見舞い
お昼を過ぎたけど、まだ起き上がれない。
昨日の事がウソみたいで、そう思わせてくる様ないい天気の日差しが、窓の隙間から見える。
秀人からの連絡は未だにない。
サヤからもどういう内容で連絡すべきか分からず、
止まってしまった。
時間が経てば経つほど連絡しにくくなるのに…。
階段をトントンと登ってくる音がする。
「たまには空気を入れ替えなさい」
母がカーテンと窓を開ける。
冷たい空気が一気に入ってくる。
「少しは何か食べないと…」
ベッドの傍らに座る。
「今一番ツライのは秀人くん、でしょ?」
サヤが、無言で頷く。
「後で病院送ってあげるから、話が出来るようならしておいで」
「…うん」
「そうと決まったら起きた、起きた」
母がサヤを抱き起こす。
「顔を洗ったらおいで。サヤの好きな混ぜご飯作ってあるよ」
〝ホントに、なんて顔してるの〟とサヤの顔を撫でると頬を軽く2回叩いた。
昨夜は、父と母が一緒に迎えに来てくれ、サヤの車を母が運転してくれた。
母は泣きじゃくるサヤを抱きしめて、慰めた。
何も聞かずに。
私には支えてくれる人がいる。
今度は、連鎖で私が支えなくてはいけない。
身体は重いままだが、立ち上がる。
まだ、大丈夫だ。
〝今からそっちに向かうよ〟
秀人に連絡を入れておく。
途中既読がついたが、返事はなかった。




