仲間
銀色の魔物に思わず声を上げる!
「メーさ〜ん‼︎」
「ぷるんぷるーー‼︎」
こ、こんなとこで再会するなんて!
これは、もはや運命だね‼︎
喜びのあまり俺はメーさんを両掌で抱え上げ、くるくるくるーーっと回った。
「ハル様、え? え? なに、知り合い⁇」
「おう! 一晩を共にした仲だ!」
「ぷるぅぷ……」
メーさんが微妙な反応……ん? 俺、何か変なこと言った?
「いや、しかしビックリしたよ! どうやってここまで来たの?」
「ぷるぷる!」
立て看板の『獣族の村』の下でぷるんぷるん跳ねる。
「なるほど、こっちの道から来たんだ、偉いね、賢いね!」
メーさんを撫で撫でしていると、チャルがちょっと……いや、だいぶ羨ましそうな顔をしている。
もしや嫉妬?
「そういえば、なんかご飯食べたかい?」
「ぷぅる……」
周りをキョロキョロし、口を大きく開けて、パクりと近くの岩に齧りつく。
なるほど鉱物が好物か! おっと、ダジャレ。
「お腹いっぱい食べて、ずいぶん大きくなれたんだね、すごいね!」
「おい……なんかハルが……」
「うん、なんか……誰? って感じだ……」
ユルファとフィングが俺の言動にちょっと引き気味だが……そんなの気にしない。
「こほん!」
軽く咳払い。
嬉しい再会でちょっと浮かれてしまったが、俺は真剣にメーさんと向き合う。
「メーさん……俺達はこれから雪山脈へ進まないといけないんだ」
「ぷーーるーー‼︎」
「ん? 何だい⁇」
メーさんはぷるんぷるんと同じ左の道を進んで行こうとする……もしかして……一緒に行きたいのか?
「……いいの? 何があるかわかんないよ?」
「ぷるるーー!」
そうか……決意は決まっているみたいだな。
こうして俺達は一緒に歩み出したのだった。
……メーさんは、跳ねてるけどね。




