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プロローグ 魔剣士は平和を望む

「食らいやがれっ!!」


俺は全身全霊の力を込めて魔剣アブソリューダーを振り下ろす


「グギャァァァァァッ!!!!」


空間をも裂くといわれる魔剣の一撃が骸王を切り裂く


「バ、バカな······この骸の王たるこのワシが人間ご」

「うるせぇぇぇ!!」


カタカタと喋るその顎を思いっきり蹴り上げてやると、骸王の頭はスコーンと空中へと舞い上がる。そこへすかさず


「テラ·ブラスト!!」


最上級の爆発魔法を唱えた。ドカーンという激しい音と共に骸王の頭部は木っ端微塵に砕け散る。身体の方も頭部の崩壊と共に崩れ去りやがて灰となった。


「はぁっ······はぁっ······」


流石に疲れる。骸王だけならまだしも、その前に山のような骸骨集団を蹴散らしてきたのだ。今日だけで実に4回ものテラ·ブラストを使ってしまった。最上級の魔法だけあって威力は申し分ないが移管せん燃費が悪い。


「おめでとう、魔剣士オーヴィアス。これで世界に平和が戻ります」


息を整えていると、背後から聞きあきた女性の声と見なくてもわかるくらいの眩しい光が辺りを照らす。もう呆れるくらい見てきた演出だ。


「おい、これで指定された100体目だ。約束は守ってもらうぞ、女神アルテミア」

「100体目?骸王は99体目ではないですか?」

「うるせぇ!! もう騙されねぇからな!!」

「そう、それは残念」


この駄女神、100体の"闇の王位"を倒せたら願いを叶えてくれるっていうから苦労しながら1体1体倒してきたのに途中で数を誤魔化しやがって結局、100体以上倒す羽目になっちまった。


「でも、骸王で"闇の王位"は最後でしたから問題ありませんわ♡」

「結局何体いたんだよ?」

「108体☆」

「んがっ!8体も誤魔化しやがったのか!?」

「誤差でしょう?8体ぐらい」

「ア、アブソリューダー!!!!」


俺は魔剣アブソリューダーに残り全ての魔力を注ぎ込むこの駄女神、今度こそ葬ってやる


「願い事は、いいのですか?」

「くっ!」


仕方なく振り上げたアブソリューダーを降ろす


「昔から俺を騙しやがって、そんなに俺をいじめるのが楽しいのか?」

「楽しいです♡」

「······」

「冗談ですよ、女神冗談」

「チッ」

「そもそもオーヴィアス、あなたが最初に私の御神体を壊したのが始まりでしょう?」

「そ、それは······」

「なら8体ぐらいは誤差の範囲で倒してもらわないと困りますよ」

「わかったよ、とにかく約束を守ってもらうぞ!今度こそ争いのない異世界へ転生させてもらおうか!」

「わかりました。約束ですからね、あなたのその願い、この女神アルテミアが叶えましょう」


そういうとアルテミアは両腕を前に差し出し何か呪文を唱える。すると先ほどとは違う、暖かな光が放たれる。


「ああ、長かった······これでやっと普通の生活が、幸せな結婚生活が送れる······」

目映い光が俺の身体を包み込む。そして、少しずつ意識が薄れていく。

「アブソリューダー······今までありがとな。お前のおかげで62体目からの王位を楽に倒せるようになった······サイコーの相棒だったぜ」

「私へは別れの挨拶はないのですか?」

「ああ、はいはい、サンキュー女神アルテミアー」

「もう!」

こうしてむくれる女神の顔を最後に俺の意識は途絶えた











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