2 分析するまでも無い不運な私達のエレジー
第2話です
今回は自己紹介的でメイン視点は七隈です
パッと私は目が覚めた
どの位時が経ったか解らないが生きている事は確かだと思う
先ずは自己診断
意識クリア 気分クリア 思考クリア
記憶状態は・・・
名前 七隈大梧 (ななくまだいご)
職業 最先端超技術研究所職員 心理学部門担当
年齢 39
性別 男
趣味 クラシック音楽 人間観察 飲酒 心理研究
特技 読心術(雨田先生以外)
ふむ精神は特に問題は無い様子
周りを見ても此処は研究所
窓の外が明るいが掃除してたのは夜だったから結構眠っていたのだろうか?
っと倒れてる雨田先生発見
起こして状況確認しないと
この人の心は昔から読みにくいのは何故なのだろう
「さて!雨田先生起きて下さい!」
「・・・ん~・・・七隈よぉ・・・俺達死んだんじゃないのか・・・?」
「生きてますよ!早く意識をハッキリさせて下さい!」
「・・・ふぅ・・・起きたぞ」
「頭はしっかりしてますね?ならばこれからの質問に答えて下さい!」
「・・・はいよ・・・」
名前 雨田晴耕 (あめだせいこう)
職業 最先端超技術研究所職員 自然科学部門担当
年齢 40
性別 男
趣味 釣り パズル タバコ 自然科学研究
特技 天気読み
「・・・これで気が済んだか?・・・一服させてくれ・・・・」
「ふむ?お互い身体に異常は無い様ですね」
「・・・ふぅ・・・でもおかしいんだよなぁ・・・」
「何がです?」
「・・・あの光の前に異常に強力な磁場が発生してたんだけど熱量は無かった・・・」
「それが何かおかしいのですか?」
「・・・俺達の道具だけじゃなく部屋の電子機材も全部磁場で狂う程の・・・」
「まぁ無事なら良いんですよ!買い出しにでも出掛けますか?」
「・・・ちょっと空見て考えさせてくれ・・・ってえええ!?」
「またおかしな天気になるんですか!?」
「・・・取り敢えず七隈も窓の外見てみろ・・・」
「外ですね?見てみまうぉ!?」
2人して驚愕したのは研究所の外が標高の高いであろう山みたいな場所だ
元の研究所付近で見た事が無い物が沢山有る
自然豊かと言うか人工物がこの研究所以外皆無とは
妙に空気が綺麗だと思ったが此処は一体・・・
気温もあの雷光の時より涼しい感じがする
「何が有ったんですかね?」
「・・・全く解らないな・・・と言うか此処はどうなっているんだろうな・・・」
「サッパリですがガス水道電気使えないのですか?」
2人で手分けして確認してみたが
「・・・何1つまともに使えないみたいだな・・・腹減ったな・・・」
丁度この研究所の中に食べ物は3日前に尽きていたのは私は知ってた
が雨田先生はどうなんだろう?
「・・・期待されても溜息しか出ないぞ・・・」
予想通りで残念だが仕方が無い
雨田先生のタバコが吸えるという事はライターは有る訳だ
「雨田先生!もしかしたらそのライターがライフラインになるかも知れません!」
「・・・オイルライターの予備は仮眠室に大量に有る筈だが・・・」
「良いですね!何が起こるか解らない現状では火は重要です!」
「・・・んじゃちょっと食料探しに行くか・・・山だったら何か有るだろう・・・」
「食べられる物を探すのは雨田先生で!私は枝と薪取って来ますから」
「・・・山はお互い危険を感じたら速攻で此処に戻って来る事・・・」
「そうですね!サバイバルみたいな事をやるの何十年ぶりだろう?」
「・・・自然科学では意外と山とか行くんだよな・・・水も必要だな・・・」
「無理しないで下さいよ?危なかったら大声で!」
「・・・はいよ~・・・」
約2時間後
研究所のすぐ近くだけで薪を集めた私はそれだけでかなり疲れてしまった
山ってこんなにキツいのか
然しまだ雨田先生は帰って来ないな・・・
何か音を出して呼んでみるか
ああ研究所の音楽室からチェロでも持って来よう
薪拾い程度でこんなに疲れる悲しみからエレジーを選曲して弾き出す
30分程度弾いていたら外からガサガサ音がして私はピタリと演奏を止める
「・・・ただいま~・・・」
「お帰りなさい!何か有りましたね?」
「・・・良いニュースと悪いニュース有るんだがどっちを先に聞く・・・?」
「先ず良いニュースからで!」
「・・・飲める水の場所は発見した・・・30分ほど登ったら小さな清流が有ってな」
「それは嬉しい!何処に悪いニュース要素が有るのです?ああ天気ですか?」
「・・・悪いニュースは此処は日本では無いらしいと言う事だ・・・」
「え?どう言う事です?何故日本では無いと?」
「・・・日本どころじゃなく地球では無いらしいが正解だな・・・」
「えっ?」
「・・・図鑑や本では見た事の無い生物が居て・・・太陽が2つ有る・・・」
「意味が全く解りませんが?」
「・・・百聞は一見に如かず・・・」
その言葉で表に再び出ると確かに空に太陽が2つ有った
此処は一体何処なんだ?
嗚呼エレジーなんて弾くんじゃなかった・・・
エレジーとは哀歌と言う意味です