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オススメ事故物件、今ならサービスで異世界ワープお付けします。  作者: 枝久
1ー5 

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疑いながら進もう。

「あぁ……鍵四本集めたんだ。……ふぅん、良かったじゃないか」

 

 自分の鍵を取られたからか、もう、何もかんもどうでもいい感がだだ漏れの女王様。

せっかくの美人が不貞腐(ふてくさ)れながら、足でぐりぐりと雪をほじくっている。


「妾、もう……帰るわ」


 ぽんっと、女王様は可愛いらしい雪兎の姿へと戻り、やる気を無くした雪兎軍団は、とぼとぼと雪山へと帰っていった。

……青兎さん一匹だけを残して。



 全知全能ではない人間の記憶から作り出された異世界は、群衆(モブ)主要(キャラ)が自由に動き回っている、かのように見える。

だが、無秩序的かと思いきや、法則的な部分も見え隠れ。

何かの意図が働いているのか? 

それは……どこへ向かいたいのだろうか?


 疑いながら、進もう。

手の内の四本の鍵をぐっと握りしめ、剣と共に『どうぐ』へ、そっと仕舞った。



「ハル!」


 振り返ると、JJが意を決したように立っている。


「断る」

「おぉぉぉぉぉぉぉい‼︎ まだ何も言ってねぇーーよーー‼︎」


 俺の即答で雪だるまが号泣。

中身が泣いてるせいで、顔がちょっと溶け崩れてる。


「……どうせ『自分も連れてけ!』って言うんだろ?」


 全くしょうがねぇな……。


「おい、どうするーー?」


 チャル達を振り返る。

三人の顔はJJを受け入れ態勢万全だ。


 魔王を倒す剣と魔王城の鍵四本。

冒険者と武闘家と魔法使い x2 と賢者とメーさんのパーティ。


 見ると、青兎さんは氷竜さんの隣にそっと佇んでいる。

……それがいい。


 たとえ言葉は発せなくても、理解者がいてくれる、ただそれだけで何より……あと、少しだけどうか待っていて下さい。


 黒雲渦巻く魔王城の方角を見上げる。


 ……あ、向かう前にJJの保冷剤作んなきゃな。

何時間分のドライアイスだ?

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