あなたは誰かを心から愛したことがありますか?
あなたは、誰かを心から愛したことがありますか?
これから話す物語は、愛するがゆえに別れ、愛するがゆえにその愛がゆるぎないことを長い年月をかけて自覚したときにまた、
多くの犠牲を払い、引き寄せられるように時間と場所をを超えて運命の糸を手繰り寄せて本当の愛を手にした男女の話です。
1999年 東京−日本
忘れもしない1999年。もうすぐミレニアムになろうかというとき、リカコは、27歳だった。
27歳。。。それは、結婚に本気になるというよりかあせり始める時期だった。リカコも例外なく、あせり始めていた。
外資系企業のOLでブイブイいわせてBFも大勢いる。でも、本気で愛し合える相手はいない。面白おかしく毎日をBFを
とっかえひっかえ飲みに歩いている毎日を送っていた。
会社でも評判の美人だった彼女は、うわさもすごく、あいつにひっかかると身包みはがされるほどみつがされるぞ!だの、
BFをとっかえひっかえしてるから、すぐにHができるぞ!と言われたり、はたまた、どこぞの会社の社長の愛人だと言われたりと
彼女を取り巻くうわさは日々エスカレートするばかり。到底、まともな結婚相手を社内で見つけられるわけもなく、取引先の部長からは、
銀座でNo1ホステスになれるとまで言われる始末。
派手好きは、大阪出身のリカコには、当たり前の普通だったのだが。。。。
あまりにもうわさが先行するので、そろそろ本腰入れて仕事をしようかと思っていた矢先、
リカコを気に入ってる上司の田中部長から3ヵ月後にイギリス本社のロンドンへ2週間の出張を命じられたのだった。
初の海外での仕事に力が入るリカコだったが、実は、英語は日常会話もしゃべれないほどのド下手!
頭をかかえるリカコに同僚の木村浩平が、
「リカコ、ネットでロンドンの友達を募集しなよ。2週間も一人じゃ退屈だろうし、英語のやりとりの練習にもなるしさ。」
と提案した。
リカコは、
「そうだねー。ネットで公募してみるか!それと、やっぱ、語学学校に通うわ。」
と返した。
浩平は、リカコの大学時代からの友人で、親友でもあったので、リカコのことを良く知っていた。
「おまえなら、すぐ友達できるぜ。案外、運命の出会いがあったりしてな。」
と、浩平は、冷やかし半分に言った。
「そうだね。それも面白いかも!?」
と、リカコは、適当に流した。この浩平の一言が後になって、本当になるなんて、誰が知っていたのだろう?
もし、知っていたとしたら、神のみぞ知ることだったろうし、もし、この世の中に
神が存在するならば、神がこれから出会う二人をすでに生まれる前から、長い紐でつなげて、
わざと全然違う場所に生まれるようにしたとしか説明がつかない。
この時は、リカコは、単純に浩平のいうとおり、試してみようという程度で考えていたのだった。