第31話 新たな仲間と新たな力
裕真がアコルルとの会話を終え、スマホから手を放したそのとき、イリスがすかさず声をかけてきた。
「ちょっと、ユーマ……あの『アコルル』って子の話、信じるつもり? いくらなんでも怪しくない?」
囁くように、イリスは裕真に耳打ちする。その表情には、あからさまな疑念が浮かんでいた。
「まぁ、確かに俺が魔法皇帝だったなんて話、信じがたい」
裕真は腕を組み、唸るように言った。
「だけど、俺を騙そうとしてるなら、もっと信憑性のある話をするもんじゃないか?」
「……う~ん、それはそうだけど……」
明確に反論できず、イリスは言葉を詰まらせる。
そんな二人のやり取りに、篤志が控えめに割って入った。
「ボク達の故郷……地球を知っているどころか、そこと電波を繋げるなんて、只者じゃないですよ……」
警戒の色を隠さず、篤志は額にしわを寄せる。
「ボクは七年この世界で暮らして、いろんな人に会いましたが、地球のことを知っていたのは、神様ぐらいしかいませんでした」
「……神様に近い存在だってこと? いや、まさか……」
裕真の呟きに、アニーがおそるおそる口を開いた。
「もしや邪神の手先では……」
「ええ~? いやいや、それは無いって」
裕真は即座に否定し、少し早口でまくしたてる。
「俺、アコルルちゃんと色々話し合ったけど、すごく良い子だったぞ?」
すっかり信用しきった様子の裕真に、仲間たちは不安を募らせた。
「いやいや! デュベルだって外面は良かったじゃない! 騙されて生贄にされかけた後なのに、よくそんなこと言えるわね……」
イリスが憤りを隠さずに叫ぶ。ラナンもジト目で裕真をにらんだ。
「ヤケに肩を持つけど『いんたーねっつ』とやらを見たいだけじゃないだろうな?」
「し……失礼なっ! 俺はそこまで馬鹿じゃないぞ! そんなに疑うなら、皆もアコルルちゃんと話しあってみればいい! そうすれば分かるって!」
裕真の必死の弁明に、イリスはふんと鼻を鳴らした。
「ええ、いいわよ! アコルルって子の本性、私の曇りなき眼で見定めてあげるわ!」
こうして裕真パーティとアコルルの“話し合い”が幕を開けた。
【 ROUND 1 イリス・アーチャー 】
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アコルル「ハンターの学校を作るのが夢なんですってね!! その若さで教育の重要性を理解してるとは流石です! 陛下も凄く褒めてましたよ!!」
イリス「ええ~、ユーマが~? いや~、それほどでも~ ――」
【 終了 試合時間 6分37秒 】
【 ROUND 2 火野篤志 】
篤志「ふ…… ボクは長い間旅をして、いろんな人と出会い、数え切れない経験を積んできました。。騙されそうになったのも、一度や二度じゃありません。何を言うつもりか知りませんが、そう簡単に引っ掛かりませんからね!」
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アコルル「大切な人を失うのは辛いですよね。 私にも分かります……。奥さんも貴方が嫌いになったわけじゃないと思います。ただ世界を救うという使命の重さで、貴方の気持ちを考える余裕が無くなっただけ……。そのうち、きっと分かってくれますよ」
篤志「ウン! ウン!!(感涙)」
【 終了 試合時間 12分13秒 】
【 ROUND 3 ラナンキュラス 】
ラナン「やれやれ、ニンゲン共はだらしないなぁ……。だが俺は鋼の意思を持つドワーフ! 甘い言葉に惑わされたりしないぜ!!」
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アコルル「冒険! ダンジョン探索! 立派なお仕事じゃないですか!! 未知の領域へ挑む探求心こそ、人を進歩させるのです!」
ラナン「だよな! 鍛冶仕事だけがドワーフじゃない!! 俺は間違ってないよな!!」
【 終了 試合時間 5分20秒 】
【 ROUND 4 アマニタ・ムスカリア 】
アニー「くくく…… 自慢じゃありませんが、私は極度の人見知りです。ちょっとやそっとのことでは心を開きませんよ!」
※実はまだラナンと篤志にも心を開いていない
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アコルル「キノコ最高!」
アニー「キノコ最高!!」
【 終了 試合時間 58秒 】
こうしてアコルルちゃんは パーティ全員の信頼を得た!
