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ミロク達との戦闘、あれから半年近くになった。 ヤタガラスからは何もお達しが来ない。 



使いをよこすと言うから警戒はしていたがその使いとやらもまったく現れないしまさかミロクは俺達に恐れをなしたか?



まさかそんなタマでもあるまいし……



だがメイのビャッコにも迫る実力を見たミロクは全面戦争になれば多大な損害を出すと見て慎重になる?



それならばありえるかもしれない、黒狼を懐柔したばかりで貴重な戦力を失うわけにはいくまい。



しかし黒狼…… ミロクの元でビャッコとなる運命は変わらないのか? 俺はここに来てからもがいてもがいて今の俺達があるようにもがいても俺やルノ達の待ち受ける運命も前と変わらなかった、なんてなったら洒落にならないな。




「ハル君、お仕事の人が来てるよー!」

「ああ、今行く」



ミロクの件もあるので屋敷は取り払い梢達は俺のところへ居る。 危険から遠ざけるつもりだったのにな。



「ハル、あれからミロク達の動きもないようだけどどう思う? 情報もろくなのが入ってこないしね」

「…… このまま奴らが何もしないなんてこと考えられるか?」

「それはなさそうね、あのミロクという男は」

「だよな」



それからもうしばらく経ったある日……



「ボス! た、大変だ!!」

「わかってる、見上は周囲の状況の確認と警察関係に事の次第、それと事態の揉み消しに移れ。 くれぐれも下手を打つなよ」

「はい!」



白昼堂々、都会のど真ん中ってのに突然俺達の事務所に荒々しく乗り込んできた奴が居た。



「ハル!」

「ああ、梢や非戦闘員はセーフティルームに」

「それは大丈夫、メイもつかせたわ、それよりこれは異常よ! こんな騒ぎになりそうなことを」

「強引なやり口だ、CIAか? それともキッシンジャー…… いや、どこの誰だろうと関係ない、こんなことをしてくれたんだ。 逆に返り討ちにして情報を頂こう」

「ええ、今カズハちゃんが対応してるはずよ」



俺とルノは現場に向かう、相手はカズハが迎撃に出たとなると地下駐車場まで後退したみたいだ。





「うわわッ! 逃げたんじゃなかったの?!」

「ここが一番やりやすそうだった、それだけです。 騒ぎは起こしたくないでしょう?」

「散々自分は騒いだくせに何言ってんのよ!」



カズハと何者かの会話が聴こえてきた。



「カズハッ!」

「あ、お兄ちゃんとルノさん! 遅いよ」

「悪い、それで相手は?」

「あら、援軍かしら?」

「お前……」



それは誰かと言われれば俺の前の時代に居たセイリュウ…… いや少し違う、歳は若干あの時のセイリュウより上だろうし。 だが目の前に居たのは正にセイリュウという言うのが正しいような外見と立ち振る舞いに上品な和服、何より独特なセイリュウの使う流派を組む刀の構えを取っていた。



「お前はセイリュウか?」

「ふふふッ、ついこの間私の主人が随分とお世話になったようで。 貴女がメイという方?」



その女はルノを見て尋ねる。



この言い様セイリュウの嫁か?! メイにやられたからまさか報復しに??



「だったらどうだと言うの?」

「まぁこうなりますね」



女は地面スレスレに身体を落としてルノの足元を狙って刀を這わせる。



「なッ!?」

「まぁあなたはセイリュウではないからこのくらい当然ね」



だがルノはそれを読んでいて涼しい顔で逆に刀を踏みつけ女の頭に蹴りを入れようとすると女は刀を離して回避する。



「一体あなたみたいなのと何度やったことか。 というか斬撃速度が大して速くないわね? あなた身体の調子でも良くないの?」

「流石私の主人と闘っただけはあるようね。 それと私の身体の状態まで見抜くなんて」

「それはどうも。 それであなたの狙いは? まさかそれで勝てるなんて思ってないわよね?? ただ単に騒ぎを起こしに来たなんてことも通用しないわよ、まだどこかに刀持ってるんでしょう? 無駄な抵抗でもしたいならどうぞ」

「ミロク様が仰っていたことをよもや忘れているわけでは?」



まぁこいつが来た時点でそうだろうとは思っていたがわざわざこんなことしやがって。



「忘れてるわけではないがこの有り様はなんだ?」

「私の主人をあんなに痛め付けてくれたお礼参りです、どうか悪しからず。 もちろんミロク様から聞いていますのであなたがメイとやらではないのもご存知ですので。 名乗るのが送れましたが私はセイリュウの妻、キリオと申します」

「ふん、まぁいいわ。 あなたのことよりもこっちとしては用件が聞きたいの、何?」

「ミロク様は貴方達を仲間として引き入れたい所存…… 私としては反吐が出ますが」

「なんだと?」



俺達がミロク達の仲間に?! そんなことありえない。



「まぁそうなるでしょうね、けれどミロク様たっての希望なのです」

「なるわけがない、ミロクはバカなのか?」



ミロクをバカにすると明らかにキリオは激しい怒りを顔に表す、だが咳払いして表情を整えた。



「ミロク様の敵…… ひいては日本の敵は強大なのです、イギリス、ロシア、中国、朝鮮半島、そしてアメリカ等、表面上は仲良くしていますが」



それは前の世界で似たようなことをミロクから聞いていた。



「だから俺達に力を貸して下さいってか?」

「そうです、世の中心から世界を牛耳るロックフェラー、ロスチャイルドを頂点としたウィルミナーティとその下部組織に対抗するには少しでも戦力が必要なのです。 ことが全部済めば我々と好きなだけ戦えばいい…… とのことです」

