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不敵に笑うスザクさんは何かしようとした時……
「何をしてる?」
「動かないでね」
「あ! お兄ちゃん!」
ハル君とルノさんが帰って来た!!
「これはどういうことだ?」
「少し嫌な予感はあったけど、スザクよねそれ。 メイお手柄よ」
ルノさんにそう言われるとメイちゃんは嬉しかったのか少し微笑む。
「まさか四神がわざわざ捕まりに来てくれるとはな」
「ありゃ〜、ハル達も来ちゃったかぁ。 お願いこの子に手を離すように言ってくれないかな?」
「言うと思う? これであなたを手に入れればもしかするとこっちが物凄く優位に立てそうな気がするけど」
「ちょっとちょっとぉ〜、仕方ないなぁ。 ヨウゲン! クザン!」
「なんだと?!」
スザクさんが叫ぶと突如私の背後のガラスを突き破り私は拘束された。
「まったく。 情けない四神様だな」
「そう言ってやるな、それでもミロク様に見込まれてるんだから」
「梢様! 貴様ッ!!」
「わあああッ! 折れる折れるッ!! 状況見なよ、梢ちゃんも同じ目に遭うよ?!」
そう言われるとメイちゃんはスザクさんの拘束の手を緩めたみたいでスザクさんはホッとする。
「よぉ、また会ったなハル坊」
「クザンッ!!」
私はクザンさんに押さえ付けられていて動けない。 というよりハル君から聞いた話だとこの人はハル君のパパなんだよね?
「スザク、あなたどういうつもり?」
ルノさんはスザクさんともうひとり、ヨウゲンという人に銃を向けた。
「どうもこうも私が来たのはキリオちゃんの安否確認とそれとついでにミロクの用事がてらちょっと寄るつもりだっただけでこんなにややこしくするなんてマジで辟易してるんだよねぇ、あたたたッ!」
ふざけてるように見えたのかメイちゃんはまた腕を締め上げた。
「辟易してるのはこっちの方よ? キリオを放ち仲間になれとか都合の良いことばかり」
「調子に乗るなよ女ぁ」
ルノさんが一瞬スザクさんに意識が行った瞬間ヨウゲンと呼ばれる人がルノさんに攻撃をしようとするがカズハちゃんが鎌の刃を射出してそれを防ぐ。
「見えてたけどフォローありがとカズハちゃん」
「なんだ損した!」
私がハル君のパパに拘束されてキリオさんはベッドに、ハル君はパパに少し動揺していて遅れて銃を向けてルノさんはスザクさんとヨウゲンって人に銃を向けてカズハちゃんは牽制してて相変わらずメイちゃんはスザクさんを締め上げてて……
「ええ〜、この膠着状態の中悪いんだけどトイレ行きたい」
「実はあたしも」
スザクさんが緊張感をぶち壊すことを言ってきてカズハちゃんも我慢してたのかその提案に乗る。
「お前よくこんな状況でそんなこと言えるな、それにカズハも……」
「だってこいつらいきなり来たんだもん!」
「カズハ様、それはそういうものです。 カズハ様はこの者をバカにしておいでですが」
「メイ、これ以上ややこしくなるからそれくらいにしろ、俺達もそれはわかってるから」
「え? え? 話の流れ的にあたしのことバカにした??」
「気のせいよカズハちゃん。 トイレに行きたいならメイも監視のもとしてもらうわよ?」
「うわぁ〜、私がおしっこしてるとこ見るんだ? まぁ催してるのが大の方じゃなくて良かった」
「別に見たくはありませんがこの状況じゃ仕方ありませんね、こっちです」
「ひいッ!! だから加減しなさいってば! 痛い痛い!!」
スザクさんが行った後「まったく四神の恥晒しめッ!」とキツめのお言葉が飛んでいた。
「梢痛くないか?」
「うん、私は大丈夫だよ」
「安心しろハル坊、動けないようにしてるだけだ」
「そうか、だがそのハル坊はやめろ、もうそんな歳じゃない」
「はははッ! 俺にとっては坊やだ」
「ちッ」
ルノさんもこんな状況でもそんな2人を少し微笑ましそうに見ていた。
「いいのかルノ?」
「仕方ないわ、カズハちゃんもトイレ行きたいって言ってるんだもの。 2人して漏らされたらたまらないわ」
「なんだ? なんなんだこのふざけた状況は!?」
ひとり、ヨウゲンさんはこの状況にイライラしていた。
「何やってんだスザクも死に損ないのキリオもよぉッ!! とんだヘマばかりしやがって! クザン、甘ったれたことしてねぇでその女を痛め付けてやれッ」
「なんだと?!」
「貴様ッ!!」
「おっと! 俺に攻撃したらこの均衡状態も崩れるぜ? まぁそうなればこっちもやりたい放題出来るけどよぉ!!」
恐る恐る私は押さえ付けているクザンさんを見るとウインクされた、それは「そんなことはしない」と口には出さずに私を安心させようとしているように見えた。
