表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生を果たした、おば、コホン、お姉さまは、お嬢様生活のために悪役回避、頑張ります!  作者: 渡 幸美
第二章 夢と魔法の国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/78

21.ビッグなサプライズ

「では、お休みなさいませ、お嬢様」

「うん、お休み~。今日もありがとう」


怒涛の1日が終わり、就寝時間でございます~。前を思い出すと、使用人にもお礼を伝えずにはいられない。最初は驚いていたスザンヌも、今では嬉しそうに「はい」と笑んでから下がってくれる。


「あ~、つっかれたあ!」


ばふんとベッドにダイブする。今日も驚きの1日だったなあ。まさか殿下から婚約話を持ち込まれるとは。ふと横を見ると、殿下に貰った花たちが視界に入る。シンプルな花瓶に挿されたそれは、本当に綺麗だ。


「スザンヌが綺麗に飾ってくれたな。あれ?やっぱりキラキラしているよね?月明かりに反射してる?……まさか、妖精さんがいたりして?!なーんて、簡単には会えないか。でも、一度でいいから会ってみたいなあ」


花を見ながら一人言る。ファンタジー好きなら、妖精さんや精霊さんに会うのって夢じゃない?魔法だけでもかなりウキウキだけ……


『ふふっ、会ってみたい?会ってみたい?』


ど?!今のって?


「えっ?!誰かいるの?空耳?!」


ゴロゴロしていた私はがばっと起き上がり、周りを見渡す。


『空耳じゃないわよ、聞こえるのね!素敵!可愛いリリー。あの子のあの子の想い人。クスクス。イタズラ好きでやんちゃなあの子のあんな顔、初めて見たの。楽しいわ。こっち、こっちよ。よく見てよく見て』


「こっち……」


やっぱり、殿下がくれた花からだ。キラキラキラキラが増している。それがひとつに集まって、小さな人形(ひとがた)になっていく。


「まさか……お花の妖精さん?!」

『あったり~!ふふっ、うれしいな。お話できる子久しぶりなの!あの子がいっしょうけんめいお花を選んで、にこにこで、楽しそうだから付いてきたの!』


うわ~!イメージ通りの妖精さんだ!小さな体に優美な羽で、キラキラキラキラ、私の周りを飛んでいる。

そして殿下、そんなに一生懸命選んでくれたんだ。ちょっとくすぐったい。


「う、嬉しい…!可愛い…!」

『ふふっ、ありがとう、リリーもリリーも可愛いわ』


私が両手の平を差し出すと、妖精さんはちょこんと乗ってくれた。と、尊い……!


「はわわわわ……は、初めまして。あなたのことは何て呼べばいいのかしら?」

『わたしはわたしは花の妖精。あの子もあの子も花の妖精。まだね、まだまだ名前はないの』

「そうなの?……まだ?」

『そうそう、まだなの。リリー、リリーがつけてくれる?』

「いいの?うーん、あ!私の誕生花がアマリリスだから、お揃いで、リリスなんてどう?」

『リリス!リリス、かわいいかわいい。わたしはリリス!』


花の妖精さん……リリスは喜んでくれたらしい。また私の周りをくるくる回り出す。キラキラと魔法の鱗粉を振り撒きながら。そして私の頭上に立って更に強く輝いた。


『リリーにわたしの祝福をあげる。会いたかったら名前を呼んで。お菓子もあったらうれしいな』

「あ、ありがとう!リリスもいつでも遊びに来てね!お菓子もちゃんと用意しておくね!」

『わあい、楽しみ、楽しみ!じゃあまたね~!』

「もう?!あっ、お城!お城に帰るの?」

『そうよ~!あのお庭はたくさん仲間がいるの。またリリーも来てね!』

「ちょ、待っ」


て、と私が言い切る前に、リリスはキラキラ飛んで行った。早い。この自由さが妖精さんと言えば妖精さんなんだろうけれど。


「まだ聞きたいこととかあったのに……」


もらった祝福のこととか、お庭の仲間のこととか、精霊王って本当にいるのかとかどんな人(?)なのかとか。たくさん。


「でも会えただけですごいよね……ふわぁ、さすがに疲れた、寝よう……」


ゴソゴソとベッドに潜り込む。いつもふわふわで心地いい。メイドのみんな、ありがとう。いつまでも雇えるように、私も頑張るね。


ランプに手をかざして、明かりを消す。


小さなことだけど、魔法を使える楽しさに顔が緩む。


魔法と言えば、殿下もなかなか凄いよね。あの後いろいろお話しして、殿下の覚えの早さを側近二人がベタ褒めしてたもんね。そのコツは聞いてみてもいいのかも。


そうだ、殿下は妖精さんに会ったことはあるのかしら?王宮庭園にいっぱいいるなら、あるのかな……?殿下をあの子って、リリスの方がお姉さんなのね……そりゃそうか…………。


疲れたし、驚いたし、最後の最後にもビッグサプライズがあったけれど、なんだかんだ、楽しい1日だった……かも…………ぐぅ。


お休みなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