自白
「おい! ちょっと聞きたいことがある」
まだ少し雪玉の恨みを残しつつ、JJの肩をぽんと叩く。
ブンッ!
『ジェイドルジャイロニクス
LV.99 賢者 』
ジャックフロスト……霜の妖精。
妖精だから寿命はエルフ同様に長いんだろうな……異世界創世時からの『がいど』。
……だとしたら240年くらい生きてる設定にしてはちょっと頭が幼すぎやしないか?
賢者⁇ お前がか⁉︎ ねぇ、大丈夫⁇
少しでも暇を持て余すと、なんだかフリフリと無駄に踊る……落ち着いてられない子供と同じだな。
「なぁ、前の冒険者さんも鍵と剣は手に入れてたんだよな?」
その問いに、JJとメーさんが同時に頷く。
ショータさんのさらに前の冒険者お二人は『獣族の村』で生活し生涯を閉じたので、『エルフの森』も『雪山脈』にも進んでいない。
この『雪山脈』まで攻略済みなのは、前冒険者のショータさんだけ。
「でも、冒険者さんが亡くなったことで、再びリセット。取り出されたはずの剣はまた、氷竜の中に戻った……って感じで合ってる?」
「うむ、その通りだ! だから剣と同じく、鍵達も元の場所に還ってるはずだぜ」
……ん? 鍵……達??
「……鍵は……一個じゃないのか?」
「ぷぷん⁉︎」
メーさんも驚いてるってことは、これは変更点か?
「おい! 鍵は全部で何個だ?」
「ふっ……俺がそんな口の軽い男だと思っているのか? 舐めてもらっちゃ困るぜ」
「……教えなきゃ……呼ぶぞ? しも……」
「はい! すいません! 鍵は全部で四個です! 間違いありません‼︎」
よほどあの名前を呼ばれたくないのか、すらすらと素直に教えてくれる。さんきゅー。
「さてと……では、まずは剣の摘出手術と参りましょうかね」
氷竜を見上げ、その尻尾で遊ぶ子供らに向けて声を張る。
「おーーい、チャル! ユルファ! フィング! 手伝えーー‼︎」
俺の声に気づいた子供らは大きく手を振り、揃えて返事をする。
「「「おう! まかせとけー‼︎」」」