裕真パーティにまた一人、素敵な仲間が増えたのだった!!
◇ ◇ ◇
事件解決後、裕真たちは旅立ちに向けた準備を進めていた。
向かう先は『西方大陸』最大の都市にして、『オリオン連合王国』の首都、『トリスター』。
……と、その前に。少し寄り道をして、この世界の地理について語らせてもらおう。
※世界地図
https://47373.mitemin.net/i975508/
裕真たちの冒険の舞台、『カンヴァス』の大地は、巨大な円形をした陸地で構成されており、その中心から丁字型に広がる内海によって、上半分、右下、左下の三つに分断されている。
円の上半分は『北方大陸』、右下が『東方大陸』、左下が『西方大陸』と呼ばれ、総面積は、地球でいえばユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸を合わせたほどにもなるという。
この三つを総称して『メソ・カンヴァス』、あるいは単純に『三大陸』と呼ばれている。
そして、それぞれの大陸には一つずつ大国家が存在し、それぞれ独自の文化を築いている。
北方大陸には、かつての魔法帝国の継承者を自称する『新生アルカディア帝国』があり、東欧や北欧を思わせる厳かな文化が根づいている。
東方大陸には、伝説の『大巨人アトラス』を信仰する遊牧民族の国『アトラス連邦』。こちらは中東や中央アジアを思わせる、乾いた大地と移動式都市の文化が息づいているという。
西方大陸には、 『大英雄オリオン』の子孫を王に戴く 『オリオン連合王国』。西欧や地中海を思わせる、華やかで開放的な文化圏だ。
現在、裕真たちが滞在している『マイラの街』は、プロキオン公国の都市であり、この公国も連合王国の属国という立場にある。
もっとも、名目こそ従属だが、実際には干渉も少なく、ほぼ独立国と変わらない運営がなされている。
次なる目的地『トリスター』は、そんな連合王国の中心地であり、西方全域から人と物と金が集まる世界有数の大都市だ。
当然、魔道具の品揃えもマイラとは比べ物にならず、『神器』でさえ市場に並ぶことがあるという。
魔道具に戦力を依存している裕真にとって、ぜひとも訪れておく必要があった。
とはいえ、すぐに出発できるわけではなかった。
魔道具購入に必要な軍資金、ラビィくんの魔石の売却金がまだ支払われてないからだ。
ランランさんの話によると、ギルド側の処理が終わるまでには、あと二十日はかかるとのことだった。
その間、時間を持て余すかと思っていた裕真だったが、実際にはやるべきことが山積みだった。
まずは、死者の見送り。
裕真たちは、マークさん、エドさんとその仲間たち、そしてデュベルの葬儀に出席した。
特にデュベルの葬儀には多くの参列者が集まり、涙を流す人々の姿も多かった。
その光景に、裕真は複雑な気持ちを覚える。
とはいえ、彼がばらまいた多額の寄付で救われた人々がいたのも事実だ。
たとえそれが、彼にとって不要なものを捨てただけだとしても、そう思うことで裕真は自分を納得させた。
その次に控えていたのは、エリコ姫からの勲章授与。
マイラの街を救った功績を讃え、裕真たちは褒賞として勲章と感謝状を授かった。
この勲章があれば、プロキオン国の騎士として士官登用の道がいつでも開かれるという。
だが、それ以上に価値があるのは、エリコ姫直筆の感謝状だった。
篤志が、少し興奮気味に解説してくれる。
「これを見せれば西方の何処に行っても賓客待遇ですし、オリオン国王陛下にも謁見出来ますよ!!」
「へぇ…この大陸で一番偉い人と……」
オリオン国王……西方大陸に数百ある国家の頂点に立つ存在。
その偉さは理解できたが……裕真の反応はどこか他人事のようだった。
「まぁでも国王陛下に会う用事は無いし、必要になるのはまだまだ先だよね」
「ははは、ですよねー」
そんなふうに笑い合う二人だったが――
その「ずっと先」のはずの未来が、思ったよりも早く訪れることになるとは、このときの彼らはまだ知らなかった。
そしてその次。
