2-10. 波乱の日の始まり
(*未依沙視点)
次の日、3時間目が終わり、
わたしは机の上で突っ伏していた。
お腹すいたな〜。
特に眠いわけじゃないけど、
なんとなく机で休んでいた。
すると急に教室がざわついた。
「上野っ!」
名前を呼ばれ、パッと顔を上げると、
2年の立川先輩が目の前にいた。
「え?立川先輩?」
想像以上の展開に驚いていると、
先輩はさっとメモ用紙を渡し、
「またな」と言って教室から出て行った。
わたしはすぐにメモ用紙を見た。
するとそこには
—
今日、一緒に帰れる?
部活終わり、玄関で待ってる
—
男子らしい文字が並んでいた。
読んだ瞬間、わたしは自分の顔が
赤くなっていくのを感じた。
それと同時に、クラスの視線を感じて
胸がキリキリした。
先輩が1年のクラスに入って来たから、
それだけで注目を集めている。
ここで顔が赤くなるのは恥ずかしい…
「うえのっち、トイレ行こう〜」
さっきーがさっとわたしの腕を掴み、
席を立たせてトイレへと向かう。
そっちゃんもさっと横に並んだ。
はぁ、助かった。
わたしは髪の毛で顔を隠そうと、
少し俯いて歩いた。
トイレに着くと2人とも一気に口を開いた。
「ちょっと!先輩からの手紙になんて書いてあったの?」
「先輩、うえのっちのこと絶対狙ってるじゃん!」
2人とも興味津々な目を向けてくる。
「今日、一緒に帰れる?玄関で待ってるって書いてあった」
「えー!一緒に帰るの!それ、もう付き合ってるみたいじゃん。」
「帰ってる時に告白されるかもよ!」
一緒に帰るだけだと思ってたのに、
2人の言葉を聞いてどんどん焦り始めた。
「どうしよう!メモを渡されたから、返事もできないし…2年生のクラスに返事を届けにいく勇気もないよ…」
「いや、もうこれは今日帰るしかないよ」
そっちゃんはうんうん頷きながら、
わたしの肩に手を置いた。
そっちゃん、他人事だと思って
完全に楽しんでるじゃん。
頭の中で必死に返事をする方法がないか考えてみるけれど、
一緒に帰る以外のいい方法が思いつかない…
「今日一緒に帰った時に、先輩に色々聞いてみたら?何を考えてるのかとかさ」
さっきーが冷静な助言をくれた。
「うぅ…緊張して、ちゃんと話せるかな…」
部活後のことを考えると心臓がバクバクしてきた。
こんなこと初めてだから…




