3 異世界時々異言語 魔法という概念を知るでしょう
「・・・さて困ったな・・・」
「これからどうします?何をするにも食料は必須ですよね?」
水は発見したが食料は解らなかったからな
全く知らない物を口に入れる程の勇気は無い
ん?飲める綺麗な水が流れていると言う事は・・・
「・・・文明レベルは解らないが文明が起きる要因と言えば・・・」
「地球の歴史で言うなら安定した水分に豊富な食料若しくは肥沃な大地そして物の流通と人の纏まりですよね?」
「・・・山ばかりで海は見えない・・・ならば川を下っていこう・・・それなら条件揃ってるしな・・・」
「何か持っていく物は有りますか?」
「・・・空きペットボトルだけにしよう・・・暫く水が生命線になるし何が起こるか解らん・・・」
俺が先導して2人で先程の川に移動して空きペットボトルに水を汲み喉を潤す
研究所に帰る為の目印も付けた
跡は川を下っていくだけだが危険性も考えないとな
「・・・何かに出くわしたら七隈の目が頼りだからな・・・頼むぞ・・・」
「私の能力が通用するか疑問ですけどね?」
そして山の木に目印を付けながら川沿いに下って行く
道らしい道は全く無いが川沿いは比較的歩きやすくなっている
山の天気は変わりやすいとよく言うが俺の見立てでは暫く晴天が続きそうだ
何時間歩いたのかは解らない
俺達の疲れがかなりの度合いになった頃
空を軽く見ると何かが燃えているのか焼いているのか狼煙の様に煙が上がっている!
「・・・やっとだな・・・」
「そうですね!ただ問題は私達を相手がどう見るかですね!」
「・・・それな・・・でも動かなきゃ結局野垂れ死にだ・・・」
「虎穴に入らずんば虎子を得ず!堂々と行きましょう!」
「・・・頼りにしてるぜ・・・七隈先生よ・・・」
その煙に向かって真っ直ぐ暫く歩き出して少々経って突然横から叫び声が!
「〓ヾ∀♯∌!!!!」
「雨田先生黙って笑顔!はいこんにちは!怪しくないですよ!」
俺は黙って笑顔を向ける
内心はこれ何語だよとか色々考えたが此処は太陽が2つ有る世界だ
何が起きてもおかしくはない
延々と謎の言語を相手に七隈は笑顔と日本語で話を貫き通す
暫くすると相手の姿は見えないが気配がドンドン増えて来る
それでも七隈は笑顔で話すのを止めない
俺は笑顔を崩さずそのまま七隈に任せる
そのまま七隈が笑顔で話し続けているとヒョロっとした男性が1人俺達の目の前に出て
何か動作をしたかと思うと俺達に近付いて来た
七隈はその様子を見て
「雨田先生!何とかなるかも知れません!何をされても抵抗しないで下さい!」
七隈が言うのだから確かだろう
俺は何もしないで笑顔だけを向けて自然体を取る
男は近付いて来て俺の頭に手をかざし触られた瞬間俺は光に包まれた!
そして
「どうだ?これで言葉が解るだろう?俺はこの程度しか魔法が使えないからな」
急に相手の言葉が解る様になり俺は驚いた
「・・・ありがとう!これは凄いな!あいつにもやってあげて欲しい!頼む!」
「解った」
と言って七隈にも同じ様に頭に触れて輝いた
そうか・・これが魔法か・・・
凄い世界に来たな・・・
此処まで読んで下さりありがとうございます
ちょっと右目がものもらいになってしまい更新が遅れます