デュベルを倒して手に入れた《|《貪狼星》《どんろうせい》》を自分たちも試してみよう、という話になった。
――が、しかし、思わぬ落とし穴があった。
「あ、すいません……。今の陛下には《貪狼星》を使用できません」
控えめな声で、アコルルが申し訳なさそうに言った。
「……は? 皇帝専用の力じゃなかったの?」
裕真は怪訝な顔で問い返す。
「はい、専用ではあるのですが……現在、陛下が冥王から借りている『100万MP』が『星』の力を阻害するのです……。そう、暗雲が星の光を遮るように」
詩的な例えに一瞬戸惑いながらも、裕真には思い当たることがあった。
以前、『100万MP』のせいで精霊と契約できないと言われたことがある。『守護七星』も、同じような理屈なのだろうか。
「そうなのか……ちょっとガッカリだな。青魔導士みたいになれると思ったのに」
某有名RPGのように、ユニークな魔物のスキルを自在に扱えるというのにちょっと憧れていた。それに、実用面でも魔道具が不要になれば大助かりだったのだが……。
「まあ、冥王にチートを返却すれば使用可能になりますが、そうすると戦力が激減するのが悩みどころです。最低でも、星を三つか四つ奪還してからでないと……」
控えめながらも、きっぱりとしたアコルルの説明に、裕真は疑問を感じた。
「……ん? 返却? なんで?」
「なんでと言われましても。いつまでも借りっぱなしとはいかないでしょう?」
「まぁ、それはそうだけど、それは邪神を倒した後の話だろ? その頃には戦力の心配なんていらないじゃないか」
「ダメです! 冥王の力で邪神と戦うなど、なにが起きるか分かりません! 頼り切るのは危険です!」
アコルルの声が一段強くなり、裕真は思わず気圧された。
「あの神は目的のためなら手段を選びません。邪神討伐が済んだら、用済みになった陛下をどうするつもりか……」
なぜ冥王と手を切ろうとしているのか分かった。この子は冥王を警戒している……裕真を裏切る可能性を危惧しているのだ。
「そこまで悪い神だとは……いや、悪い神だけど」
冥王がかつて、目撃者の口封じや聖剣奪取のために虐殺を命じたのは事実だ。
だが、反対したらあっさり引き下がってくれたし、そこまで話の通じない冷酷な神とは思えなかった。
……とはいえ、全面的に信頼できるとも言い難く、強く反論できない。
そんなやり取りを聞きながら、イリスがぽつりと呟く。
「……結局、守護七星の力は使えないのね。まぁ、敵の手に渡らないだけマシなのかな」
「あ、いえ、そんなことないです。単純に陛下以外が使えば良いだけです」
アコルルが慌てて手を振り、否定する。
「『星』は他人に貸すことも可能です。邪神がその配下に貸し与えていたように」
その言葉を聞いたイリスの目が、ぱっと輝いた。
「はいはいはい! じゃあ私が使います! いいよね、ユーマ!!」
勢いよく身を乗り出すイリス。まるでプレゼントをねだる子供のような無邪気さに、アニーが呆れ混じりの声を返す。
「……イリス、ちょっと待って。よく考えて下さいよ。変身したデュベルみたいな化け物になるかもしれないんですよ?」
「うっ! それは……」
先ほどまでの勢いが萎み、鼻白む。化け物になった自分を想像したのだろう。乙女としては避けたい展開だ。
「大丈夫ですよ。魔物スキルは自由に切り替え可能ですから。そのデュベルとやらも、普段は普通の人間だったでしょ」
「……あ、そうねぇ」
「それにスキルを厳選すれば、外見を変えずに魔物の能力を使えます。まぁ、変身した方が効率はいいのですが」
「デュベルのあの姿は、効率重視した結果かぁ……」
裕真はふと昔遊んだゲームを思い出す。
効率を突き詰めた結果、装備がパジャマや着ぐるみや水着といった妙なものばかりになった、あの感じを。
「まぁ変な副作用とか無いなら、別に良いよ。……無いよね?」
「ええ、もちろん無いです」
アコルルはにこにこと笑顔で答える。
どこかキャッチセールスめいた笑みに、裕真は一瞬だけ不安を覚えたが……、よくよく考えれば皇帝も使うものなのだし、副作用があるわけないな、と思い直す。
