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オススメ事故物件、今ならサービスで異世界ワープお付けします。  作者: 枝久
2ー4 

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氷上の敵

 ガシャコンッ! 

 

 弾薬を装填し、武器を全身に装備……そっと呼吸を整える。

あぁ、心拍数が穏やかではないな……気持ちの昂ぶりが拍動を煽ってしまう。


 攻撃……当たったら死ぬ……被弾しない為にはどうするか……もしくは……敵の攻撃力を下げさせるか……考えろ……頭を使え……生き抜くには……ぶつぶつぶつ……。


「ハルちゃん!」

「うわぁぁぁぁっ!」

「そ、そんなにびっくりしなくても……」


 独り言を呟いて、しばし自分だけの世界に旅立っていたせいで、ウルエさんの声掛けは心臓飛び出るかと思うほどに超びびった!

ステージ開始前に心臓止まったら、マジで洒落になんねぇ!


「……で、ウルエさんはソラさん救出に……それ使うんですか?」


 ちらっと目を遣ると、彼女の手にはなにやら物騒な道具……チェーンソーが握られている。


「凍らせるのは簡単なのにさ、ソラを氷の中から出すには……氷を削るしかないんだよ、しかもゲーム中に……。何でもそうだ。元に戻すのってなかなか難しい……でも……あの時の選択は正しかったと、信じてる……信じたい。後悔は……まぁ、一割ぐらい、かな?」


 そう言って、困ったように笑った。


 そうだな……人生で、後悔のない選択なんて……本当難しいよ。

『自分に後悔はない!』なんて断言する人程、暗示のように自分にただ言い聞かせているだけかもしれない……まるで呪言だな。


「今回の敵は、チョコフォンデュ弾をしっかり命中させないと勝てないわ」

「……俺の方に引き付けて置くので……ソラさんを助け出して下さいね。こっちは……なんとか持ち堪えてみせます」


 互いに頷き合い、俺達はゴーグルを降ろした。


 カシャン!


 マスクが口元を覆う。

四度目……これが最後のステージであり、最難関。


 『汝、敵ヲ殲滅セヨ。』

もう聞き慣れた機械音声。


 表示された数字は1。

ライフポイントのハートは3つ。


 オレンジ色の明滅がパッとレーダー上に出現した。

少しずつ、こちらへと近づいてくる。

まだ、ゆっくりとした移動速度……。


「あれは……?」


 すると、突如どこからともなく、聞いたことのあるクラシック音楽が流れ出す!


 肉眼で、確認出来た……氷上に、敵‼︎


 バニラアイス製の……アヒル? ガチョウ? 

……いや、ずんぐりむっくりとした……白鳥か⁉︎

お尻がプリプリ!

しかし、でけぇな! 高さ3mくらいありそうだぞ⁉︎

足元は特注サイズなスケート靴を履いている。


 ………………


 え? 白鳥の氷海(こおりうみ)……ですかい?


 これが、最終ステージ『冬の海』の敵キャラ⁉︎

ラスボス‼︎

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