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「それで人間? 僕をわざわざ呼んでおいて何かな?」

「ああ、本題に入ろう、実は我々はこの世界をベースにこのハルが居た世界を再構築しようと思っているんだ、厳密には僕がこの先の未来で死んだ後の世界にね」

「ふぅーん、並行世界を生き来するんじゃなくて新たな世界の創造の類いか」



とんでもないことなのだがジーナは飯を食いながら話に耳を傾ける。



「それが出来る可能性があるのがスザクだと僕は思っているんだが彼女自身自分の力を全て把握しているわけではないんだ。 何かそれ相応の代償か何かあるのかい?」

「そりゃあるだろう、そんなことは一人間が何もリスクなしで出来ることを超えてるんだ。 ましてや不完全な重力でそれをやるとなるとその世界は再構築されずに異次元に閉じ込められることになるかもしれない」

「では出来ないと?」

「出来るよ、但しそれには他の世界に引っ張られない反発力も必要だ、彼女の力だけでは不十分。 君の能力と彼女の能力が合わさって初めて可能性を帯びてくる」

「なるほど。 やはりそうなるか」



ミロクはやはりという感じで頷く。



反発力? それは光のミロクのことか。



「それを実現できる程の反発力は僕で事足りるということでいいのかな?」

「リスクなしでは出来ないと僕は言ったよ。 恐らく君の生命力をかなり削ぐことになるだろうね、でもそんな程度で済むなんて破格だよ、ひとえに彼女のその力のお陰だね。 普通だったらもっともっと危険なリターンが返ってくるんだからさ」

「そうか、それで済むのかい。 スザクは凄いな」

「ミロク?! そんなことを許容するのか? お前がそうなってはヤタガラスは」

「落ち着きなよセイリュウ、僕がそれで死ぬわけじゃない。 多分ね」

「多分とはミロクらしくもない」

「もともとヤタガラスは僕があってのヤタガラスじゃない。 君達四神が居てこそのヤタガラスだ、ならなんら変わりないじゃないか」

「あの…… その世界を再構築とかよくわからないんですけどそこの世界にはキリコとか居るんでしょうか?」

「うん、この世界に別の世界を壊してくっ付けるってことだからキリコも引っ張ってこられるよ。 そうなるともともとその世界には魂管理の者が超近い距離に2人居るってことになって僕は楽になるし認識としてはわかっている者にしか認識出来ない、更に高次元の存在ならまた話は別だけどそういうものさ。 僕もまた高次元へと進めるかもしれないからね、ふふッ」



俺もよくわからないがこの世の理屈は通用しないってことがわかったくらいだ。



「ちょっと待って。 この世界には私やハル、2人存在してるのはどうなの? 例えば会ってしまったら大変なこととかにはならないの?」

「まぁ人間が勝手に考えた理屈だね、例えそうであっても既にこの次元の世界は君達とは違う。 それが再構築された世界なら尚のことさ、問題ないよ」

「そう……」



なるべく俺も俺自身に接触しない様にしてたからな。 



「これ聞いてると今まで見聞きしていた物理の法則ってなんなのかしらって思えてくるわ」

「それは君達の世界での法則だ、まぁ全然君らはそれすら理解しているとは言い難いけど。 君達はその筋の世界で生きてきたんだろ? 全てを疑えよ、これまで真実とされていたもの、不動のもの、全て君達人間が考えた自分達に都合が良いように解釈された妄想だってのを。 ここで君らが言い争ってる何が悪いとか何が正義とかそんなものはこの世からしてみれば物凄く取るに足らないちっぽけでカスにもらならない一瞬で虚しいことさ。 さてとお腹いっぱいにもなったし僕はそろそろ消えるよ」

「今回は記憶を消すのはなしでお願いしまーす!」



スザクは挙手して元気よく言った。



記憶を消す…… か、梢もスザクがもし見ていなかったらずっと思い出さなかったかもしれないしこいつは人間じゃない、恐らくそういう者でしか出来ない強力なやつなんだろう。



「ええ、こんな風に呼び出されるのはマジで迷惑なんだけど?」

「それについては安心してくれ。 聞きたいことは聞いたから。 それに梢もそれは望んでない様に思えるのだが?」



ジーナはそう言われて梢を見るとしばらく考えていた。



「ジーナ、私わかってるよ。 あの山で迷った時もジーナが道標を書いててくれて私が迷わないようにしてくれたこと。 私ジーナとは少ししかお話出来なかったけどそんなジーナを忘れるなんてイヤ」

「うーん…… 仕方ないなぁ、わかったよ」



相変わらず梢には何故か弱い。 



「じゃあまたねジーナ」

「またもあるのかい。 次はどうでもいいことで呼び出さないで欲しいな」



ジーナはスウッと消えて梢にももう見えなくなったみたいだ。



「サラッと事実改変みたいなこと喋ってたけどあのジーナって子は何もお咎め受けないのかしら?」

「そこら辺はよくわからんがあれはあれで自分に都合が良く動くタイプみたいだから大丈夫なんじゃないか? 梢には振り回されているが」

「だから梢は連れて来いと言ったんだよ、僕の読みは大体正しかった。 これで君達の娘のセイリュウも助けられそうだねセイリュウ、キリオ」

「ミロク様…… 咲姫のために」

「まぁそこに確実に戻るためにもセイリュウとの繋がりみたいなのも必要だと思ったのさ、だから強い思いの約束という形にした。 後はぶっつけ本番しかないがスザク、どう思う?」

