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リメイク  作者: 春木
第一章 自然の国編
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プロローグ

 樹木の覆われた大自然の中、心地の良い草原のベッドで僕は目を覚ました。

 身体に異常はなく、自分の名前も覚えている。一つ不明瞭なことは、何故ここで寝ているのか。僕は、普段通り自室のベッドで寝ていたはずだ。場所が全く分からなかった。夢の中、という感覚でもない。意識は鮮明としていた。


「お目覚めですか。大和(おおわ)ヤマト様」


 すると、明るいオレンジ色の髪をした少年が、僕の目覚めを待っていたかのように話し掛けてきた。


「誰ですか……どうして僕の名前を……」

「貴方は選ばれたのです」


 ニコリと微笑むと、彼の背景に聳える大自然が、先程よりも鮮明に目に映り、鮮やかにその世界を見せた。


「申し遅れました。私の名は大天使ミカエル。この世界の()()()()になります」

「て、天使様!? な、なんで神様が!?」

「驚かれるのは無理もないでしょう。貴方には、この世界を救って頂きたいのです」

「世界を救うって……僕はただの日本の高校生ですよ!? 何も力なんて持っていません……」

「いいえ、()()()()()()()()()()()()()()()なのです。この世界では、大地から溢れるエネルギーを魔法に変換して生活をしています。一人に与えられる属性は一つ。でも、異郷の星から来た貴方であれば、全ての属性が使えるのです」

「別世界の人が選ばれた理由は分かったんですけど、どうして僕が……」

「それはですね」


 ミカエルは、またも笑みを零す。


()()()()です」

「たまたま!? 僕にだって、学校や……将来の夢があるんですよ! 死んだらどうするんですか!? そんな……神様だからって身勝手すぎます……」


 すると、ミカエルは遠くを見遣り、哀愁な表情を浮かべながら応えた。


「そうです。神は身勝手なのです。そして、この世界の神も身勝手が故に封印されてしまった。その封印を解く為には、()()()()()()()()宿()()()()()()()()()()のです。神は身勝手で横暴です。貴方に拒否権はありません」


 分かった。もう何を言っても解放はされないだろう。


「分かりました……。協力します……」

「物分かりが早くて助かります! この世界で旅をするにあたり、僕は貴方のサポート役になります! ミカエルだとバレたら困るので、天使……Angelから取って、『アゲル』とでも呼んでください!」


 とてつもなく適当だが、ドヤ顔を見せ付けるアゲルに僕は何も突っ込まなかった。


「僕は大和ヤマトだと変ですよね……?」

「はい。予め名前は考えてあります。この世界で貴方は、旅人『ヤマト・エイレス』と名乗ってください!」

「わ、分かりました……」


 どうせ適当なネーミングなのだろうと思ったが、本名のヤマトも入っていることだし素直に頷いた。


「それでは改めましてヤマト様。今から目指して頂くのは目の前に聳える『自然の国』になります! 人々もとても温厚なので、最初の国はとても満喫できると思います!」


 最初の国は、ねぇ……。

 そう、反論したくなったが、グッと抑えた。

 そして僕は、寝心地のよかった草のベッドから立ち上がり、アゲルの後を追って『自然の国』へと向かった。

ヤマト・エイレス(主人公):日本の高校生。

アゲル:神の遣い、大天使ミカエル。ヤマトの道案内人。

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