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異世界転生を果たした、おば、コホン、お姉さまは、お嬢様生活のために悪役回避、頑張ります!  作者: 渡 幸美
第三章 建国祭と学園と

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34.まず、食べ歩き!

「わあ、っ……!!」


華やかに飾れた王都は、想像よりも綺麗でとても華やかだった。どこのお家の前にもたくさんの花が飾られ、街灯と街灯の間がリボンで繋がれている。ちょっとイメージは違うかもだけれど、前世の夏祭りみたいな雰囲気だ。提灯(ちょうちん)が花になったような。


「街中がお花畑みたいですね!とってもキレイ!」

「そうだね」

「ふふっ、そうね」


フィスもマリーアもみんなも、楽しそうにしている。

やはり最初はみんなでどこから廻ろうかという話になり、やっぱり食べ歩きだよね!!となった。うんうん、美味しいは正義。フィスもさっき話していた通り、思った以上に町慣れしているらしく、鳥の串焼きなんかも普通にかぶり付いていた。柔らかくてハーブ香りと塩味が染みていて、じゅわっと美味しい。


「フィスも慣れてるのね……!」

「そうだよ、実はお忍び好きなんだ。リリーこそ意外と慣れてるね?」


それは前世の経験がありますから!ひとまずオホホと流し、側近候補二人を見ると、ちょっとやれやれ感が出ていた。


「お忍びな……」

「僕たちがちょっと大変なだけだよね」

「お前たちも楽しんでいるだろ!」


なんて言い合いができて、本当にいい主従なんだなと思う。


そしてみんなで次々とお店をはしごして贅沢な時間を過ごす。


だって、些細なことかもしれないけれど、お祭りって思った以上にお金を使っちゃうよね?雰囲気もあるからついつい買いたくなるし、地味に高いしさ!それを上限を気にせず使えるありがたさ……幸せ過ぎる。高級店のここからここまでじゃなくても、充分かも。……庶民的過ぎる?でも、予算は三千円までよ!とか決めずにいられる幸せ!


「リリー、楽しいかい?」

「フィス。うん!とっても!誘ってくれてありがとう」

「そうか。良かった」

「うっ」


心の底から嬉しい顔をされると、こちらまで照れてしまう。美少年の笑顔は反則よ~。


『リリー!次はあれにしよう!キラキラしていて、楽しそうだ』


飴細工に瞳を輝かせて、ルシーも浮かれている。四大精霊の浮かれる様も、なかなかレアよね。そして眩しい。


そして、今は飴細工だ。職人さんて、繊細な技持ちよね、凄い。棒の先に色とりどりの花たちや動物たちがいる。食べるのがもったいないやつ!

そしてその隣のスペースには、人形(ひとがた)の飴が見える。


「あれ?これってもしかして精霊さん?」

「おっ、お嬢ちゃん、よくぞ気づいた!今話題の四大精霊さまと妖精たちだ」


それぞれのイメージカラーで、綺麗な人形のように作ってある。もちろん?シルフは緑で、葉っぱの冠を被っていた。ルシーはそれをひとつ手に取り、『ほう、悪くない……』と、満更でもなさそうだ。良かった。


「こっちは?ただの?人のような……」


殿下が精霊の隣にいる、また違った人形(ひとがた)を指して店主に聞く。確かに隣にも人形(ひとがた)。なんだろ?


「坊っちゃんもお目が高い!噂の勇者様ご一行のイメージだ!」

「イメージ」

「おうよ!王家からの発表がギリギリだったからなあ!他の店はびんじょ……いや、ご一行にあやかる商品が間に合わなかったようだが、飴は俺の腕ひとつだからな!ひとつどうだい?縁起物だし、流行りを先取りだ!」


おじさん!便乗って、思いっきり言いそうだったけど!いつでもどこでも異世界でも、商売人の商魂はたくましいのね。私は嫌いじゃないわ~!


「おじさん。この祝福の少女はもっとかわいいわよ?」


マリーアが、斜め上からのクレームをつけている。


「おや、そうかい?おじさんの力作なんだがな!……ん?そっちのお嬢ちゃんはその子を知って……?」

「おじさん!わたし、四大精霊全部ください!」

「おっ、ありがとよ!嬢ちゃん」


店主のもっともな疑問を、しれっと切る。マリーアはもっと言いたそうにしていたが、空気を読んでくれたらしく黙って、その祝福の少女と、聖女の飴を買っていた。

「しばらく部屋に飾っておくわ!」と、いうことらしい。もったいないから、ちゃんと食べられるうちに食べていただきたい。


「じ、じゃあ、おれは、その……そのシリーズを全部くれ」

「おっ、坊っちゃん、毎度!」


フィスは大人買いだ。子どものくせに。さすが王子だな。いや、飴だけども。そしてフィスまでもいつくらいまで飾れるのか、店主に確認している。


『ふむ。しばらく飾るか……。それもいいな。どれ、わたしも……』

『はあ?お主、そんなものを飾る気かえ?』


ルシーがうきうきで購入しようとした横から、水を差すような声が入る。

もちろん、私たちではなくて、初めて聞く声だ。

初対面だよね?失礼じゃない?と思って、その声の主を見ると、ルシーと同じようにキラキラした少年?少女?が佇んでいた。その隣には、赤い髪のキリッとした男の子。


『お主は……』

「あれ、君は……」


ルシーとフィスが、同時に呟いた。


あれ、二人は知り合いっぽいのかな?

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