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とりあえず執筆完了してる小説からm(__)m


…… ここは?



俺は……



ルノ? こずえ? カズハ??




何か最近デジャヴ的な何かを感じている。 ここに居るのに何故かここに居ない不思議な感覚。



今朝俺は18回目の誕生日を迎えて幼馴染のルノとこずえ、それと妹のカズハと両親から祝われている。



「どうしたのハル?」

「お兄ちゃんボーッとしてるよ?」

「ハル君私が作った料理そんなに微妙だった?」

「いや…… 別にそんなんじゃ」



ここ最近意識が途中で途切れる。 どこか俺の意識だけが別な場所へ行っているような。





その夜……




ルノ…… こずえ!!



恐ろしい夢を見た、こずえをルノが殺してそのルノを俺が殺す夢…… けれどどこかでそれを体験しているかのような実感。



俺は闇に落ちていく、そして更にその闇の深部へと俺の意識は飛ぶ。



すると一点の光が見えた。



見えたと思ったら光が闇をかき消した。



「おや〜、珍しいな。 私の意識にお邪魔してくる人が居るなんて」



誰だ? 知らない女が俺の目の前に居た。



でも知っているような……



「誰だ?」

「あら? これはビックリ! No.564もといハル君じゃないの」

「No.564? 何言ってんだ?」

「んん〜? もしかして記憶なし? それに姿形はあの時よりも若いけど確かにハル君だねぇ、どうして君がここに迷い込んできたわけ?」



女は俺を舐め回すように見ながらそう言った。



「言ってることが全然わからない」

「あはッ、だよねだよね! それじゃあ自己紹介、私はスザク。 死と復活を司る四神と称されるとても偉い人」



スザク?? 自分を偉い人とかってとてつもなく胡散臭いやつだな。



だがその女はどこか普通の人間とは違った雰囲気を持っていた、そもそもこの状況でこれが人間なのか今が夢の中なのかもすらわからない。



「ミロク」

「え?」

「あ、へぇー、これでもピンと来ないかぁ。 じゃあビャッコ」

「だからなんだよそれ? ビャッコってゲンブとかセイリュウとかの四神繋がり?」

「おやおや、もしかして別次元から来た何も関係してない別のハル君?」

「いや全然わかんねぇよ」

「んー、私がハル君と会ったことあるから何かの拍子で別のハル君引き寄せたのかなぁ?」



スザクという女は考え込むように頭に人差し指を当てて何やら言い出した。



「なあ、ここってなんなんだよ?」

「ここ? ああ、私の精神…… というより復活劇の最中みたいな?」

「は?」

「私の身体が居た元の世界で私とミロク、セイリュウにゲンブってとっても強いお仲間が居たんだけど君と似たような奴に組織のビャッコが不覚取っちゃってさぁ〜」



スザクは軽い感じで相も変わらずわけのわからないことを話し始めた。



「そんでもって四神がひとり欠けてる状態でドンパチ始めちゃったわけで惜しいとこで見事に返り討ち! 参ったなぁと思ったんだけどそんな時は私が居れば安心安全ってわけ、なんせ私はスザクだから」

「ごめん全然わからないわ」

「まぁ君にはわからなくて当然だね、でもこんなこと初めてだなぁ。 復活の時に異物が私の精神に介入してくるなんてどうなるんだろ?」



すると目の前のスザクが光に包まれた。



「うわッ!」

「あーごめん、時間になっちゃった。 じゃーねッハル君」

「うあああああッ!!」



俺は身体が引き裂かれるようなほど光の中をまるで竜巻にでも呑み込まれたように引き摺り回される。



その時俺の脳裏に見たこともない映像が浮かんだ。




ハル…… 言うのが遅過ぎたけどあなたの事が好き。 もっとずっと早く言ってれば良かった。



え? ルノッ?! 



ハル君…… ゲホッ! ご、ごめんなさい、なんとか…… したくて…… 私、私ッ……



今度はこずえ?



い、嫌だ!! お兄ちゃんと最後まで一緒に居る!



カズハまで……



どうしてみんなボロボロなんだ? これはなんなんだ??



