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第5話 奴隷少女の事情

 美少女奴隷が仲間に加わるよ! やったね!


 ......冗談はさておき、どうすればいいだろう?


 話を聞くと、この子が奴隷という立場になってしまったのはつい先日、両親とマリナの町に旅行に来ていた所を誘拐されたからだそうだ。

 そして、あれよあれよという間に奴隷として売却されてしまい、隙をみてどうにか脱走したが追っ手に捕まってしまったらしい。


 そんな所へ偶然通りかかり、この子を助けたのが俺達だ。

 俺は見てるだけだったが......


 この子は自分を両親の所まで送ってほしいと言ってきた。こんなに可愛い女の子の頼みは聞いてあげたいけど......正直、ついさっき詐欺に会いそうになってた俺なんかが力になれる気がしない。


 それに、俺にも王都へ行かなきゃならない理由がある。もしこの子の両親を探して就職試験に遅れたら、今までの苦労が全部無駄になる。

 俺が勉強に集中できるよう、支えてくれていた父さんや母さんに申し訳がたたない。


 ここは赤髪の彼女1人に任せよう。

 彼女ならきっとこの子を両親の元まで届けられるだろう。

 なんとなくだけど、彼女からはそんな安心感を感じる。


「任せて! 私達が絶対パパとママの所に連れてったげるわ!」


 俺の心情はいざ知らず、彼女がそんな事を口走った。

 だがこれは想定の内だ。彼女のこれまでの言動の傾向から、彼女がどんな人物なのかは大体分かった。


 彼女は正義感の塊のような人物だ。

 詐欺に会いそうになっていた見ず知らずの俺を助けてくれたり、泊まる所がなくて困っていた俺に自分の部屋を提供してくれた。


 こんな事は普通ならできないだろう。

 彼女は非常に強い正義感をもっている。


 そんな彼女に言われたのなら、このまま黙って手を貸して挙げたいが、物事には優先順位というものがある。


 俺は父さんと母さんの為にも、良い仕事につかなきゃならない。


「すいません。僕は明日にはこの町を出るので手伝えません」


 人拐いにあって奴隷になったこの子には悪いけど、俺は自分の事を優先したい。


「......ねえ、町を出るのはどれぐらい遅くできる?」


 おっと? これは想定外の返しだ。


「えっと......遅くてもお昼頃には町を出ないと......」


「......分かったわ。なら、お昼までにこの子のパパとママを見つけてみせる。だから、君もその時間までは手伝って。それならどう?」


「それならまあ......」


 お昼までなら手伝わない理由も無い。

 それによく考えると、彼女に嫌われたらまた寝る所が無くなり路頭に迷う所だった。

 彼女はそんな事しないとは思うが、俺は彼女の慈悲で助けてもらってる事を改めて理解しないとな。


「よし! 決まりね!」


 手伝うからには全力でやろう。

 助けてくれたお礼って訳じゃないけど、それが礼儀ってもんだ。


「人探しなら知り合いにプロがいるの。明日にならないと会えないけど、彼女なら1時間もあれば見つけてくれるはずよ」


 1時間!? そんなに早く見つけられるって何者だよ......俺の葛藤はなんだったんだよ......


「だからまずはご飯にしましょ。この子もここ最近、まともに食事できてないみたいだし。君もそれでいい?」


「はい。それでいいですよ」


「あなたもそれでいい?」


「......はい」


 いろいろあって3人に増えたが、まずは夕食だ。


 俺達3人は、ひとまず食べ物屋に向かった。

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