表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/149

出ない物件

「はい、契約成立、おめでとーー。凪杉(なぎすぎ) (はる)様ーー!」


 パチパチパチッと社長が拍手する。


 長い葛藤の末……俺はサインしてしまった……。


 だって……だって、魅力的だったんだよーー‼︎ 

月1.8万円‼︎


「で、契約したんだから、②出ない物件について説明してくださいよ!」

「分かった分かった」


 社長は何故だかすっごく楽しそうだ。

俺はこんなにぐったりと疲れ果てているのに……。


「さっき、セバメから何か渡されただろ?」

「あ、これですか?」

「そうそう」


 ポケットから、渡された鏡を取り出す。


 社長が俺の腕をスッと掴んで、掌の鏡を洗面台の鏡と合わせ鏡になるよう向ける。


 合わせ鏡って……あの世が映る、って言われるやつだよな⁉︎

おいおいおい、大丈夫か⁇


「この部屋は、こうすると……」


 二つの鏡が突然、光り出す‼︎


「くっ‼︎」


 眩しくて目が開かない‼︎


 カッ‼︎‼︎


 強い閃光が起こった、次の瞬間‼︎


「こうなる」


 だんだん光が落ち着いていき……そっと目を開けると……。



 俺達は、何故か丸太小屋(ログハウス)の中にいた。



 ⁇⁇



「なっ、分かったか?」



 ………………



「いやいやいやいや、分からーーん‼︎」


 ドヤ顔の社長に、全力否定の俺‼︎

……えっ? 

分からない俺が悪いの⁇

なんでそんな残念なもの見る顔でこっち見てんの⁇


 社長が腹の底から、はあーーっと溜息をつく。


「だ・か・らーー、死ぬと部屋に魂のエネルギーが残されるって言ったろ? そのエネルギーが別な世界を鏡の向こう側に作り出すんだよ」


「いわゆる異世界ってやつだな」


 ………………


 理解が追いつかない。



 えーーと……つまり……俺が契約した事故物件は、②


①幽霊が出るルームシェア用の物件

ではないが、

②幽霊が出ない代わりに異世界へワープできる物件

……だ、そうだ。


 ……クーリングオフは可能でしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] はあーめちゃ高い
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