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異世界シニア協力隊  作者: ライダー
ミリシオン国編
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① 始まりの章

初投稿ですが、夢で見た不思議な出来事について、思い出して筋書きを書いてみました。

慣れない事もあって、更新に時間がかかると思うので、ご容赦頂ければ幸いです。

 私の名前は『風間 淳』いわゆる世間的にはシニア世代のいわゆる何処にでもいる、只のオッサンだ。 


 昨年、永年働いた会社を定年退職し、今は年金暮らしの毎日を過ごしている。


会社員として働いていた頃は、毎日遅くまで残業して家族の生活を支えてきた。


 子供達も大学を卒業して、それぞれ就職して働いて、

世間的には、ごく普通の家庭に見えなくもないと思える。


 定年で自宅でゴロゴロしていると、家人からはまるで粗大ゴミのように扱われ、居場所が無い日々を過ごしている。

 

 これまでの人生を振り返って見ると、親しい友人や知人は別として、見ず知らずの他人の為に役立つ事をした記憶は阪神大震災の時、被災地に物資運搬したくらいしか思い付かない。


 そう思ったら、残りの人生では何か社会的に有意義な事に取り組んでみたくて、とある求人広告のタイトルに引き寄せられ、つい連絡先に電話をしてしまった。

 

その求人広告の見出しは、

 『求む、シニア世代のチャレンジャー。貴方の経験と知識を存分に生かして、残りの人生を謳歌してみませんか?』


 求人内容を聞くと、海外で現地の人々に技術や知識を教えて各地を廻るとのこと、


思えば大学卒業後、就職氷河期となり、すぐに就職出来なくて焦ってしまい、一時期、青年海外協力隊に応募したらと、両親に相談したが猛反対されて諦め、最終的に、親の勧める会社に就職したこともあって、遺恨が残る思い出であった、


 今思えば、当時の私は大学を卒業しただけで、資格も経験も何もない状況では、当時両親が反対したのも当然の事だと、今でも思い出すと恥ずかしい。

 『認めたくないものだな、若さ故の過ちというのは!!』というふうに思う。



 ちなみに、現在、私の経歴は資格マニアと言われてもおかしくない程で、履歴書の資格欄には、危険物取扱、ボイラー技士、公害防止管理者、ガス溶接、陸上特殊無線、クレーン運転、玉掛技能、小型船舶二級、電気工事士を含め、書ききれない程、多数の免許資格を所持しているので、自分の特技を未開の地で発揮したいという思いから、応募することにした。


 応募に際して派遣期間は最低1年、希望すれば最高は無期限延長と、仮に独身で身寄りの無いシニアにとっては老後の生活に困らない事はありがたい話だ。

 

因みに赴任先の状況次第で派遣期間は変動すると説明され、担当者からは『もし不安ならいつでも帰れる』と言われ、決心して応募することにした。

 

 長期の赴任であり、反対する家族をようやく説得し、指定された集合場所に着くと、そこには私と同じような風貌のオッサンが十数人集まっていた。


 郊外の建物の入口には、受付けの女性が赴任先順にそれぞれ横に並んでいて、前には見慣れない国名の札が立てられ、受付嬢を良く見ると外国人のようだった。


 暫くすると私の名前が呼ばれ、受付嬢からは青い宝石が埋め込まれた腕輪を手渡され、建物内部にある大きなアーチ状の通路に入るよう指示された。


 よく見ると隣の受付では赤色の腕輪を配布していて、どうやら赴任先毎に腕輪の宝石の色は異なる様だ。


 指定された通路壁面には不思議な縞模様が一面に描かれ、等間隔で色は異なり、通路を進む程に輝く様は、まるで光のシャワーを浴びているようで、昔TVで観たタイムトンネルの転送シーンを連想したが、あっという間に辺り一面が眩しい光の洪水で見えなくなり、暫くして気が付くと別の場所に転位したようだ。


