表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一番近くて、一番遠いーネット越しの恋を、君とー  作者: りなる あい
第二章:高嶺の花のつぼみ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/27

2-12. 放課後に待っていたもの

(✳︎未依沙視点)


部活が終わり玄関へ向かう。

手紙だったから断ることができなかったし…

こうするしかなかったと自分に言い聞かせた。

でも、心の中にずっと何かが引っかかっている。


玄関には首にマフラーを巻いて

手を温めながら待つ立川先輩の姿があった。


「立川先輩!待たせてしまってすみません」


「上野!部活おつかれ」


わたしは初めて先輩の顔を

ちゃんと見ることができた気がした。


1回目はあまりにも突然で…

2回目も目の前にいることにびっくりだったから…


優しく微笑む先輩の顔を見て、

なぜか少し安心した。


「先輩も部活、お楽しみ様です」


「さぁ、帰ろうか。上野の家まで送るよ。家の方向どっち?」


学校を出ていく先輩に続いて玄関を出た。

まだ部活が終わったばかりだから、

生徒が何人かいた。

一緒に帰ってるところを見られたら、

付き合ってるって誤解されるんじゃ…

戸惑いながらも、わたしは

ついていくことに必死だった。


「先輩はどこの小学校出身ですか?」


「俺は徳の台小だよ。上野は…こっちってことは南部小か。」


「はい、そうです。でも、先輩、徳の台小学校ってことは、反対方向ですよね…わたしの家まで送るの大変じゃないですか…?」


わたしは申し訳ない気持ちになって伝えた。

先輩は反対方向と聞いて一瞬ピッと止まっていた。


少し考えてから


「ちなみに、上野の家って歩いてどのくらい?」


「歩いて10分くらいです」


「そっか。片道10分くらいなら、走って帰ればトレーニングになるから問題ないよ」


ちょっとクールで、でも思っていることは

サラッと言えちゃう性格なのだと

少しの会話から思った。

そっちゃんが学年一カッコいいって

言ってた理由がちょっとわかる気がする。


「ありがとうございます。じゃあ、今日はお家まで送ってもらえますか?」


「うん、俺がそうしたいから。」


わたしの方を向いたけど、すぐに

視線は前に戻ってしまった。


いつもと変わらない帰り道。

一人でも、瑠飛やかげちゃんとも

何度も帰っている。


でも、今日はなんだか、

体がフワフワしてるみたいで

足が地面についていない感覚がする。


わたし、緊張してるのかな…


いつもと違う感覚を感じていたら

先輩の視線を感じて、顔を向けた。


「俺、2年だし、部活も外と中で、上野と全然会う機会がないからさ…

また一緒に帰ってくれる?」


そんなこと言われたら…

断ることができない…

何か言わないといけないのに…


頭の中がぐるぐるして、

言葉に詰まってしまう。


「ごめんな。俺のわがままばっかで。でも、上野を困らせたいわけじゃないんだ。もしまた一緒に帰ってくれたら嬉しいなって」


先輩の思いが伝わって来て、

わたしはドキドキしてしまった。


「いえ、あの…嫌とかではないんですけど、冬の寒い中、部活で疲れているのに反対方向に送ってもらうのが申し訳なくて…」


「上野は優しいんだな。」


「そうですか…?」


本当のことを言ったのに、

優しいと受け取られてしまった。

優しいのは先輩の方だよ…


「じゃあ、月に2回はどう?そのくらいだったら大丈夫?」


「あ…えっと…はい、大丈夫です。」


「やった!上野、ありがとう!」


断れなかった。

特に断る理由がないし、

大丈夫って言っちゃった…

わたし、どうしよう。

これでいいのかな?


ニコっと笑顔を向けられ、

わたしは恥ずかしくなった。

わたしと帰ることに、

こんなに喜んでくれるなんて…


不思議な気持ちだった。

この初めての気持ちはなんなんだろう…?


人を好きになるのとは違う…

誠実に思ってもらうことが

なんだかくすぐったいのかも…


これまで、告白されることはあったけれど、

いつも唐突に告白されることばかりだった。


でも、立川先輩は、

まるで関係性を育むところから

大切にしてくれてる気がして…


悪い気はしないって思ってしまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