「ぐあッ!」



そして頭が割れるような頭痛が襲う。 



「ち、違う、これは夢なんかじゃない。 俺は…… 俺は今まで見たことを体験してる、俺はッ!」



パズルのピースが揃っていくように俺の頭の中に見たことがないようでそうではないものが組み上がって来たと思うと光の上に暗闇がポッカリと穴が空いているようなところへ押し出されそうになった。



ルノ、こずえ、カズハ、みんな……







◇◇◇






目を覚ますとまた光が俺を照らした、だがさっきとは違いヘッドライトのような光が俺を囲んでいた。



「なんだこいつら? どこから出て来た?」

「てめぇらッ! 俺らの集会になんの用だ!?」



な、なんだったんだ今のは…… それにこの状況は? ……… てめぇら??



「うッ、うう…… な、何?」

「いたた……」

「え!? 何ここ?! まだあたしの夢の続き?」



周りを見るとルノと梢、カズハが俺と同じく地面に倒れていたみたいだ。



「ルノ…… ルノッ! それに梢にカズハまで」

「ハ、ハル? 私どうなってるの? え? ミロク達は?」

「ハル君にルノさん…… ? 嘘、なんで?! それよりなんで私が生きてるの? さっきまで……」

「お兄ちゃん? へ? ここは?」



そ、そうだ…… 俺はビャッコを倒して力尽きてミロク達に。 



いや、それよりなんだったんだ? さっきのはスザク、あいつは一体……



「ハル、よくわからないけどこれって……」

「俺もわからないが…… それよりお前身体が」



ルノを見るとさっきまでビャッコと闘っていたルノよりも大分若い。 そう、ウィルミナーティの施設をぶっ壊した後、掃除屋の仕事を始めたばかりのルノみたいだ。



「ハルこそ…… なんで若返ってるの? それに梢ちゃんはそのまま、カズハちゃんも」

「お、おかしいよこれ、一体どうなってるの? キリコ…… キリコは?」

「キリコ?」



梢は辺りをキョロキョロと見回す。



「こいつらなんかやべぇクスリでもやってんじゃねぇの?」

「マブい女も居るし男は海に沈めて後は俺らでまわしちまうか?」



俺達を囲んでいるどこか時代錯誤のような特攻服を着た連中が何やら喋っている。



この状況はよくわからないがこの周りに居る連中はどうにかした方がいいな。



「ルノ、梢、カズハ、とりあえず身体とか何も異変はないか?」

「異変ならハル君とルノさんが…… あ、どこか痛いとことかはないけど」

「あたしも…… ってシエルちゃんだよね!?」

「カズハ、それは今はいい」



俺はいつも力を使うように脳に身体のリミッターを外すイメージを促す。



使える…… ビャッコと闘っていた時の白狼の力は感じられないがそれ以前の力は使える。



「ルノ」

「ええ、私もまだ使えるみたい」



ルノも同様のようだ。



「梢、カズハ、俺達の後ろにいろ。 こいつらを片付ける」

「ちょっと待ってよ、あたしもやれるよ! こんなダッサいやつらに負けるわけないじゃん。 ほら、シエルちゃんは邪魔だから猫になってあたしにくっ付いてて」

「それが出来ないみたい……」

「えーーッ!? じゃあ邪魔じゃん!」



梢が1番困ってるみたいだ。 どうやら梢は前みたいに猫になれないみたいだが……



「なら梢は俺達が守ればいい」

「そうね、梢ちゃんには手出しさせないわ」

「まったくもーッ! シエルちゃん後で話聞かせてよ!」

「う、うん」

「何さっきからわけわかんねぇこと言ってんだてめぇら! 俺達東京連合だってわかってんのか!?」



東京連合? まだいたのかこいつら…… 東京連合はリーダーがやらかしてもう消滅寸前だと思ってたが。

  


「まぁいいや。 見上さん、こいつらやっちゃいましょうよ」

「ああ、男は死ぬまでリンチして女は死ぬまで犯す」



見上? 見上ってあの残虐王子とか呼ばれてた東京連合のリーダー…… あいつは国外に逃げたはずじゃ。 どうなってるんだ?



