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異世界シニア協力隊  作者: ライダー
ミリシオン国編
11/19

⑪ 工事再開

 ようやく頼んでいた資材が手に入ったので、上水道の作業に取り掛かる事が可能になり、城壁の傍にある掘削穴から都市中央迄の水路を建設する準備が整った。


 作業に入る前に川からの水路を遮断する水門と、簡易な砂ろ過層を設けてから掘削作業を進めて行くことにした。


 こうする事で完成した水路の清掃や維持管理の手間が掛からない為の工夫が必要と考えたからだ。


 幸いにも地下を掘ると岩盤に遭遇する事なく、掘削作業は順調に進んで、掘り出した土砂も運搬車でスムーズに運び出せている。


  当初心配した地下水の噴き出しについても、足元が滲む程度で作業に支障を及ぼす程でなく、獣人の作業員のパワーが凄いのか、驚く程掘削作業が進み、石組み作業と並行して人員を配置した結果、1日で数メートルも掘削する事が出来た。


 石組みは予め決まった形状で切り出して、組み上げる位置に対応した番号が石に描かれている。


 作業員はその番号順に石を組めばアーチ状の水路の外壁が出来る仕組みだ。


 この調子で作業が進めば都市中央の宮殿まで3~4か月程で掘り進めると思う。


 城壁から宮殿迄の距離は凡そ600mで、水路の途中に給水所を200m毎に設ける予定だ。


 給水所は屋根がある井戸のような形状にして、アルキメデスポンプで水を汲み上げられるように手回しハンドルを備え、飲料水用の浄水器も併設する予定だ。


 この工事で得られた技術は、この都市の人々に継承して、自分達でも同様な工事が出来るよう指導する迄が、私の努めだと思っている。


工事の再開に合わせて、現場には監督補助として一人の人間が派遣されてきた。


彼の名はダグと言い、年齢は24歳妻子持ちで、土木工事の監督官という肩書きを持つ人物だ、サーシャの命で私の補助をするよう言われて来ているらしい。


着任してからは私の注意事項や作業指示を作業員に伝えたり、施工管理を手伝うなど、技術を習得する姿勢に溢れたイケメンの好青年だ。


私が去った後の設備の維持や、拡張工事を見据えて知識を吸収しようとする態度に感銘を受ける程優秀な彼だが、飲む程に徐々に人格が変貌して愚痴をこぼすのが彼の唯一の欠点だ。


ダグの話を聞くと、どうやら家庭では奥さんの実家に一家で住んでいるため、いわゆる世間でいうマスオさん状態らしく、更に奥さんの両親は評議員という役職で、家庭でも厳格な両親が一緒に居るので中々気が休まる事がないという。


彼は郊外の農場で野菜を育てている農家の三男で、18歳で成人して直ぐに学生時代から交際していた奥さんと結婚したが、奥さんの両親が介入してきて結局のところ同居を条件に暮らす事になったそうだ。


そんなダグだが、家に帰って5歳になる一人娘のカーラに癒される時間が、唯一至福の時間で彼の活力の源となっているようだ。


今度休みの日に、彼の家庭での立場が向上するよう、ダグの家を訪れて彼の援護射撃をしてこようかと思う。



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