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オススメ事故物件、今ならサービスで異世界ワープお付けします。  作者: 枝久
3ー3

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似合わない髪型

 かくん!


 「気をつけ」姿勢の黒人間Bが斜め45度にお辞儀をした。


 ぷくぷくぷくぷく……ぶわあーーっ! 


 その傾けた頭から突如、細かい気泡がぶくぶくと沸き立ち……次の瞬間、髪の毛が四方八方に向かって、ぐんっと一気に伸びる‼︎

髪の一本一本に意思が宿ってるかのように、それらがうねうねと動き絡み合い、自動的に無数の三つ編みを仕上げていく。

それぞれの編み上がった髪束の先は、丸く膨れたチューリップのような形……それが気色悪く(うごめ)く。


 ぞわぞわぞわぞわぞわ……しゃーーっ!


 花弁が開くように、髪先の『それ』は口を開けた。

あぁ……髪の毛が蛇……まるで、魔物ゴーゴンのようだ。

あれはギリシア神話に登場するんだっけ?

……正確さを追求するなら、背中に翼も追加メニューだな。


 ………………


 っつうかさぁ、一つ文句言ってもいい?

黒人間Bの体型、あれ、俺じゃん⁉︎

グレー髪もどうかと思ったが……ロン毛な俺……超気持ち悪うぅぅぅぅっ‼︎

似合わなすぎにも程がある‼︎


 目玉が無いから、石化を仕掛けてくることは今のところ無さそうだが……アップデートした影野郎の動き、どう出る?

あれはもう黒人間Bとすら呼びたくない、黒ゴーゴン……略して黒ゴンだ。

……もし、体型だけじゃなく身体能力も模倣(コピー)されているとしたら、ちょっとまずいな。

 

 ざりっ……


 地面に手を付き、四つ這いになった黒ゴンは、もはや魔獣に区分変更したいくらいな出立(いでたち)

様子を伺うように首をぐにゃりと捻る。ひぃぃっ!

……相手の出方を見るなんて芸当……なにレベルアップしてくれちゃってんの⁉︎ 

だいぶ困るんだけどーー!


「メ、メェッ!」


 『キ、キモッ!』って言ったように聞こえるパンダさんの鳴き声には、激しく同意!


 彼は間合いを取るように、酔っ払いくんを背に乗せた白虎さんを庇いながら、ざっと数歩退がる!


「気をつけて! そいつ速いよ!」


 俺の能力を反映してるんなら、黒ゴンは脚力お化けよ! あら、手前味噌でごめんあそばせ!


 俺の声と同時に、黒い獣が襲いかかる!


 ひゅん! 


 俺の悪い予感的中! 標的は……パンダさん‼︎


「メェ⁉︎」

 

 シュバババババババッ‼︎


 黒影の頭から無数に伸びくる蛇を、モフモフの手刀で躱すパンダさん……使えるのが前脚だけでは手が足らない⁉︎ 防戦一方!


 先程まで、パンダさん達は黒影軍団の『対象』ではなかった……はず。

だが、異世界プログラムのアップデートで『排除するべきモノ』として上書きされたのだ。


 しかし……自分の身体がコピペされているってのは、胸糞悪いぞ!

それが、味方を攻撃してくるってんなら、尚更だ。


 ぎりっ!


 俺は手の中のモノを握り締めて、声を張る!


「ったく何でもかんでも、パクんの止めろよなぁ! 全く、ここの創造主ヤローはプライドもオリジナリティってのも無いんかーい!」


 そして、俺は駆け出した!

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