僕の守護獣と友達
「さぁ、帰ろうか、キメラ」
そうこの子犬はキメラだ。と言ってもまだ何も合成していない。魔獣型ユニーク種キメラ。
能力は倒した魔獣や精霊の一部を合成するとその能力が使える。組み合わせは無限大だが、1日に一度しか合成できず一度で最大7つまでしか合成できない。無限の可能性を秘めた最強の守護獣だ。
精霊とフォレストゴリラを合成すれば、僕も魔法を使えるようになり、フォレストゴリラのようなすごい腕力にもなる。キメラは成長型の魔獣だから早めに合成を始めたいのだが、子供が魔物の森に入ることは禁じられているので魔物を倒すことができない。だからこうして子犬の姿のままでいる。
「アレクー!どこに行ってたのネオンくんとジンくんが呼びに来てたよ。いつもの公園だってさっさと行ってきな!」
アリシアと別れ、家には誰もいなかったので両親の屋台の方に行くと母さんからそんな声がかかった。ネオンとジンと言うのは家が近所の幼馴染で守護獣が子犬だからといってバカにしなかった、俺の数少ない友達だ。
(と言うか友達はこの2人とアリシアだけなんだが)
「すぐに行くよ。あ、焼き鳥数本ちょうだい。お腹すいた」
そういえばアリシアに焼き鳥をあげたから僕は食べてなかったことを思い出す。焼き鳥を袋一杯に入れてもらって屋台から歩いて5分くらいの公園に向かう。アリシアの名前は出さずに自慢してやろう。
「ごめん、2人ともお待たせ。美少女とお話しして友達になっちゃってねー。屋台に方にはいなかったんだ〜」
ゲスい顔をしながら2人がどう反応するか確認しながら煽っていく。
「俺たち以外にも友達ができたんか。おめでとー」
「アレクが友達を作るなんて、、、成長したね」
あれ?なんか普通に返された。もっと悔しがってる様子を見たかったんだけど予定と違うぞ?これだと僕はただ自慢している嫌なやつじゃないか。
「わざと煽ってるんだからのってよ!」
悪い悪いと2人がいいながら持ってきた焼き鳥をみんなで食べる。2人とは一緒遊んだり、家であったことなどを話したりする。
ネオンの家は宿屋を、やっているので朝早く起きて家の手伝いが大変だといつも言っている。今日は将来についての話だ。
「俺の守護獣は水の小精霊でほんの少ししか水が出せないから宿屋を継ぐことになるかな。攻撃用には使えるほど威力ないからなー。それなら魔獣型で身体能力上げて冒険者になりたかったな」
ネオンが冒険者になりたかったとは初めて聞いた。しかし守護獣次第では諦めなければならない夢もある。この世界の人々の殆どが守護獣によって決まってしまう。
「俺も家を継いで服屋かな。守護獣は魔獣型大蜘蛛で、服屋にピッタリだし。親はすっごい喜んでいたけど、俺は全然嬉しくない。俺も冒険者になりたかったな」
とジンも親の跡を継ぐようだ。守護獣はその一族で現れやすい系統があったり、親の職業にも、関係すると言われている。
「アレクは、どうするんだ?お前も家を継ぐのか?」
僕はすぐに答えられなかった。
「まだ決めてないけど、親の跡は注がないと思う。上手く言えないど、もう少しで僕のやりたいことが分かりそうなんだ」
(アリシアと出会って何かモヤが掛かったような感じがする)
この謎が解決するのは遠いようで近そうだ。
「お前の守護獣はよく分からないからゆっくり決めれば良いさ」
2人が励ましてくれる。僕は守護獣の能力のことを2人にも、両親にすら話していない。ユニーク種と言うこともあり、簡単に話てはいけない気がしたからだ。
その後も3人で話し込み、それぞれの帰路に着いた。
読んでくださりありがとうございます。
冒険に行くところまではできる限り早めに投稿したいと思います。