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元社畜さん、異世界で何します?  作者: 木須田ユーマ
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元社畜さん、絡まれる?


 魔晶石が採掘できたところで、そろそろ羊さん達と合流して、お昼を食べようってことになった。

 ……なんだかお仕事の時よりも生き生きしてない?二人とも。

 いやまあ、楽しみにされてるってのは、悪い気はしない……というか、かなり嬉しいけれども。

 あ、羊さん達が見えてきた……って、あれ?

 なんか羊さん達が輪になって何か囲んでるような?


『あっご主人~』

『お帰りご主人~』

「「「「「「め~」」」」」」

「ただいまシロ君、メリーさん、みんな。何かあったの?」

『何かが僕ら目掛けて降ってきた~』

『降ってきたから避けたら動かなくなっちゃった』


 降ってきた?動かなくなった?

 ううん、とりあえず何が降ってきたのか確認しよう。

 羊さん達に道を空けてもらって、その降ってきたものとやらを確認する。

 羊さん達の中心には、赤と黄色のグラデーションが見事な羽を持った鳥人さん?が目を回してぴくぴく痙攣していた。

 ……え、降ってきたの?この人が?空から?

 親方!空から鳥人さんが!

 って、いやいや混乱してる場合じゃない。

 落ち着け私、素数を数え……数えてる場合じゃねえ!


「え、えええええっと何?!どうすればいいの?!とりあえずホ〇ミとか言っとけばいいのか?!」

「落ち着け」

「アッハイ」


 すごく落ち着いた。

 とりあえず空から落ちてきたということなので、フーマに手伝ってもらいつつケガの状態を確認。

 この鳥人さん、結構頑丈だったらしく軽い打撲とたんこぶしか外傷らしき外傷はなかった。

 ……地面、クレーターできてるんですけど。

 どんだけ頑丈なんだこの鳥人さん。

 とりあえず患部に手をかざして……どんな風にイメージを固めればいいんだろうか。

 私、医療知識なんて皆無なんですが。

 えーっと、「痛いの痛いの飛んでいけー」……これじゃないな、うん。

 子供にやるおまじないかっ。

 とりあえず無難(?)に治れ~治れ~とでも念じておこう。


「……んぁ?」


 しばらく治れ治れと念じながら魔力を流し込み続けていると、目を回していた鳥人さんが間抜けな声をあげながら意識を覚醒させた。

 おお、目の色も綺麗な赤色をしていらっしゃる。

 鳥人さんはしばらくぱちぱちと瞬きをした後、がばりと勢いよく起き上がって、何故か私を上から下までまじまじと見つめ始めた。

 え、何?

 何で私初対面の相手にメンチ切られてるの?

 訳が分からず困惑していると、突然ガシッ!と両手をつかまれた。

 そして、


「惚れた!結婚を前提にお付き合いしてください!」

「……………………え?」


 告られた。


 ……告られた?!


「ちょっと待って?どうしてそうなった?!」

「アンタに惚れた!一目惚れした!だから俺とつがいになってくれ!」

「ええええええ……」


 超ドストレートな愛の告白を通り越してプロポーズをしてきた相手にどうお断り申し上げればいいか返答に困る。

 男性経験?生まれてこのかた彼氏すらいませんでしたが、何か?

 出会い頭にいきなりプロポーズされたって困るだけである。

 と、いうか出会って秒でプロポーズって重い。重すぎる。

 え、本当にこれどうやって断ればいいの。


 返答に困りきっていると、勢いよくべりっと引きはがされた。

 引きはがしたのはフーマだった。

 フーマは鳥人さんから私を引きはがした後、かなり険しい顔つきで彼を睨み、一言、叫んだ。


「ユーナはやらん!俺のだ!」

「……あ゛?」


 ……いや、うん。庇ってもらえるのは嬉しいんだけどさフーマ!

 ちょっと言葉が足りない気がするよ?!

 「俺の」の後に「雇い主」が抜けてるよ?!

 それだとフーマが私と男女として付き合ってるみたいなニュアンスになっちゃうよ?!

 っていうか鳥人さんの目が凄い剣呑な光を放ってるんですけど?!

 なんか「殺してでも奪い取る」みたいな目になってるよ?!

 と、とにかく……!


「ごめん!私二十六の行き遅れだから、前途ある若者である君にはふさわしくないと思う!」

「「にじゅうろく?!」」


 えっ。何でフーマまでびっくりしてるの?


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