後悔
武闘家、魔法使い、賢者が集まったのなら、勇者が足りない! と思ってしまうのは俺の偏見だろうか?
……なんて、またまた考え過ぎ?
「ぷるぅ……」
「ん? メーさん? どうしたの?」
声の方を振り返って見ると、心なしかメーさんの元気がない様子。
俺のリュックからぷるんと飛び降り、冷たい雪原を跳ね、氷竜の前でぷるんと止まる。
「ちょっと! お腹冷えちゃいますよ!」
慌ててひょいっと拾い上げた金属質な身体は氷の様、キンキンに冷たい。
「……もしかして……前に氷竜を溶かし倒したこと、気にしているんですか?」
「……」
転生しなければ知らなくて良かったこと、彼はそれを知ってしまった。
ショータさんは冒険者として、その時に最良の選択肢へ進んだはず……。
それでも、時間が経てば、あの時ああしていたら、こうしていれば……たられば後悔が襲ってくる。
本当は燃やす必要なんて、なかったんじゃないか? と。
過去を振り返ることは知能のある者の宿命、けして尽きることは無いのだろう。
戻る事は出来ないのに、それでもぐるぐると考えてしまう。
メーさんはぷるんと氷竜に頭を下げた、ように揺れた。
氷竜は何も言わず、この小さな銀色の魔物を大きな瞳でじっと見つめている。
何も言わない……粉雪の舞う中、魔物同士の無言の対峙。
……もしかして、この氷竜って……。
ごごごごごごごっ‼︎‼︎
その時、沈黙を打ち破るかのように、突如、大地が揺れ動く、轟音の地鳴り‼︎
「わー! な、何⁉︎」
チャル達が慌てふためく。
「雪崩だ‼︎」
JJが叫ぶ‼︎
後方の雪山の斜面が崩れ、表層を雪の大群がこちらへと津波の様に滑り落ちてくるのだった‼︎




