1件目の発症者 : 那須場 遊
1人目の記憶の欠落者、那須場遊のカルテ。
落合導が偶然見つけたものであるが、誰がどんな目的でそこに置いたのかは分からない。
記入者名クラリス・ノア・リポジット。
導を最初に見つけた彼女が関係しているはずだ。
太陽暦 2950 C.E 9月20日
10時35分。病院入口にて発生。発生当時、酷く衰弱状態にあり、歩行もままならない状態であったことから、当病院、現院長である天救が確保、治療にあたる。
太陽暦 2950 C.E 9月23日
13時05分。確保から74時間30分、昏睡状態にあった那須場の意識回復。身体機能内臓機能共に問題なし。だが記憶の欠落が確認された。記憶の欠落以外の後遺症は見られず。衰弱状態であったためか体力面の衰えを確認。以後経過観察とリハビリに移る。
太陽暦 2950 C.E 9月24日
15時24分。昼食後のリハビリにて那須場が転倒したとの報告有。出血等の外傷ははなし。意識の混濁の発生を確認。自身の存在理由を自問自答し始め、担当看護師の話も聞こえていない様子であった。
追記 : 天救
一度、隔離施設への移送を決定。意識の混濁が落ち着き次第、通常の入院措置をとることとする。
太陽暦 2950 C.E 9月24日
16時17分。変化なし。
17時30分。あぐらの状態から、体育座りに変化。より塞ぎ込んだ様子を見せる。
18時29分。頭髪の変化を確認。#4C2E30から一部頭髪に#FFFEFEへの変化が確認された。自己認識の進行によるストレスによるものだと推測。
19時42分。頭髪の進行の増加を確認。
20時05分。こちらに問いかけがあった。「俺は那須場遊。別人格とは統合した。精神はもう安定している。戻してくれ。」と発言。資料より、戦場の那須場との整合性確認のための質疑応答を食事後に行う。
22時45分。那須場への質疑応答の結果、那須場本人と断定。一部、言動等に変化が見られたが、人格統合による影響と見える。それら言動は那須場本人にとっても特別大きな変化ではないため問題なく活動可能との事。二日ほど経過観察をし、良好であれば復帰処理に移る。
以上、天翔所属、那須場遊担当看護師、クラリス・ノア・リポジット
読了後の感想は特になかった。
ただ嫌そうな顔はしていたという。




