2-15. 高嶺の花と、鉄壁の男
(*瑠飛目線)
「上野、お昼に立川先輩に呼び出されてたぞ」
「まじか、いよいよ告白か!」
「何回か一緒に帰ってるところ見たし、ついに付き合うのかもな〜」
「上野、これで何回目だよ、告白されんの」
男子たちの話を聞きながら、
俺はちょっとクスッと笑った。
正直、俺は大丈夫なんじゃないか?と思っていた。
未依沙が誰を想ってるか、なんとなくだけど、
俺の直感は合っている気がする。
あわてる必要はないよな…
男子の話を聞きながら、俺はかげに話しかけた。
「未依沙ってほんとモテるよな〜」
「確かにね。てか、瑠飛はさ、未依沙のこと好きになったりしないの?」
俺は飲み物をこぼしそうになって
ゲホゲホ苦しくなった。
「急にぶっ込んでくるからビックリしたわ。」
なんとか声を絞り出す俺を見て、
かげは何か焦ることがあったのかな?
と不思議そうな顔をしている。
「まさか、図星ってことか?」
かげが少し驚いた表情で聞いてくる。
「いやいや…何というか…俺の場合、好きになる前に振られたって感じ?」
「ん?どういうこと?瑠飛は未依沙を好きになりそうだったってこと?」
「いや、好きかどうかもわかんないんだけど…まあ、俺もよくわからん!かげは?未依沙のこと、お前も昔から知ってるじゃん。好きになんないの?」
「俺の場合、好きになっていい人じゃない感じ。高嶺の花みたいな。」
「は?なんだよ、それ。」
「未依沙って、美人だし、優しいし、何事も一生懸命だろ。釣り合うのはすごい人だと思うんだよね。瑠飛とはお似合いだと思ったのに…」
かげのやつ、そんなこと考えてたのかよ!
「いやいや、俺はないでしょ。俺は、あくまでも幼馴染ポジションにしか見られてないし、俺も進んでそのポジションにいる感じ。」
「言ってる意味がよくわからんな。瑠飛が本気出せば行けると思うけどな。」
いや、意味わかんなくて当然。
わからないように言ってんだから。
俺は気づいちまったんだ。
未依沙の見つめる相手を。
俺に対して本気出せばいけるって…
コイツ、何言ってるんだろって
ちょっとあきれて苦笑いになる。
すると、クラスの男子の会話が
まだ続いていることに気づいた。
「でもさ、上野ってよく告白されてるけど、毎回誰とも付き合わないよな。」
「立川先輩といい感じだったし初彼になるのかもよ」
「噂で聞いたけど、上野、好きな人いるらしいぞ。」
「は?誰それ!上野が好きになる人って、かなりじゃね?」
「だよな〜。好きな人がいるからみたいな感じでいつも振るらしいぞ。マジで鉄壁だよな!」
「でも、上野の好きな人って聞かんよな。誰だよ〜」
「その好きな人って立川先輩じゃねえの?」
話の内容がもろ聞こえだった。
男子なんて、こんな話しばっかりだ。
一人を除いて。
かげはこの手の話をふれば応えるけど、
自分からは全然そんな話をしないよな。
鉄壁の女が好きな男は、もっと鉄壁かよ!
男子たちは騒いでるけど、俺の心は冷静。
鉄壁の女には鉄壁の男がお似合いか、
なんて思いながら、少し笑ってしまった。




