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「わ、私死にました? 致命傷だけは避けて戦っていたのに」
「戦いは続いている、あれを見てもまだ言うか?」
見ればレザレクションと母様が戦っていた。
「か、母様…… 私が幼い頃亡くなったはずなのに」
「ああ、スザクのお陰さ」
「スザク…… ハッ!! ミロクッ!!」
それにミロクが生きていた、頭を潰されていたのに口から血を吐いて苦しそうだけど状況が違う。 父様もビャッコとの戦いで命を落としたはず。 これは一体……
「いいかいセイリュウ、詳しく話せる時間はない、キリオが頑張ってくれているが危ない」
「私も加勢しに行く。 娘のことは頼んだぞミロク、ここに敵は来させん」
「ああ」
ミロクは私の手を引っ張って近くに寄せる。
「ミロク…… あなた生きてたのね。 良かった」
「僕も君に会えて嬉しいよセイリュウ。 何とかするって言ったろ、ビックリしたかい?」
「信じられないことばかりよ!」
私はミロクの胸で泣いてしまった。
◇◇◇
少しばかり遡る。
これはまだこの世界に来てセイリュウと異形の化け物と戦っている最中のことだ。
『ミロク、セイリュウはミロクの言う通り持ち堪えているみたい。 でもあれじゃダメだよ、セイリュウ力を出しきれてない」
「ああ、持ち堪えているのは流石セイリュウだ。 だけどまだ本領を発揮出来ていないようだね」
何を言っている? セイリュウは確かに強かったが今の俺にはあれがセイリュウの全力に見える。
ビャッコには及ばずともとてつもなく強いことには変わりはないが……
「スザク! ミロク様今すぐ私を先姫のところへ!!」
「わかっている」
『この時空の主はミロクだよ、だからミロクが門を開いて』
「ああ…… ん?」
『どうしたの?』
「済まないが僕は思ったより弱っている。 門を開けれて通るのは今は3人までが限界だ」
なんだと?!!
「バカな、それじゃあ俺達はどうなる?」
『なら私もやるだけやってみるからミロクがまずそっちのセイリュウのとこに行って外側から門を構築して。 私はこっちからやってみるから』
「ありがとうスザク、そういうわけだ。 まず僕の他に死地に飛び込みたい者はいるかい?」
「ミロクが行くと言うのなら行こう」
ゲンブが名乗りを挙げた、だがセイリュウがそれを制する。
「待てセイリュウ、戦っているのは私の娘だ。 私が行くべきだ」
「私もよ」
続いてキリオも名乗りを挙げる。
「僕としては異論はないがハル達はどうかな?」
「ふん、好きにしろ」
「いいのハル?」
「いいさ」
それは俺と父さんとのことがダブって見えたのかもしれない。
◇◇◇
セイリュウは僕の胸で少し泣くて涙を拭うとその目には闘気が戻ったかのような目をしていた。
「ごめんなさいミロク、みっともくて」
「いいんだ、セイリュウに無理言っちゃったしね」
「よくわからないことばかりだけど父様と母様にだけ戦わせてはおけない、私も行く」
「ちょっと待って」
レザレクションに向かおうとしているセイリュウの腕を掴んだ。
「何?」
「このまま行ってもダメだセイリュウ、なぜ本当の力を出さない?」
「本当の力?」
スザクから咲姫…… セイリュウのことは聞いていた。 セイリュウが使う剣術は無限神刀流だけではないと。 不知火キリオの不知火斬術と無限神刀流をセイリュウは使えると。 それを昇華させた咲姫だけが使える正に歴代最強の名に恥じない究極の剣術を。
だが幼い頃に亡くした母のことがセイリュウは大好きで不知火斬術を使うと母をどうしても思い出してしまいセイリュウはその斬術を記憶と共に消し去った。
使えるのに使えない、それが枷となりそれがどこか無限神刀流にも現れていまいち力が発揮出来ない、それがセイリュウの欠点だったと。
母を見たセイリュウが未だに解き放たれないのもこの状況が全くわかっていないため、ならば僕がやることはひとつだ。
「セイリュウ、君の本当の力を僕に見せてくれ」
「ミ、ミロクッ?!」
僕はセイリュウに口付けした、それは僕が聞いたスザクからの記憶をセイリュウに伝達することが出来る僕の能力だ。
口を離すとセイリュウは目がトロンとなり僕の肩に手を置く。
「…… ミロク」
「セイリュウ、まずはあれをなんとかしないと」
「はッ、そうだった。 父様も母様居る、私は何をやってるのかしら。 でも安心してミロク、奴らを倒すわ」
「流石セイリュウだ」
セイリュウは刀を構えると一瞬でレザレクションを両断した。
「咲姫ッ!」
「なんという斬撃だ…… 私ですら見えなかった」
「尊敬する父様、そして私の大好きな母様。 どういうわけか知らないですけれどもまたお会いできて私は嬉しいです」
「お前ッ……」
レザレクションが瞬時に再生したところをセイリュウは目にも止まらぬ速さで細切れにした。
「あれ? あいつ…… なんで?」
少し遠くの椅子の方では僕を怪訝な眼差しで見つめるメイに似た女性。
あれがここでのメイか、確かメトフィスだったか。
そして僕にはまだやることがある。 ここからビャッコやハル達が居る異空間の門を開いてやらなければならない。
セイリュウが本当の力を出したとしても残り2体居る、そしてメトフィスの強大な力を打ち砕くには全員で相手をする必要があるからだ。
今はショーとして奴らは楽しんではいるが形成不利となれば一斉に掛かられる、そうなってしまってはセイリュウを失ってしまう。
「父様母様、ここは私に任せてミロクについていて下さい」
「何をバカな、こやつは容易く倒せる相手ではない」
「そうよ咲姫、貴女だって先程戦ってわかるはず」
「はい、ですが思い出しました。 私には父様と母様の剣が生きている、私の剣の中には父様と母様が居たということを今更ながら。 ですから私の戦いを見守っていて下さい、ミロクを頼みます」
セイリュウは再びレザレクションの前に立つと手の平から流れていた血を指で刀に当て鋒まで血を通わせた。
「無限神刀流不知火斬術独式零の型・ムゲン」
セイリュウの前髪が技の風圧で上がった時六芒星が浮かび上がり、青白い焔がセイリュウの刀、アラマサに宿った。




