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リメイク  作者: 春木
第四章 守護の国編
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29話 焦がれた光

 出発前の前夜、ヤマトが寝た後、僕は岩の神に呼び付けられていた。


「やあ、来たか。すまないね、寝たいだろうに呼び出しちゃって。ここでは、()()()()()……なんだっけ?」


 岩の神はわざとらしくニヤッと笑みを浮かべた。


「昼間はヤマトがお世話になりました。今はアゲルで通しています。カズハさんも通して頂けると」


 そう返し、僕もニヤッと笑みを返した。


「話ってのは……」


 岩の神が話を切り出そうするのを、僕は遮る。


「わあ、ここは月が綺麗に見えますね」

「おい……なんだ……? 急に……」


 満月の光は、僕の姿を照らした。


「ヤマトの()()の話……ですよね?」


 そしてまたニヤッと、岩の神に向き合った。

 岩の神は頭をボリボリと掻いた。


「天使族の召喚した異郷者に限り見られる、()()()()()()()()()()()()()()()が見られるもの。僕たちはそれを覚醒と呼ぶ」


 岩の神はただ黙って僕を見遣った。


「でも、カズハさんは()()をしたんですよね」


 そして、僕はコツコツと足跡を響かせる。


「共鳴とは、神の加護を与えた者、与えられた者のみに見られる()()()()()。そしてそれを介することで、()()()()()()()()()()()()()()ことが出来る」


 そして、暫く黙って聞いていた岩の神も、もどかしくなったのか、僕の話に割って入る。


「そ、そうだ。俺はヤマトくんと共鳴をした……。その時に俺はヤマトくんの力の底を見た……」


 そして、俯く。


「アイツは……何者なんだ……! あの力……()()()()()()じゃないか……!」


 僕は笑みを絶やさずに岩の神を見つめた。


「はい。僕とヤマトでは共鳴が出来ないので、こうして共鳴の出来る七神と出会える日を待っていました」

「知らないのか……? アイツの底を……」

「はい。僕とヤマトでは共鳴は出来ませんので」


 少し青ざめた顔を見せ、強張った顔を向ける。


「アイツの力は既に七神以上……。感じただけでも……()()()()()()()()()ぞ……!」


 僕は、何も言わずに月を眺めた。


「アゲル……いや、大天使ミカエル! お前、本当は何を企んでるんだ……!!」


 月の光は、僕を照らす。


「お前……()()()……」


 満月の光は……僕に力を与える。

 僕の背からは、白い大翼が飛び出した。


「力を制限されていたのではなく、召喚の時に、()()()()()()()()()んだな……。そのお前の力が、()()()()()()()()()()()()()()()に……!!」


 僕は右手を岩の神に掲げた。


「岩の神、()()()()()()()()()をしてますね?」

「ヤマトくんを……次の唯一神にでもする気か……?」


 そっと、僕は右手を下ろした。


「そうですね。これだけはお答えしましょう」


 そして、また、僕は月を眺める。


「ヤマトは、バベル様と同じ異郷、()()()()()()()()なんですよ」

「バベルと……同じ……」

「はい。だから、()()()()を得てもらわねば……」


 岩の神の心拍数は上がっているようだった。


「バベルは……封印されてるんだろ……? 一番近くに居たお前が、バベルのことを見限るのかよ……」


 僕は何も言わずに手を掲げた。


「なあ……ミカエル……!!」

「光魔法……」


 その瞬間、僕の背後は何者かに抑えられる。


「ナイスタイミングだ……アリシア……!」


「闇魔法随一の盾使い、岩の守護神 アリシア。僕の翼に触れていたら痺れませんか? 闇の血が……」

「そのまま抑えていろ……今すぐ岩魔法で……」


 しかし、その場にはすでに僕はもういない。


「残念! 捕まったフリでした!」


 二人は緊張感に汗を滲ませている。


「すぐ動けるか!? アリシア!!」

「はい!!」


 そして、二人は直ぐに二手に分かれ、僕を挟む。

 いい連携だ。動きに隙もない。


「岩魔法・ブロックロック!」


 無数の岩が僕に向けて放たれる。光剣でそれらを全てぶった斬った。


「闇魔法・ランドリュー!!」


 黒い影じゃない……これは物理攻撃か。光剣で斬ることは出来ない。しかし、今の僕は光速で移動が出来る。魔法攻撃など、避けるのは容易い。


「岩魔法・ガントレット!!」


 岩の神は猛烈な勢いで拳を繰り出す。

 肘を岩に変えて拳を連打させているのか。いい魔法の使い方だ。


「ハァー!!」


 そして、再び漆黒の盾に捕らえられそうになる。


「岩の神の攻撃を避けられることすら読んでたか。しかし、闇魔法は僕の光剣で斬れるんだよ!」


 キィン!


