1-1. 河川敷のファースト・パス(小学3年生)
こんにちは!りなるあいです。
3作品目を春分の日の今日から連載スタートします!
これまでの2作品はファンタジーでしたが、
今回は現実世界を舞台にした青春恋愛です。
「一番近くて、一番遠い」
そんな距離にいる幼馴染の、じれったくて甘い恋を描いていきます。
毎朝6時に更新予定ですので、
一緒にこの恋の行方を見守っていただけたら嬉しいです!
(*景虎視点)
「おーい、未依沙!」
瑠飛がいきなり大声を出した。
そう……
僕が初めて未依沙に会ったのは、
瑠飛と河川敷でバレーの練習をしてる時だった。
瑠飛(マルセル瑠飛)から
幼馴染の話は聞いていたけれど、
こんなに可愛い子だと思わなかった。
自転車にのっていた女の子が急ブレーキをかけて、
土手の上から僕たちを見下ろしている。
「瑠飛ー!」
手を振りながら呼ぶと、
さっと道のわきに自転車を止めて、
僕たちの方へかけよってきた。
とても人懐っこい子だと思った。
僕にも優しい顔を向けてくる。
「瑠飛、バレーの練習してたんだね!
えっと、景虎くんだよね? 瑠飛からいつも聞いてる」
「未依沙は俺の斜め前の家に住んでて、俺らと同い年なんだぜ。
幼馴染ってやつだな」
「そうなんだね。僕は後田景虎。みんなから『かげ』って呼ばれてる」
「景虎くんね。わたしは上野未依沙。
これからちょこちょこ会うかもね。よろしく」
まっすぐに見つめる瞳がまぶしく感じて、
僕は目を細めた。
「それにしても、二人ともほんと、バレー好きだよね。
いつもここで練習してるの?」
笑顔で話し続ける上野の言葉で、
僕は手に持ったボールをぎゅっと握った。
バレーが好きと言われて、少し照れ臭くなったから。
そのあとも、ちょこちょこ瑠飛を通じて上野と会うけど、
お互いに特になんとも思っていない。
「上野ー! 瑠飛が呼んでる」
「景虎くん、ありがとう! 瑠飛ったら、
自分で呼びに来たらいいのにね」
「本当だよね」
僕は苦笑いをした。
すれ違うとき、ニコっと僕に微笑んだ。
瑠飛の方へ向かう背中を見つめる。
上野と瑠飛は、まさに美男美女って感じだよな。
お似合いの二人だな、と。
ふと子どもながらに思った。
さあ、僕はバレーをするか。
その出会いから僕の人生が変わっていくなんて、
その時は何も知らなかった。
本日は6話連続で投稿します!




