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最初のお仕事 2

「ふぅー」


息を吐く


「また、ここへ帰ってくることになるとはな…これも神のお導きか…罪深き所業だ」



「あの子はどうしたんじゃ?」


「ちょっと頭の逝っちゃってる子でして許してあげてください」


「かわいそうに…」


「全部聞こえてまーす」




ここは日本の薪宿(しんじゅく)という都市で平日の昼頃にあたる


ここで疑問を感じる人もいるかもしれない


そう、なぜ俺たち、死した人がここにいても大丈夫なのか?ということだ


その疑問に対する答えはyesだ


なぜなら生ある人間ならば俺たちのことを風景の一部としか認識出来ないからである


では、何を起こしても大丈夫なのか?という疑問も起きるだろう


それはnoだ


幽霊というものは知っているだろう。あれは何かしらの理由で成仏されずに下界で漂う死した魂が何かしらのアクションを起こすことで人に認識されることによって発生する。つまり幽霊というものは普段は認識されないだけで風景の一部として存在しており、それに意識が集中されることによって初めて存在を認知できるという訳で


俺たち天使も人の意識に干渉するようなことをすれば当然認識されるというわけだ

…まあ全部フレイの請け負いなのだが




「とりあえずどこか行きたいところでもあるっすか?」



「先輩、そんな言い方は無いですよ。俺たちは孫の設定なんですから、もっとナチュラルに」



「いや、私の専門は天罰を与えるとかだからさ、どうすればいいかわからないんだよな」



…なにそれこわっ!



「では、まずはその威圧的な喋り方は止めましょう、あと口調も、それから態度も」



「つってもなー、見本がないとわからないんだよな」



「しょうがないですね、では教えて差し上げましょう」



「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」



「はっ?本当にそれが正しい孫の喋り方なのか?」


にわかには信じられないと言った具合だ


「どうしたんだい?何か買って欲しいものでもあるのかい?おばあちゃんがなんでも買ってあげるよ」



「先輩、今です!」


アリスは疑いながらもおばあちゃんの足元まで行き、そこで膝をついて上目遣いで



「お、おばあちゃん、今日はあたしがおばあちゃんのお世話をするニャン」



「プッ」



俺が教えた通りに言う先輩が可笑しくて吹いてしまった

…つかニャンとか、意外とかわいんですけど


「なに笑ってんだこの野郎!!」



「いや、嘘を信じちゃう先輩が可愛くて」



「か、かわいいだって…そんな私なんかが」


おっと、意外と効いたようで、殴られるのを覚悟していたが大丈夫そうだ



「とりあえず、おばあちゃん今日は楽しんでください」




そしてーーー


「そうじゃん、今日ステップの発売日じゃん…お金は…」


お金は天界でのポイントがそのまま下界でもお金になる。つまり今の俺は



「一文無しや!」



俺は先輩を見つめて



「お金を貸してください!!」



「嫌だ」



即答だった



「先輩のケチ、アホ、貧乳」



バチンっ



「調子に乗るなよ?」



「す、すみません」



「これが欲しいのかい?おばあちゃんが買ってあげますね」



「お、おばあちゃん!?さすがに悪いよ」



「いいの、いいの、可愛い孫の為だもの」


そういって買ってくれた

僕にはおばあちゃんが仏のように見えた


それから女の子に服を選んであげたい、という事でアリスにフリフリのワンピースを買って上げたり


恥ずかしそうに試着する姿は聖女のようだった(後日談)


お寺をまわったりしているうちに日が落ちてきた


…つまりおばあちゃんの残り時間が少ないということだ


最後に自分の住んでた家へ行きたいと言うのでバスに乗って静かな田舎へと行った


「…最後にこの景色が見れてよかった」


赤く染まる田んぼ、そして一件の家


そして…


「お、お母さん?」


人は感情が高まると魂を見ることができる

多分おばあちゃんの息子さんだろうか?


これが愛という感情なのだろう


二人はつかの間の再開を果たした


二人とも泣いていた


…この光景を見て俺は天使を初めて良かったと思えた

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