「ヨウゲン恥を知りなさい、ミロク様はそんな意図があって貴女をよこしたわけじゃないでしょう?」
「黙れキリオ、交渉に出ていきながらその有り様。 反吐が出るぜ! お前をやった奴はどいつだ? この状態が解消したらすぐに始末してやる」
「黙るのはあなたよ? その声勘に触るわ」
「あー、スッキリした!」
そんな時空気がまったく読めないスザクさんがメイちゃんとカズハちゃんらとトイレから戻って来た。
「あれれ? まだやってるの??」
そしてこんな言い草…… そりゃハル君達もイライラするよ。
「もうトイレ行って用を足したらどうでも良くなってきちゃった」
「よく言えますねそれ」
「だって私もう飽きちゃったし、それに役者も揃ったことだしさ」
スザクさんは私達を見回すとまた口を開く。
「ではこれよりミロクからの伝言を伝えまーす、みなさん心して聞くように」
「ミロクの伝言だと?」
「これよりクザンはヤタガラスの任を解き己の好きなようにすることを許可する」
「は? 何ぃッ!?」
スザクさんのその言葉でクザンさんは驚いたのか私を離すとハル君が一瞬で私をその場からすくいあげキリオさんの近くに下がった。
「なんだと?! クザンを? そりゃ一体どういうことだ!!」
「ヨウゲン話はちゃんと最後まで聞きなよ。 そしてハル君、これで君と僕の因縁は消えたということにしてもらえないか? 僕は未来で起こる君との衝突を回避する、これは本当に僕の望む事だ、それがもし許せないのなら全てが終わった時もう一度僕らと牙を交えればいい」
「それは…… 俺はクビってことか?!」
「クザン、そこら辺もミロクは考えててそこのハルに雇って貰えばいいんじゃないかって話だよ? 彼何気に超お金持ちだし」
「は?」
その提案にハル君もハル君のパパもお互いの顔を見合わせてどうしろ? という困惑の表情。
「おい! ここまでしておいてどんな茶番だよそれは?! じゃあ何か? これではいお終いで済ますつもりじゃねぇだろうな!!」
「そ、そうよ! それならミロク様が私に交渉を任せた意味は?!」
「ああ…… それはね、ごめんキリオちゃん! あだだだッ」
「はい?」
スザクさんは不知火さんに向かって頭を下げたので何かすると思ったメイちゃんは捻り上げた。
「いやさ、これはどうしてもキリオちゃんの交渉が上手く行きそうになかった時の最終手段ってことでミロクは考えてたことなんだけど私は様子見に来てとっとと帰るつもりだったんだけどこんなややこしいことになるんだったらチャチャッと済ませたくなって」
「チャチャッと済ませる……」
早く帰りたいとかそんなしょうもないことでここまでボロボロになったのに切り札的なことを喋っちゃったスザクさんに開いた口がしまらない様子の不知火さん。 か、可哀想……
「だからごめんって! 私も娘ちゃんお助けするのに頑張って協力するから許してちょ?」
「知るかよそんなの! 人質も逃がしやがってクザンッ!! こうなったら仕方ねぇ、俺がまとめてぶっ潰…… うッ?!!」
激昂したヨウゲンさんにルノさんが背後に回り込み足払いをして両手を踏み付け銃を向けた。
「まとめて何? こんな隙だらけで何が出来るの、相手の実力もわからないのかしら??」
「う、動けねぇッ」
脚をジタバタさせてもがいているがルノさんが踏み付けいる腕がまったく動かせないみたいだった。
「ハル、その申し出受けておいた方がいいわ」
「ルノ……」
「あなたの目的は何? 一番大事なことは何? 誰も救えずにただミロク達を潰すこと?」
「それは、それは……」
「あなたがもしそれでもというのなら私はあなたに最後まで協力する、でもまた後悔はさせたくない、だからちゃんと考えてみて?」
「…… スザク」
「ん?」
「返事は明日でもいいか?」
「そんなに急がなくてもいいよ、今日来てまた明日も来るとかめんどいし一週間後でいいよ」
そうすると「それじゃあこれで休戦ってことでいいよね?」とスザクさんがハル君に尋ねた、ハル君は少し間を置いて頷くとメイちゃんはスザクさんの腕を離した。
「うわわわッ、手形付いてるよ! まるで幽霊に触られたみたいな、怖ッ」
「それは申し訳ありません」
「そんじゃハルの気が変わらないうちに私は退散するけどキリオちゃんはその状態だといろいろ噂立ってセイリュウにバレるかもしれないからここでゆっくりと傷を治して? それとヨウゲン、あんたは用済みだからあとはそっちで煮るなり焼くなり好きにしなよ」
「スザク、てめぇ!!」
「クザン、そっちでも元気でね!」
「お、おい!」
それを言ってスザクさんはその場から消えてしまった。