「ルノ……」

「何か変よね? だから見上ってのを締め上げてみましょう」

「だな」

「誰が誰を締め上げるって?」



鉄パイプを持った数人が俺達に襲いかかってきた。



「くたばれや!」



2人が俺に鉄パイプを振り下ろしたが素手で受け止めた。



「は?」

「まぁこんな奴らリミッターを外すほどでもなかったな」



ルノにもひとりバットを持った奴が襲い掛かったがルノはそいつの腕を掴んでバットを奪い取りそのままバットを握り潰した。



「そうね、ちょっとビャッコのせいで臆病になっちゃったわね。 アーデルハイトも持ってないしなんだか調子狂うわ」

「こ、こいつら人間かよ…… 」

「ふん! あんたらなんかあたしひとりで充分よ!」



カズハが一瞬で俺達の周りに居た族をぶっ飛ばした。



「お、お前らなんなんだ?!」

「見上だよな? 今西暦何年何月何日だ?」

「は、はぁ?」

「だから何年の何月何日だ?」

「てめぇ…… 状況わかってねぇようだな」

「わかってないのはどっちだ?」

「てめぇら!!」



はぁ、結局こいつら全員ぶっ倒すようか。



「ルノ、カズハ」

「ええ」

「はーい」

「梢、少し待ってろ」

「うん」



それからあっという間に族を見上以外を全滅させた。 



「う、嘘だろ…… ひゃ、100人以上を……」

「おい」

「ひッ!」



見上はブルブルと震えて後退りする、東京連合のリーダーが惨めなもんだ。



「さっきの質問の答えは?」

「あ…… あ、1989年7月10日…… です」

「1989年だと!?」

「ハル…… これって」

「え?! だからこんなにダサい格好なのこの人達」

「カズハちゃんそこじゃないよ! ど、どうしよう…… わ、私のせい?」



梢が何か知ってるのか?



「梢、どういうことだ?」

「梢ちゃん何か知ってるの?」

「あ…… の、ええと」



梢はまたも辺りをキョロキョロとして何かを探しているみたいだ。



「キリコーーッ! 居ないの? キリコーー!」

「シエルちゃん何叫んでるの?」



…… そうだ思い出した、梢は猫に生まれ変わったと言っていた、それが何者かの介入ならもしや梢のその介入者の仕業か? 



だが梢の様子を見るからにその介入者とやらと話が出来ないみたいだ、だとすればこの現象を引き起こしたのはスザク…… 思い当たると言えば梢のそれかスザクだ。



「どうするハル…… 嘘をついてるようには思えないけど」

「3人ともよく聞いてくれ」

「ハル?」



こうなってしまったらやることはひとつだ。



「俺は東京連合を乗っ取る」

「「「えッ!?」」」



今度はしくじらない。



「ハル、何を考えてるの?」

「八咫烏だ」

「ミロク達のこと?」

「ああ、どういう理屈だかもよくわからないがここにもいるはずだ」

「そうかもしれないわね」

「俺はこの東京連合をベースに新しい組織を作る、八咫烏に対抗出来るような……」

「でもこいつらは所詮そこらのアウトローよ? そんな有象無象であいつらに」

「わかってる、表向きは見上を顔として祭り上げて俺らが裏で指示を出す。 俺らは奴らに対抗出来る人員を確保する」

「そんな簡単に……」

「わかってる、けど……」



ルノは少し不安なようだ。 だが……



「はぁ、仕方ないわね。 やりましょう」

「あたしも! あたしもやる!」

「カズハ…… お前は別にこんな危険に踏み込まなくてもいいんだぞ?」

「イヤ! お兄ちゃんと一緒にやる! 今度仲間外れにしたら許さない!!」

「わ、私もハル君達と一緒に居たい!」

「梢、お前まで…… お前は」

「私も…… 私もみんなと一緒に居たい」

「だってさハル。 いいじゃない、梢ちゃんも私達と同じ思いみたいなんだから。 だから今度はしっかりみんなで戦おう? 生憎かなりのお金稼げそうな世の中じゃない。 組織作りならこの時代の方がやりやすそうよ、これから何が起こるか大体想像つくじゃない」

「…… ああ」



俺達はここからまたやり直す、新たな組織を作り上げ八咫烏とウィルミナーティを今度こそ潰す。 





今までいい夢を見ていた、俺やルノ達が普通の家庭に生まれて闇の仕事に手を出さずに真っ当に生きていた夢を。 でもそれは夢じゃない、多分誰かが、もしかして梢が見せてくれた可能性なのかもしれない。 それとは少し違うかもしれないが今度こそ俺がこいつらに見せてやる。





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