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異世界シニア協力隊  作者: ライダー
ミリシオン国編
16/19

 下水道を整備する

この街に来てからもうすぐ半年になるが、上水道については当初の予定した工事が完成し、残りの水路拡張はダグが引継いで行うことが決まり、これからはいよいよ下水道の工事について取り組む事になる。


 都市への給水量を増やしたら、当然排水される汚水も増えて、汲取りした汚物を肥料として原野や畑に蒔くには労力を費やしてしまい、人海戦術に頼る現在の汚水処理方法だと到底全て処理出来なくなり、いずれ処理能力の限界を迎える。


 そこで新たに衛生的に処理する施設がいずれ必要になる。


 それには汚水を集約し、微生物を使って浄化する浄化槽を城壁の外に建設する必要がある。


都市の人口から今後予想される汚水の量を算出することで浄化槽の容量を算出して建設することになる。


此処では風呂がほとんど無いので、汚水は洗濯での排水、排泄される汚物、洗面で流した水、調理場からの排水などで、今後は雨水や風呂からの排水も増えることは容易に想像できる。


 調理で生じる生ゴミなどは汚水とは別にして集約して、微生物でコンボスト化して土壌に肥料として畑に散布すれば、生ゴミも有効活用できる。


 下水道については、上水路とは離して地下深くに建設して土壌からの滲出で上水への混入が無いよう注意する必要があり、処理施設などは城壁の外に建設するのが望ましいが、維持管理するには処理施設の周囲に猛獣対策としての防護壁などの附帯工事など、工事規模が拡大するので工事費の増加が予想される。


 以上の問題については個人の権限の範囲外なので、協議が必要な議題であり、まずはミーシャに相談して再度協議会を開催してもらうよう呼び掛けることにした。


前回の協議会から半年ぶりに関係者が宮殿に集まり、前回のメンバーが全員揃うのを待って、これまでの工事の経過と、これからの工事について概要を明らかにして参加メンバーの意見を聞くことになった。

街の人口増加を見越した汚水排水量についての見込みでは、現状の処理する能力を倍増する必要があり、河川にそのまま放流することは衛生管理や環境保全の面からは出来ないので、放流に際して浄化が必要になる理由を伝え、汚水処理場を建設する必要性をメンバー全員に伝えた。


財政担当のザルツからは「当初予定した費用を更に上回る計画になるが、その浄化施設はどの程度の規模を考えているのか聞かせてほしい」と問われた。

「浄化槽の大きさは住民一人が一日100ℓ排出すると仮定して一日100立方メートルの汚水処理する施設で、20メートル×5メートルで深さ1メートルの槽が必要だが、人口が増えることを考慮するとその2倍の容量があると望ましいと考えている。」と答えると、メンバーはその大きさのイメージが出来ないのか、ポカンとした表情をしたので「この会議室程度の空間があれば大丈夫です。」と言うと、ようやくその大きさを理解できたようで納得してくれた。

資材調達官のガルーダ氏からは「下水道の資材調達は上水道と同じ資材で良いか?」と聞かれたので、「ほぼ同じような資材で充分だと思う」と答えると納得してくれた。


衛生管理官のターシャからは「各家庭からの汚水を下水道へ流すルートはどう考えているのか聞かせて欲しい」と聞かれたので「既存の排水口から下水道への排水管は各家庭で工事費を負担してもらい、トイレの構造も水洗便器に交換する必要があるが、この街の工事業者へ依頼出来るよう、施工業者を集めて私が技術指導するつもりだ」と説明したが、どうやら理解できないようなので、後日水洗トイレを試作して検討してもらうよう依頼した。


街の下水道から浄化槽へは地下を掘り進め、南側の城壁の外に浄化槽へのルートで汚水を送り、浄化した排水は水路で河へ流して水質を維持管理する為に定期的に水質検査すると言った。

ミーシャは「それで完成予定はいつ頃になりそうですか?」と聞くので、「来年の初めには完成させる予定ですが、私の契約期間内に完成するよう努力するつもりです。」

と答えると、安心したという顔をした。

もしも完成が遅れるとミーシャの評価にも影響が出てくると思い、そのような返答になったが、おそらくは大丈夫だと思う。


私自身はこの工事を終えて、この星の各地に残された遺跡を訪ねてみたいと思っているが、休日の範囲では遠くの遺跡には行けず、かと言って転移装置を使う許可も得られないので今度はミーシャに尋ねてみようかと思っている。


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