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オススメ事故物件、今ならサービスで異世界ワープお付けします。  作者: 枝久
1ー7 

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おい、聞こえてんだろ⁉︎

 魔王がゆっくりと階段を降りてくる……うぉっ、急げ、急げ!


 俺は『粘着』の触手を天井から吊られた鎖へ絡め、急ぎ、(いばら)(おり)へと飛び上がる!


 びょーーん! とんっ‼︎


 トゲまみれの柵に足をかけ、中を覗く。

暗くて見えにくいが……丸まった背中、フリフリのドレスが泣き揺れ、ひらめく。


 しくしく……ひっく……っく……


「おい!」


 ぴくっ!

声を掛けると、一瞬止まるが、まだ泣き止まず。


 しくしく……しくしく……ひっく……


「おい、こら! 助けに来たから、さっさと出やがれ!」


 しくしく……しくひっく……しくひっく……


 ぶちっ!

俺の血管が小さく切れる音。


 コマンドから取り出した『女王様の鍵』と『倒魔の剣』を突き出す!


「おい! これでそこから自力で這い出してこいよっ‼︎ おい、聞こえてんだろ⁉︎」


 泣き声は止むが、反対側を向いたまま返事はない。


「はぁーー。いい加減にしろよ、おっさん‼︎‼︎」


 俺の怒声でようやく、くるっとこちらに顔を向けた姫様……のドレスを着た、顔は40代の、おっさん!


 ………………


「「「「うえぇぇぇぇ⁉︎⁉︎」」」」

「ぷるーー⁉︎」


 下から全員が一斉に大声を上げる‼︎


 あまりの大声に、魔王も一瞬びくっとなる。


 ……まぁ、当然の反応だな。

姫様って聞いたら、普通は美少女想像するわな。

俺も、途中までそう思ってた……あぁ、残念。


 この異世界の創造主、綾瀬(仮)さん……自分を可哀想な存在として、配置することで、彼は誰かに救って欲しかったのだ。


 現実で叶わなかったからこそ、この異世界で……。

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