発百中で投げ込む。
そんな中、ふと横を見たら分厚い外国の絵本が。
めくるとイルカやカニ、植物などが飛び出す仕掛け絵本。
「おぉ、オモロ!」
全部英語だが、海の生物編&植物編――2冊まとめてカートへポン。
【結果】
レシートの長さ、約2メートル。
お会計、まさかの2万8千円。
――いや、マジで?安いの?コストコって安いの??
むしろ高いの?……どっち!?(混乱)
◇
そして本当の地獄はここからだった。
デカいホットドッグを食べて気分だけはアメリカン。
だが店を出て、目の前に立ちはだかるのは――山積みカート。
「パパ、これどうやって車まで持ってくの?」
一直線に積み上げて持ち上げる?――いやプロレスラーでも無理!
コストコのカートごとホームセンターへ突入、強行突破?
……店の人の視線が痛い。
◇
少し呆れた娘たちの目――耐えきれず、八つ当たり。
「誰だよ!このバカでかいピザとか、ピスタチオとか買ったのは!」
娘たち、即反撃。
「パパの買った本が一番重いんだけど!」
「どんどん投げ込んでたの、パパじゃん!」
……チーン。
(まあ、言われてみれば、……その通りだわ)
――完敗。父、土下座。
結局、俺ひとりで走って車をコストコの駐車場へ回すことに。
――俺は孤独なランナーとなった。
◇
ホームセンターでは買い物してないから、ちゃんと全額駐車料金を払って出発。
……駐車代、マジこんなにするんかい。(涙)
結局、今日いちばん高い買い物は“駐車場”かよ?
「よっしゃ!すぐコストコ駐車場に回り込むぞ!
――娘たち、待っとれよ、頼りになる父ちゃんを!」
コストコ方面の左側へと思った矢先――
「左折禁止!」
「また左折禁止!」
「え、ここも!?まさかのトリプル禁止!?」
まさかの“コストコだけ行かせないシステム”。
「ぜ、全部禁止かい!!」
気づけば口から出たのは――
「このままじゃ、津軽海峡まで行っちまうぞ!!」
……って、はいはい、そこまでは行きません。
◇
そんな、こんなで、右折・右折・また右折……。
まるでドリフト大会みたいにハンドル切りまくって、命がけで戻ってきたら――
「おそいよ~~~~!!!!」
娘たちからの総攻撃。……カミさんもお疲れ顔。
俺はただの“運び屋モード”で荷物をトランクに押し込み、やっと帰宅。
◇
「あー……疲れた。足つりそぉ……」
――今日の教訓。
コストコは戦場。
駐車場が満車でも、隣の店には絶対に止めるな。
――駐車代高いし、そこには必ず左折禁止トラップが待っている。
……でもまた行っちゃうんだよなぁ。
「コストコへ、トコスコ! トコスコ!」って。
【了】