「陛下の許可が下りましたので、 『』をお貸しします。ただし、あくまで貸しているだけというのをお忘れなきよう。陛下の権限で何時でも剥奪――」
「分かってるって! 今更裏切ったりしないわよ」
イリスは明るく笑って、胸を張った。
◇ ◇ ◇
そんなわけで、イリスはアコルルから《貪狼星》を受け取り、ざっくりとした説明を受けた。
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【《貪狼星》のざっくりした説明】
・倒した魔物の魔力(MP)、生命力、スキルを奪う。
・スキルは最大、魔物七体分までストックできる。
・七体分の枠が埋まっている状態で新たなスキルを得るには、一体分を捨て、枠を空けなければならない。
・捨てたスキルは戻らない。必要なら、また同じ魔物を狩りましょう。
・取得したスキルはON/OFFの切り替えが可能。弱点が増える、容姿が変貌するなどデメリットがあるスキルはOFFにしましょう。
・魔力(MP)と生命力はいくらでもストックできる。
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「よし! さっそく近場の魔物を倒してみましょう!」
勢いよくそう宣言したイリスは、裕真たちを連れて街の外へ繰り出した。
目的は、日帰り可能な範囲で出会える魔物たちを狩り、《貪狼星》の実戦テストを行うこと。
※以下、イリスが討伐し、奪取した魔物スキル一覧。
造魔属【スライム】
討伐レベル:0
《有機物吸収》 有機物ならなんでも吸収し、栄養にする。
《毒素分解》 触れた有毒物質を無毒化する。
〈スライムボディ〉 身体がプルプルになり、衝撃耐性が上がる。(OFF)
野獣属【オオネズミ】
討伐レベル:1
〈環境適応〉 砂漠、雪原、高山など、あらゆる環境に適応可能。
〈精力絶倫〉 いつでもビンビン丸。 (OFF)
魔獣属【魔狼】
討伐レベル:5
〈嗅覚上昇〉 鋭敏な嗅覚を得る。
〈敏捷上昇〉 素早さが上がる。
〈長距離走行〉 長時間走っても疲れにくくなる。
〈鋭い牙〉 鋭い牙が生える。(OFF)
妖樹属【マイコニド】
討伐レベル:3
〈毒胞子散布〉 有毒な胞子を撒き散らす。
〈毒無効〉 毒が効かなくなる。
魔獣属【アルミラージ】
討伐レベル:4
〈敏捷上昇〉 素早さが上がる。
〈脚力強化〉 脚の筋力が強化される。
〈聴力上昇〉 耳が良くなる。
〈ラビットホーン〉 頭に鋭い角が生える。(OFF)
妖精属【ヒル・トロール】
討伐レベル:10
〈筋力上昇〉 筋力が上昇する。
〈高速再生〉 掠り傷程度なら秒で治る。
〈巨体〉 身体が巨大化する。(OFF)
屍鬼属【グール】
討伐レベル:6
〈麻痺毒分泌〉 爪や口から麻痺毒を分泌。(OFF)
〈暗視〉 暗闇でもよく見える。
〈腐肉食〉 腐った肉が好物になる。食べても病気にならない。(OFF)
〈アンデッド属性〉 闇・毒無効/光・炎弱点。(OFF)
※(OFF)と付いているのはイリスの意志で無効化しているスキルです。
数体の魔物を討伐したのち、パーティは森の中の小さな広場で一息つくことにした。
木陰に腰を下ろし、湯を沸かしてお茶を飲む。
裕真はスマホを取り出し、画面を覗き込んだ。
「へぇ……弱い魔物でも、便利そうなスキルを持ってるんだな」
画面には、イリスが現在所持しているスキル一覧が表示されている。
アコルルが一覧化・可視化してくれたのだ。
「使えない……っていうか、使いたくないスキルも混じってるけど、初めての戦果としては上々ね。ちょっと見て」
そう言うとイリスは、手近にあった大きめの石を片手で掴み、力を込めた。
すると、パンッという乾いた音ともに、石が粉々に砕け散る。
「おおっ」と一同から感嘆の声が漏れ、イリスは、少し照れくさそうに笑った。
「これはヒル・トロールの〈筋力上昇〉の効果ね」
「すごいですね……。レベル10程度の魔物でこれなら、これより高レベルの魔物スキルなんてどうなるんです?」
アニーの素朴な疑問に、アコルルが笑顔で答える。
