001 『阪急電車』が教えてくれた、日常の奇跡!
最近、仕事中心の忙しい日々が続いている。
今日も土曜日だっていうのに午後出勤して、家に着いたのは夜8時頃。(ヘトヘト)
それで、リビングで遅い夕飯を一人で食べながら、
なんとなくつけていたテレビに、こんな映画が流れてきた。
――『阪急電車 片道15分の奇跡』
邦画ってほとんど観ないんだけど、なんだ、この映画は。
静かなナレーションと、一つひとつのセリフがすごく心に響く。
なんでもない日常の映画なのに、こんなに温かい気持ちになれるのは、
先月からの官公庁のハードな案件にかかりきりで、
今の俺の中身が、どうやら普通じゃなくなってるからかなぁ……ガーン!
宮本信子さんの演技も、もう貫禄っていうか、自然すぎてすごい。
それでいて、孫にはちゃんと愛を注いで、でも正しいことを厳しく言う。
こんなおばあちゃん、今の日本に、いったいどれだけ残っているんだろう。
泣いている孫(芦田愛菜ちゃん)に、こう言う。
「泣くのはいい。
――でも自分の意志で、涙を止められる女になりなさい!」
いやいや、こんな小さな子に、そこまで言うかよ(笑)。
でも娘がいる俺には、このシーンが一番グッときた。
うわ、なんか目から、謎の液体が出てきたぞぉ……。
ヤバい、娘たちに見られたら面倒くさい(汗汗)。
……ティッシュ、ティッシュ。
ネットで調べたら、原作(有川浩)にはこのシーンは無いらしい。
もし先に本を読んでいたら「映画はいいや」で観なかったかもしれない。
つまり、夕飯を食べながら涙を流すこともなかった。
……これもまた「食事15分間の奇跡」ってやつだよなぁ。
極めつけは――
「ありがとう、聞いてもないこと教えてくれて」
って、なんだよ、この孫のセリフの切り返しの破壊力……!
それで、これが電車の中のたった15分間のドラマだっていうんだから。
おかげで、飯を食べ終わったけど、味がわからなかったじゃないか(笑)。
関西に住んだことはないけれど、こんなおばあちゃんが、
まだたくさんいてくれたらいいな――そう素直に思った夜でした。