「うん、私も時代を行ったり来たりする時は何かしら強い思いが必要だからさ、それはいつもミロクのことだし問題ないけどね」

「よし、では足並みを揃えよう」



そしてミロクがパンパンと2回手を叩くと散らかっていた料理とテーブルが片付けられた。



ミロクのやろうとしていることは大体わかった、この世界を土台に自分が死んだ直後の世界を構築すること。 そしてウィルミナーティを潰す。 それにはまったく異論はない、ないがそれを成した後でのこいつの行動はどうする? それが俺には引っ掛かっていた。



「ハル、君が思っていることはだいたい察しがつくよ? 奴らを叩き潰した後僕がよからぬ事を企んでいるのではないかと」

「ああ、その通りだ」

「ふむ…… まぁその点に置いては心配ないと思うよ。 僕はそれを成した後恐らく死ぬか長くは生きられないだろう、ジーナとやらが言っていた通りにね。 スザクにも何が起こるかわからない、今までのように活動は出来なくなるだろうね」

「お前にとってそれは損でしかないな、黙ってこのままここで戦略を蓄え万全な態勢を取っておいてから行動に移すのが妥当だろ、そこまでして危険を承知で何がしたい?」



するとセイリュウはビャッコ、セイリュウ、ゲンブ、スザクを見た。



「何、別に単純なことさ。 言ったろう? 僕は彼らを何よりも大切に思っている。 彼らを助けるならリスク度外視で動く、君にはそのようなこと覚えがないのかい? それに彼らはそのうち今の世界を壊すよ、そして自分達を神と崇める宗教を布教させ人々を徹底的に管理し自分達の思い通りの世界を創ろうとしている」

「ふん、お前みたいな悪人が何を偉そうに」

「たとえ悪でも僕は必要悪さ。 世の中には聖人を装った悪はごまんといるが彼らほど醜くはない」



バカな、ミロクがそんな奴だというのか?



「僕はこう見えても能力の特性上スザクまでとはいかないが長い間生きてきた。 親もなくどこから産まれ落ちたのかすらわからない、だが記憶はあるのさ」

「そうそう、ミロクは正に私に見染められた天の子なんだよ! なんちゃって」

「こらこら、一応真面目な話をしてるんだよスザク。 僕はこのスザクによって見出された、不思議な力は生まれ付き持っていた僕にやがて残りの四神も引き寄せられるかの様に集まった。 そして人々の往来を見て学び時には助言し今がある」

「まるでこの国を自分が作ったと言いた気だな」

「僕はこの国影に属する者さ、だからあながち間違いではないね」



与太話だとは思っていたがよくわからなくなってきた。 あまりにも酔狂としか言えない話の内容ばかりで。



「それはそうと死ぬかもしれないし長く生きられないかもしれないと僕は言ったが実際やってみるまでどうなるかわからない、そこでどうだろう? もしその戦いで君達が生き残ったら君達が僕を受け継ぐというのは?」

「なんですって?!」




「これにはまだ話がついてなくてね、セイリュウやゲンブにも気は確かかと何度も言われたよ。 だけど僕らに協力してくれるのなら良いじゃないかと思うのが僕の思いだ」



こいつ……



だがミロクのその言葉に嘘の様なものは感じられなかった。



「これも言ったろうハル、前の世界では戦うしかなかった君と僕だが知れば僕はそれを望んでいたわけではないと」

「何もかもこの場での言葉、信じる根拠もないわ。 それについてはどうなの?」

「何もない、信じてくれということだけさ」

「ハル様ルノ様ご安心を。 私もこれまでの話と今までのことでいろいろと察しは付きました、もしそしてそうならなかった時には私もご助力致しますので」

「メイお前……」

「いやぁ、君が言うと説得力があるなぁ。 流石メイだよ」



メイは俺達の元からいきなりミロクに飛び掛かって拳を振り上げた。



「メイッ!!」



拳はミロクに当たる瞬間ビャッコによって止められた。



「どういう戯れだい?」

「この程度にしておきましたが根拠のない話の様ですので私からの再度警告です、もし嘘偽りが発覚した場合何においてもあなた方の殲滅を優先させていただきます」

「はははッ、釘を刺されてしまったね。 だが望むところさ」



ミロクがそう言うとビャッコに掴まれていた手を拳で弾いてこちらに戻ってきた。



「ハル様ルノ様、またも出過ぎた真似をしてすみませんでした」

「ビックリしたわよメイ」



ルノに頭をポンポンと撫でられると梢も寄ってきてた。



「メイちゃんいきなりあんなことしちゃダメだよ」

「反省しております」

「ふふッ、梢ちゃんの方が効くみたいねやっぱり」

「ああ」



それから俺達はスザクによって元の場所に帰されカズハ達にも今日のことを話した。




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