 しかし、その盾が斬られることはなかった。


「アゲルさん……この盾は()()()()です。魔法ではありません」

「岩魔法・クロノス……!」


 僕は、四方から勢い良く岩壁に囲まれた。


 しかし、


「何故……だ……」


 僕は、岩魔法の岩壁を全て玉砕した。


「光剣は……闇魔法しか斬れないはずじゃ……」


 僕は二人に笑いかける。


「全盛期の僕……とまでは行かないですけど、それでもこの大天使の力……ナメないでくださいね……」


 そして、僕は二人の眼前に近付き、顔を抑える。岩の神は僕を睨むと、最後に告げた。


「お前のしていることは最早、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……だ……」

「光魔法・クラッシュ」


 そして、二人の意識は消えた。これで、この会話の記憶も残らないだろう。

 闇は好きじゃない。何かされたとか、恨みがあるわけではない。

 ()だ。

 光が作られる時、闇もまた作られた。相反する二つは互いに嫌悪し合っている。

 でも、闇がなければ月の光は差しては来ない。


「ヒドいですよね……まったく」


 僕は、月の光を手で隠した。

 翌朝、ヤマトはいつものように目覚めた。岩の神や守護神も、昨日のことはまるで何もなかったかのように挨拶をしてきた。

 このことは、僕だけが知っていればいい。ヤマトは、二人と話しながら笑っていた。

 大和ヤマト、彼は非力な人間だった。犬を虐めている同級生二人組から犬を守ろうとして、自分がボロボロになって犬を守っていた。

 召喚の際、天使族は召喚候補の人間たちの生活を垣間見ることができる。大和ヤマトは、その中でも一番弱い人間だった。しかし、一番人に愛されていた人でもあった。

 その後、ヤマトたちよりも一回り大きな身体の男性が現れると、ヤマトと共に犬を虐めていた二人組を注意しに向かっていた。

 それだけじゃない。

 日陰者にも手を差し伸べ、ヘラっと笑って陽気な女子群たちの掃除を替わり、自分が遅刻してでもお婆さんを駅まで送り届けるような、絵に描いたような善人。

 ()()()()――――。

 僕が焦がれる光そのものじゃないか。

 この世界に来てからもそうだ。

 見ず知らずの国の為に、痛い思いをするかも知れない、死んでしまうかも知れない戦地に乗り込む。見ず知らずの少女を匿い、自分の旅に同行させ、命から柄に守ってきた。怖そうな人たちにも笑顔で接して、恐怖心の中で龍族の一味とも戦ってきた。見ず知らずの少女の殺しを止めさせ、岩の神の心すらをも、その光で満たした。

 あなたしかいないんだよ。()()()()()()()()()は――――。


 ヤマト――――。

 この世界で繁栄している七国には、それぞれを統治する七人の神がおり、特別な力を宿す。

 世界を治めるのは世界の唯一神。七国の神と契約し、神々に力をもたらした人物。


ヤマト(主人公):風・炎・水・岩・神威/光剣・グローブ

アゲル(大天使ミカエル):光

カナン:炎+爆破/弓

セーカ:雷/拳

アズマ:水/治癒


〇守護の国

 セキュリティが強固で、国の周囲全てが岩盤で覆われている国。兵士教育が盛んで、兵士たち自らが交代で次代の生徒たちの指導をしている。


カズハ(岩の神):岩

アリシア(騎士団長/守護神):闇

リオラ:闇・寅の仙人 ディムに仕えている者。

ディム:寅の仙人。仙術魔法により時空移動が可能。

大人カナン:カナンが連れ去られた後、急に現れた大人の姿のカナン。


●龍族の一味

カエン(龍長):炎

ドレイク:雷・洗脳

ガンマ:闇・幻影

炎龍

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