「話にならないな、共倒れするだけだ。 第一お前らを信用出来るはずがない。 寧ろ一緒に戦っていてお前らに背中から刺される可能性すらある」

「くくくッ、あはははッ!!」



キリオは急に俺たちに向かって笑い出す。



「なんとまぁ、私達に喧嘩を売ってきておいて小心者ですこと」

「ムカーッ! 前のセイリュウもムカつくけどこっちもムカつく!! お兄ちゃん、こいつあたしがやっちゃっていい?」

「クザン」



するとキリオは俺の父の名前を出す。 まさか……



「クザンだけじゃないわ、あなたの家族どうしようかしらね?」

「やってみろよ? 手を出したらお前らがどうなるか」

「ふふふッ」

「くくくッ」



そうなったらお前らは徹底的に潰す。 



不穏な雰囲気が駐車場を包むが……



「らちがあかない。 貴方達が首を縦に振りたくなるようにしてあげるわッ!!」



キリオが最初に堪忍袋の尾が切れたようだ、キリオは腕を伸ばすと袖を切り裂き小太刀が2振り飛び出しそれを構えると俺に向かってセイリュウ家が使う無限神刀流とは違う動きで俺に迫る。



そんなキリオにルノとカズハがすかさず両脇から攻め入ろうとする。



「不知火鳳仙花」



キリオは2人に切り替え俺の方に向けていた小太刀が突っ込むルノとカズハに向けられた。



「だからってくらうわけないじゃん!」

「カズハちゃんッ! それを紙一重で躱さないで!!」

「へッ?」



ルノはキリオの攻撃を大きく避けたがカズハは紙一重で躱した時だった。



「きゃあッ!!」

「カズハッ!」



カズハの髪の毛が発火し慌ててカズハは鎌で燃えた髪を切り落とした。



「あら、随分サッパリしたわね」



そんな様子を見てバカにしたかのように微笑むキリオに元々カチンときやすいカズハはブチ切れた。



「こ…… 殺すッ!!」

「待ちなさいカズハちゃん!」



こちらの制止はもうきかないカズハがキリオにマックススピードを出す。



駐車場のあらゆる立体物がカズハの着地と共に亀裂が入ったり破壊される。



「あのバカここを壊す気か?」

「ほんと挑発に乗りやすいんだから」



だがキリオは予想外のカズハのスピードに翻弄されているようでどこから来るかも対処出来てないようだった。



「ちッ、こんな速さだけのッ!!」

「バカじゃないの? こっちはそれだけであんたに勝てんのよッ!!」

「カズハッ!! そいつを殺すなッ!!!」



そう言った瞬間キリオの身体はカズハの攻撃によって弾かれる、そしてどこかにぶつかる前にまた違う方向に弾かれそれを何度も繰り返される。



「ぐはッ!」



キリオの血飛沫がこっちにも飛んできた。



「こんなもんじゃないわよッ!!」

「ちょ、調子に乗ッ」



キリオが言い終わる前にキリオの身体は駐車場の天井を突き破った。



「ヤバいわハル、カズハちゃんあいつにトドメを刺すかも」



俺もそう思ったが上に飛ばされたキリオは迎撃態勢を取っていた。



「このガキッ!!」

「カズハ!! そいつに触れるなッ!!」

「不知火黒百合焔ッ」



キリオが技を放った瞬間キリオの周囲が火に包まれる、だがそれだけじゃない。



「何!?」



遥か下に居る俺達の周囲も火に包まれた。



「ハル、これってもしかして」

「ああ」



火がついたのはキリオの血が散乱したところだった。 ジャケットに付いた血が燃えたしな。



「でも今のカズハちゃんには無駄ね」

「そうだな、あいつのスピードなら炎をかき消す」



だがこれはカズハにダメージを狙ったわけじゃない、キリオは炎の揺らぎにカズハからの攻撃予測をしている。



「不知火糸杉柩」



青い炎がキリオの血を介して小太刀の刃に灯る。



それはカズハのフェイントを織り混ぜた攻撃箇所を完全に捉えた動きだった。



「そこだッ!」



が、カズハはキリオの更に予想の上の速さで周囲に舞い上がっていた瓦礫を足場にキリオの刃を躱す。



「なッ!?」

「言ったでしょ! こっちはこれだけであんたに勝てるって!!」



鎖鎌には大きい鉄球が装着されていた。 それを瓦礫を蹴った反動をプラスさせキリオに向けて振り下ろす。



完璧だと思ったタイミングで大技を空振りしたキリオは動揺していたのでモロにくらう。



「あがッ!!」

「ちッ、あのバカ殺しちまったかもしんねぇ」



キリオが叩き付けられて絶命する前に俺はキリオをキャッチした。



「ヤバいなこりゃ」



こいつからいろいろと情報を聞こうと思ったんだが。 



「お兄ちゃん!! なんでそいつを助けるの!?」



いまだに怒りが収まらないカズハは執拗な連撃でボロ切れのようになったキリオにトドメを刺そうとするが……



「こら! これだけズタボロにしたんだからもういいでしょ? それにもしかするとこれがヤタガラスとの宣戦布告になったりするんだから慎重に…… ってもう遅いけどね」



ルノに強烈なデコピンをされカズハは脳震盪を起こして気絶した。








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