 自分の立っている周囲を見ると、どうやら此処が目的の赴任先の場所のようで、私の目の前に銀髪で碧い目の白人の美しい女性がニッコリと笑顔で迎えていた。 


『ようこそミリシオンに、私は案内人のミーシャと申します。』と彼女が告げ、彼女の周りには数人の亜人のような護衛が槍や剣を持って待機していて、まるで異世界ファンタジーの世界に迷い込んだみたいだ。


 案内人のミーシャという女性の先導で、石造りの神殿の一室に案内され、そこでミーシャから、ミリシオン国についての説明を受ける事になった。


『このミリシオン国はエルフ、獸人、人間が共に暮らす国で、それぞれの種族の代表によって議会政治が行われ、首相は議会の信任によって10年毎に任命されます。

 現在の首相はエルフ族の代表であるエリーゼ姫が首相となり、国政の任に就いています。』

赴任先が海外とは聞いていたが、まさか異世界の国とは驚いた。


 私は思いがけない異世界の派遣先について、彼女に確認しておきたいと思い、『ところで、今回の協力隊の目的についてお聞きしたいのですが』と問うと、ミーシャは『今回の協力隊に依頼したいのは上水道の整備と、下水道の整備です。』


『現状は都市近くの河川から水を汲んで、汚物や汚水は都市周辺の畑や原野に人海戦術で撒いていて、その為、疫病が発生すると感染が拡大して、都市内部に病人が増えて困っています。』と言い、


 『今回、エルフの伝承魔法で転位魔法が使えるようになったので、異世界通信を通じて日本から必要な技術者を派遣してもらえたのは幸運でした。』と告げた。


 まさか日本に異世界との通信が可能な施設が存在していて、他の世界との交流が行われているとは、

公開されていなかった事実に驚いてしまったが、ミーシャは更に驚くべき事実を語ってくれた。


 ミーシャの説明では、

この星の文明はかつて数万年前にこの星を訪れた異星人が残した文明で、

宇宙にはこの星のように、異星人によって開拓された星が多数存在するという。


 『古代遺跡には、その他の星々と交信する施設が今も残されていて、今回の技術者派遣はその成果に依るもの』と言った。


 ミーシャによると、これまでも他の星々との交信は一部可能であったという。


 地球との交信は50年程前から時々行われているそうだが、最近になって転位施設が稼働できる事になった為、日本から技術者を派遣する事が可能になったという。


 その最初の技術者として私が選ばれ、地球から此処に派遣されたようだ。


 星々との交信に使用する言語は、古代ヘブライ語に似た言語で、発音すると日本語に似た発音で理解可能な部分があった。


 例えば日本語の発音『ほる』は『穴』という意味で、『だべる』は『意見を交わす』というふうに意味が分かり、他にも『はかる』は『測る』、『とる』は『取る』、『かく』は『書く』というふうに発音も意味も一致する言語があり、しかもこの星の文字はカタカナのような文字を使っているので、日本人には理解するのは容易かも知れない。


 これらの事から、かつて地球を訪れた異星人が残した転位装置が備わった古代遺跡が、各地に残されただけでなく、古代ヘブライ語により残された古文書を解読する事が、古代文明の解明に繋がるのでは?と確信した。


 転位前に渡された腕輪には、転位場所の識別座標と、

言語変換する機能が備わった腕輪だと説明され、腕輪に識別コードを言って転位装置に入ると、目的地に転位するそうだ。


 転位装置はこの星の各所に存在する古代遺跡に備わっていて、この腕輪を使えば、他の星にも行けるようだ。


 もうひとつの腕輪の翻訳機能については、現地の言葉を解読後、翻訳して装着者の脳に伝達する機能が備わっていると説明された。


 腕輪の装着者の言語は現地の言葉に翻訳されるので、この星の住人との意思疎通には困らないそうだ。


 異星人の高度に進んだ機器も、この星の人々にはまるで魔法の道具のように感じられるようだ。

科学知識についての理解度は、地球の中世と同程度だと感じた。







 





誤字脱字等が有りましたら、お知らせ頂ければ幸いです。

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