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「あれは…… キリオの炎か?」
「いえ、私の生家の不知火斬術とは似ているようですが違います」
こちらまで引いたセイリュウとキリオが驚いている。
何しろ2人には赤ちゃんのころの咲姫しか記憶にないからな。
「あれはセイリュウ…… 咲姫がまだ子供だった時に考え出した剣術さ。 その時はキリオはもう亡くなってたけどセイリュウ、君はそのうち見ることになる予定だったんだよ」
「なんと……」
「流石咲姫、ミロク様が言ってた通り歴代最強は本当だったのね」
まぁ僕もスザクから聞いた話なのだけれど。
「アハハハハッ、凄そう!」
メトフィスは咲姫を見て楽しそうに笑っていた。
レザレクションが蛇のような腕を咲姫に叩きつけようとした。 だが咲姫はいとも容易くレザレクションの無数の腕を斬ってみせた。
ムゲンという技を発動させた咲姫はその前までと別次元の身のこなしと反応速度だ。 なるほどこれなら歴代最強と言われるのも納得する。
「ギシャアアアッ!!」
「鈍い脆い、厄介なのはその再生能力ね。 いいわ、ちょうどいい技があるわ。 ムゲン独式一の型・四神召喚ッ!!」
セイリュウが刀を振るうと鋒の焔が飛んでいきレザレクションの前で四つに別れる。
「朱雀! 青龍! 白虎! 玄武!!」
焔は四神の本来の姿を司りレザレクションに襲い掛かる。
「焔の精霊は私が敵と認識した相手を燃え尽きるまで焼き殺す」
レザレクションが焔の四神を力任せに振り払い咲姫に攻撃を加えようとするが焔の玄武がそれを阻止し吹き飛ばす、そして青龍が炎の刃を飛ばし追撃を加え白虎が引き裂く。 食らい付くような白虎にレザレクションは抵抗し白虎をかき消そうとするが朱雀が白虎に再び熱を与える。
「なんという凄まじさだ……」
セイリュウは驚いているが僕もこれほどとは思わなかった。
咲姫は四神に群がられるレザレクションに背を向けメトフィスに刀を向ける。
「我が無限神刀流極めしセイリュウ天上天下唯我独尊!! あなたも食らってみる?」
メトフィスはニヤリと笑うが……
『エグザス、お前が行け』
命を受けたエグザスというビャッコに似た大男が咲姫に向かった。
「次はビャッコもどきね、いいわ」
セイリュウが斬撃を放つとガキンッという音がして刀を弾かれる。
「ちッ、こいつは硬いのね」
「咲姫ッ!!」
「母様、大丈夫です。 ムゲン独式二の型・斬鬼の剣」
咲姫の額に焔のツノが生えて刀を包む焔が一段と激しく燃え上がる。
エグザスが振り下ろす刀を腕で防ごうとするが半分ほど食い込む。 もう一本の腕でエグザスは反撃を叩き込もうとしたが。
「双刀斬鬼輪」
もう一本の神刀ムラクモを抜きアラマサに叩き付けエグザスの腕を一本切断した。
『な、なんだと? エグザスまでッ』
『これは大分余興という趣旨から外れているようですな』
スピーカーからは焦った様子の円卓メンバーの声が聴こえる。
「グッ、グッ、ギャアアアアッ」
エグザスは吠え左腕を押さえていた。 そして怒りの形相で咲姫を睨み、四足獣のような構えを取る。
「畜生のような姿勢をするのね、今度は何?」
「ガウッ!!」
「ぐッ!」
それはビャッコ並みの速さのスピードだった。 ふたつの刀を地面に刺しそれを受け止めた咲姫はそのまま押されて壁にめり込んだ。
そのままエグザスは片手と両脚を使い咲姫に猛打を浴びせる。
「ギャウッ! ギャギャギャッ!! グギャッ?!」
「ムゲン独式三の型・剛神如來」
咲姫の身体が焔に包まれ突きでエグザスを吹き飛ばした。
額から流れた血を手で拭うと刀を抜き更に焔の迸りが激しくなる。
「くくくッ、まるで戦神だ、こうまで2体を抑えるなんて。 セイリュウ、君の娘は本当に凄いよ」
「我が娘があれほど強いとは……」
咲姫はエグザスに向かって更に技を放つ。
「ムゲン独式四の型・ダイダラボッチ」
身体の焔が消え咲姫の前に人型となって現れたそれはエグザスの3倍はあろうかという焔の巨人だった。
「ダイダラボッチは斬るでもなく技でもなくただただ圧倒的な力、その力に押し潰されるがいい」
ダイダラボッチを召喚した咲姫はそれと戦うエグザスを後にし再びメトフィスの前に立った。
「まぁ雑魚はこれくらいの足止めで丁度いいでしょう、残りはあなただけよ?」
「へぇ」
『メトフィス行け! お前が全員始末しろ』
「はい」
拳を合わせメトフィスは椅子を蹴った瞬間にその椅子は砕け散り攻撃目標と捉えた咲姫に向かった。
「ムゲン独式五の型・九尾の舞」
刀がいくつも枝分かれし扇のように広がりメトフィスの攻撃を防ぎ舞うように戦う。
「凄い、さっきとは全然違う」
「ええ、あなたもさっきよりも速いじゃない」
「アハハハッ、殺し甲斐がありそう」
「こちらのセリフよ」
よし、咲姫の秘めた力が予想以上だった。 異空間の門ももう少しで出来上がる、他の面々も揃えば勝てる。
「んふふふッ」
メトフィスが不気味に笑う。 そして咲姫のアラマサを素手で掴んだ。
「ッ!!」
「舞が止まると焔も消える、ただの剣だ」
「よく止めたわね、けれどそれはどうかしら? 裏の舞・メギド」
掴んだ刀が真っ赤になりメトフィスの全身が焔に包まれた。
「あがッ、ああああッ!!!」
「裏の舞はメギドの火によってあたかも相手が焼けてもがくのが舞の様、ジワジワと焼かれるのは苦しいでしょう? トドメを刺してあげるわ」
「くくくッ……」
火だるまになっていたメトフィスから確かに笑い声が聴こえた。
「これは超速再生…… メギドの火よりも上回るほどの」
「熱い熱い痛い痛い、くくくくくッ」
メトフィスは熱さと痛みの中笑っていられる光景は異様だった。
あれがメイの本来の力なのか? 確かにメイは驚異的な身体強化能力はあった、だが再生能力はなかったように思えたが。
レザレクションを見てみる、あれも焼いても斬っても瞬時に再生される。 あれがメトフィスに驚異的な再生能力を付与したのか?
再生能力ならビャッコも持っていたが…… ビャッコと言えば白狼、そうかあいつか。
もしやエグザスは白狼の研究成果の成れの果て…… 強固な皮膚の代わりに再生能力は無くしたのか?
「うるぁッ!!」
「こいつッ…… 燃えながらも尚」
「ひひひッ、もっとやろうよ、ねぇ!」
「ムゲン独式六の型・火車峰陣」
焔の弾をメトフィスに放つがメトフィスは回避し咲姫に向かう。
「気を付けて。 何かが背中からあなたを追い詰めてるわ」
「ん? んぎゃあッ!」
「ホーミング・ゴーストよ」
「やってくれたなッ!!」
回避したはずの火車が背後からメトフィスを襲う。
「斬鬼の剣。 …… あなたの力はわかった。 再生能力があろうと私には通じないことを教えてあげる。 来なさい、塵にしてあげるわ」




