冒険者になろう
今日はようやく10歳になり、ようやく冒険者登録ができる日。あの日からもう1年以上たった。
この一年でずいぶん成長し、身長は150cmほどになった。
「やっとこの日がやってきた!」
この1年間俺は学習面では図書館で魔物の勉強、冒険者としての心得、簡単な計算の復習をしていた。それ以外はできる限り家業を手伝い、冒険者としての初期費用に当てるため必死に働いた。
ネオンとジンも家を継ぐため下っ端としての下積み期間だ。俺は一足先に下積み期間を終了してはれて冒険者になる。
キメラに関しては初代国王の書物を探したが一般向けの図書館に初代国王の守護獣の具体的なことは何も書かれていなかったが、『魔物を合成しその魔物の能力を使える』くらいは分かっているので実践していこうと思う。
冒険者ギルドは町の正門から真っ直ぐ200mほど行った場所にある。冒険者達が依頼から帰ってきて、すぐにギルドにいけるようになっているため、ほとんどの街のギルドの場所は同じくらいの場所にある。
冒険者ギルドは盾に剣がクロスしてあり、クロスが交わっているところに弓の矢が刺さっているマークが象徴になっている。
いざ!冒険者ギルドへ!!
と言っても前に父さんに連れてきてもらったのであまり新鮮味はない。冒険者ギルドは酒場としてもやっているので入る分は何の問題もない。
見慣れたギルド内を進み受付の前に来ると流石に緊張せざるを得ない。
「ようこそ!冒険者ギルドへ!本日は、、登録ですね?準備いたしますので少々お待ちください!」
冒険者ギルドの綺麗な受付嬢は僕を見てすぐに登録だと分かったようだ。周りを見ると登録しにきた子供がちらほら見受けられる。
「お待たせしました。この用紙に名前と年齢最後に守護獣が何型か記入お願いします」
俺は名前の欄にアレクサンダー、歳は10歳。守護獣に魔獣型と書き、提出した。
「はい、大丈夫ですよ。ではこのカードの上に血を一滴垂らしてください。このカードにあなたが所有者として登録されます」
俺は一緒にもらった小さい針を左人差し指の腹に刺して血を一滴落とす。そしたら一瞬軽く光って元に戻った。
「これで登録は完了です。このカードにはどこのダンジョンをどこまで攻略したか、冒険者ランク、名前などが記入されています。最初はF級からのスタートとなりますので高みを目指し、頑張ってください。ランクアップはギルドの判断によって上がります。B級からはランクアップ試験がありますので心の中に留めておいてください。仕事は常時依頼通常依頼と指名依頼、緊急依頼があります。常時依頼は受付に紙を持ってくる必要はなく、薬草採取やゴブリン討伐など自分で見て受注していただき、納品していただいたら依頼完了です。通常依頼は受付で手続きすることで受ける事ができます。指名依頼はギルドからだったり、貴族の方からの直接の依頼です。緊急依頼は町の存亡が危惧される時などにD級以上に出される依頼です。他国との戦争は完全自己責任なのでお気をつけください。冒険者同士の争いはご法度なのでよろしくお願いします」
受付のお姉さんが丁寧に説明してくれたおかげで改めて確認できた。
「お姉さん、丁寧にありありがとうございます!よく分かりました!」
アレクも丁寧にお礼を言う。受付嬢とは仲良くしておいた方が後々役に立つという打算ありきだったが。
「この町は初心者冒険者には活動しやすい場所ですのでここでしっかり冒険者としての基礎をつけてください。最初は採取系の依頼などが良いですよ。戦闘に慣れてきたら初心者ダンジョンがあることも覚えておいてください。それでは良い冒険者ライフを!」
丁寧な態度に好感を持ったのか、個人的なアドバイスもしてくれた。
とりあえずのこの町での目標は初心者ダンジョンの完全攻略だ!
ダンジョンを攻略することのメリットはかなり大きい。今後の冒険者ライフを左右するといっても良いほどだ。ダンジョンを初めて攻略する時、ソロだった場合のみスキルを獲得できるのだ。スキルは完全ランダムと言われている。まずはそれをもらい、キメラのビリーを強くするのに必須アイテムを取りに行く。
アイテムボックスだ。
ダンジョンを攻略すると何かしらのアイテムがドロップするのだがその中に低確率でアイテムボックスがドロップする。この際容量は問わないからビリーに合成させるための素材を入れる袋が必須なのだ。これがなくては僕らの冒険は始まらない。
この一年である程度の筋トレと剣術の勉強はしたきたが、それだけでは初心者ダンジョンとて、足りない。
ビリーをすぐ近くの森で少し強化してから、攻略開始だ!
短いですが、キリがいいのでここで終わります。
次から戦闘に入ります。