「もちろん、強い魔物ほど便利で強力なスキルを持っています! じゃんじゃん倒してパワーアップしていきましょう!」
さらに補足するように、アコルルは言葉を続けた。
「あと、弱い魔物でも生命力とMPを奪えますから、無駄にはなりませんよ」
「……デュベルがやたらしぶとかったのは、それのおかげでもあるのか」
ラナンはふと目を細め、苦い表情を浮かべた。首だけになっても生き続けていたデュベルの姿が、脳裏にちらつく。
「具体的に、デュベルがどんな魔物スキルを持っていたのかって分かる?」
イリスの問いかけに、アコルルは軽くうなずいた。
アコルル「はい。《貪狼星》に残された残滓を辿れば把握できます。利用履歴ってやつですね」
言葉と同時に、画面からアコルルの姿がすっと消え、代わりに文字列が浮かび上がる。
そこには、デュベルが吸収した魔物たちと、その能力の詳細が表示されていた。
ドラゴン属【ファイアドレイク】
討伐レベル120
〈炎属性無効〉 炎属性攻撃を完全に無効化する。
〈灼熱ブレス〉 石をも溶かす灼熱のブレスを吐く。
〈竜の牙〉 あらゆる防御を貫通する牙。
〈竜の鱗〉 全属性の攻撃に耐性がある鱗。
〈マグマダイバー〉 マグマに潜っても窒息せずダメージも受けない。
邪鬼属【フロストギガース】
討伐レベル90
〈氷属性無効〉 氷属性攻撃を完全に無効化する。
《ブリザード》 極寒の吹雪を引き起こす。
〈筋力上昇(極大)〉 筋力が桁違いに上昇する。
〈大巨体〉 すごく大きくなれる。
〈雪山踏破〉 雪深い山を平然と歩ける。
神獣属【サンダーバード】
討伐レベル87
〈雷属性無効〉 雷属性攻撃を完全に無効化する。
《サンダーボルト》 稲妻を放つ。
《超高高度飛行》 超高高度でもダメージを受けずに飛行できる。
〈敏捷上昇(極大)〉 敏捷力が桁違いに上昇する。
神獣属【レッサーベヒモス】
討伐レベル105
〈物理攻撃耐性〉 物理攻撃に強くなる。
〈超巨体〉 物凄く大きくなる。
〈耐久上昇(超)〉 耐久力が超常の域に達する。
〈防御上昇(超)〉 防御力が超常の域に達する。
邪竜属【ハイ・ヒドラ】
討伐レベル95
〈超再生〉 頭を潰されても再生する。
〈毒吸収〉 あらゆる毒物を吸収して養分にする。
〈猛毒分泌〉 触れるだけで命を落とす猛毒を分泌する。
〈副脳〉 予備の脳を体内に生成する。
悪魔属【アークデーモン】
討伐レベル100
〈悪魔属性〉 闇無効/光以外の全属性に強い耐性/光弱点。
《魔力上昇(極大)》 魔力が桁違いに上昇する。
《魅力上昇(極大)》 魅力が桁違いに上昇する。
《魔力徴収》 周囲の者から強制的にMPを徴収する。
《コール・サーヴァント》 魔界から支配下にある下級悪魔を召喚する。
妖樹属【キング・マイコニド】
討伐レベル80
《寄生胞子散布》 他の生物に寄生する菌類の胞子を散布する。
《菌類操作》 周囲の菌類と精神を繋ぎ、自在に操る。菌類を寄生させた生物を操ることも可能。
《茸ミサイル》 爆発する茸を射出する。
《毒無効》 あらゆる毒物を無効化する。
「うわ……すご……」
ぽつりと漏らしたイリスの声には、驚愕と、わずかな恐怖が滲んでいた。
討伐レベル100を超える魔物は、単体で小国一つを滅ぼせるといわれている。デュベルはそんな化物たちを何体も倒し、その力を奪ったのだ。改めて彼の恐ろしさを知り、戦慄する。
「私も、あいつぐらい強くなれるかな……」
「大丈夫ですよ。弱い魔物から順々に倒して、ステップアップしていけば良いのです」
再び姿を現したアコルルが、優しく微笑みながらイリスに囁く。
「デュベルがどういう人物かは聞きました。彼のようなありふれた浮浪児でさえ、一国を滅ぼせる力を得られるのが《貪狼星》です。貴方のように才能あふれる方なら、もっと高みにいけますよ」
その言葉に、裕真はほんの一瞬だけ胸の奥にざらりとした感覚を覚えた。
『守護七星』が、何かとても危ういものに思えたのだ。
アコルルの笑顔も、どこか作り物めいて見えて――。
……いや、考えすぎか。
そう思い直し、裕真は小さく息を吐いた。




