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元社畜さん、異世界で何します?  作者: 木須田ユーマ
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元社畜さん、採掘する。


 道中で何故か羊さんを大量テイムした後はどうしようかと思ったけれど、当初の予定通り鉱山へ向かった。

 羊さんに乗って。

 羊さんって結構力強いし足速いんだね。

 ブラッシングに一時間弱も時間使ったのに、補って余りある速さで着いちゃったよ。

 あ、ちゃんと体格の大きな子の背中に乗っけてもらったよ。もちろんフーマも。

 グレートグラスシープが丁度二頭いたからね。

 ……はたから見たらめちゃくちゃシュールな光景なんだろうなぁ。

 もしくはメルヘン?

 まあどっちでもいいか。


『ふぃー。着いた着いた。早かったなぁ』

「そうだねぇ。

 あ、シロとメリーは他の羊さん達とここで待っててね。

 あと、もし他の人が来たら道を譲ってあげてね」

『『了解~』』

「「「「「めぇ~」」」」」


 私とフーマを背中に乗せてくれた、グレートグラスシープのシロとメリーにそう指示すると、のんびりとした調子で了承してもらえた。

 町に帰ったらみんなが従魔だって分かりやすいように印になるようなものを買わないとなぁ。

 ……名前に関してはツッコまないでいただきたい。わたあめとかホイップとかじゃないだけマシだと思うの。

 とりあえず、早く採掘を終わらせて町に帰ろう。


「えっと、魔晶石を十個、だったよね?」

「最低十個だったはずだ。多めに採ってきた分は報酬に上乗せする、とも書いてあったと思う」

「ああそっか。じゃあちょっと多めに採掘して帰ろっか?」

「ああ、そうしよう」

『足元が不安定だから気をつけろよな』

「うん。ありがとうジオ」


 石がごろごろ転がっている道を、こけないように気をつけながら進む。

 《鑑定》を発動させながら歩いてるけど、普通の石ばっかりだなぁ……

 ええっと、魔晶石、魔晶石……


『おーいユーナ。こっちに魔素だまりを見つけたぜ。

 多分こっちに密集してるはずだ』

「えっ、本当に?」


 ジオさん優秀過ぎじゃない?

 薬草採取の時もまるで自分の庭にあるものだから見つかって当然、みたいな見つけ方してたし……

 え、何かそういうスキルとか持ってたりするのかな?


『……な、何だよその目……何かキラキラしてんぞ』

「ジオっていろんなものを見つけるの得意だよなぁって。尊敬するわー」

『あー……俺達スライムには目っていう器官がないからな。

 《探知》と《鑑定》の合わせ技でちょちょいとだな』


 あ、なるほど。

 それじゃあ広範囲を《探知》で探って、《鑑定》で何がどこにあるか頭に入れてんのね。

 ……ん?そしたら魔物とか魔獣とかがいるところを避けたりもしてるのかな?

 なんだかんだでここでも魔物も魔獣も見てないし……羊さん達以外。

 だとしたらありがたいような、経験が積めないからそうでもないような……ぐぬぬ、ちょっと複雑だ。

 でもいいなぁ《探知》。便利そうだ。ちょっとだけ羨ましい。


「私も目を潰せば《探知》スキル生えるかな?」

「『それはお願いだから止めてくれ』」

「あはは、軽い冗談だよ、冗談」

「『決して軽くはないし、ユーナの冗談は冗談に聞こえない』」


 真顔かつ食い気味に止められた。

 どうやら本当にやりかねないと思ったらしい。

 ……本当だよ?本当に七割は冗談だったんだよ?

 え?三割でも本気が混じってたらダメだって?ああ、うん。ごめん。


 その後はジオの案内で魔晶石が密集しているところをカンカンとピッケルで採掘して、魔晶石を十五個確保した。

 ……うん、もちろんピッケルで採掘したのはフーマです。

 私は添えるだけ。

 私も一応挑戦しようとしたんだけど、持ち上がりませんでした。

 やっぱりデスクワークが主体だった元社畜には肉体労働は無理だったんや……

 ……と、とりあえず《アイテムボックス》で無限に荷物を仕舞えるから、荷物持ちとしては役に立ててるはずっ。

 ……、……。……すんごい地味だけどね。


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